カルシウム&マグネシウムのイイ関係…女性が知りたい栄養学の話

フード
2018.10.30
カルシウム・マグネシウムという2つの栄養素は、神経や腸、心臓の動きをコントロールするためコンビで働くミネラル。快腸でハッピーな毎日を送るには、これらの栄養素がないと始まらない! あやこいとうクリニック院長、伊藤史子先生が詳しく解説してくれました!
カルシウム

――カルシウムとマグネシウムは一緒に扱われることが多いような気がしますが、これはなぜですか?

伊藤先生:カルシウムとマグネシウムは、互いに影響し合って働くため、2つのバランスが大切なんです。

――カルシウムは骨の材料になるってすぐわかるんですけど、マグネシウムはいまいち影が薄いですよね…。体の中で何をしてくれる栄養素なんですか?

伊藤先生:カルシウムの役割は骨だけじゃないし、どちらも体の中ですごく出番の多いミネラルなんですよ。カルシウムとマグネシウムは、内臓や血管が収縮、拡張するときに必要です。心臓がきちんと動くのも、スムーズにお通じがあるのもカルシウムとマグネシウムのおかげ。子宮の収縮拡張にも関わるので、不足すると流産や早産の原因にもなります。それから、神経伝達にも重要。カルシウムとマグネシウムが足りないとウツっぽくなったり、倦怠感が出たり、イライラしやすくなるなどの影響が出るんです。

――マグネシウム、大事なんですね。カルシウムと骨についても、改めて教えていただけますか?

伊藤先生:カルシウムは骨を作る材料です。体の中では毎日少しずつ古い骨が壊され、中のカルシウムなどをリサイクルして新しい骨を作っています。骨の中に蓄えられるカルシウムの量は、15~16歳のときにだいたい決まってしまいます。でも、その年代の女子って、大抵ダイエットしますよね。すると、骨の中にあるカルシウム倉庫のキャパが少ないまま容量が固定されてしまいます。大人になって骨を丈夫にしようとカルシウムをたくさん摂っても、骨の中に入りきらないケースが多いんです。

――もう手遅れじゃないですか! もっと早く教えてほしかった…。

伊藤先生:残念ながら、食育が不十分なんですよね。まあ、大人が今から骨を太くするのは難しいけれど、先ほどお話ししたようにカルシウムは骨以外にもいろんなところで使います。最近は小魚を食べたり牛乳を飲む人が減っていますから、不足しないようきちんと補っておきましょう。

――それぞれ、1日にどれだけの量を摂ればよいですか?

伊藤先生:国による目安だと、カルシウムは成人女性で650mg、マグネシウムは270mgから290mgですね。でも、カルシウムについては1日1000mg摂ったほうがよいという説もあります。どちらも鉱物ですから、鉄と同じようにタンパク質が含まれた食物と一緒に摂取すると、吸収がよくなりますよ。

ここからは、カルシウム・マグネシウムを摂るためのレシピをご紹介。カルシウムとマグネシウムは、料理にちょい足しできる食材に多い。キッチンにストックしておこう。

パルメザンチーズ

摂取できるカルシウムの量:78mg(大さじ1杯6g)

カルシウム

パスタにリゾットに、たっぷりふりかけて。
乳製品に含まれるカルシウムは、魚や野菜より吸収率が高い。チーズはハードタイプのほうが、カルシウムやマグネシウムが豊富。

干しさくらえび

摂取できるカルシウムの量:60mg(大さじ1杯3g)
大根おろしや冷や奴のトッピングに。
カルシウム含有量は牛乳の6倍。まるごと食べられるため、ビタミンなどその他の栄養素も豊富。

木綿豆腐の冷や奴

摂取できるマグネシウムの量:130mg(木綿豆腐1/3丁100g)
ミネラル豊富なうえ高タンパクで低カロリー。
豆腐は、カルシウムとマグネシウムが豊富な大豆を、ミネラルで作られたにがりで加工したもの。低カロリーで効率よく栄養を摂れる。

いとう・あやこ あやこいとうクリニック院長。医師、医学博士。分子栄養療法、キレーションをはじめとしたインナーケアを行う。

※『anan』2018年10月31日号より。写真・小川朋央 イラスト・藤田 翔 料理作製、監修・篠原絵里佳 取材、文・風間裕美子 

(by anan編集部)



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