原 嘉孝「タイプロは夢をもう一度追わせてくれた場所」

――名前を呼ばれた前後の気持ちは?
(菊池)風磨くんが「最後の合格者は…」と言った時に「あぁ終わった」なと。これからどうやって1人で売れていくか考えていて、呼ばれるまでの時間がものすごく長く感じました。なので喜びよりも驚きが先にきて、正直、ステージで(松島)聡ちゃんが言葉を掛けてくれたこと以外、記憶にないんですよね。このインタビューを受けていてもまだふわふわと夢の中にいるようで…。
――印象に残ってる瞬間は?
4次審査から参加して、本番のパフォーマンス直前に6人で円陣を組んだ時。チームで歌って踊れる、アイドルとしての自分を表現できることが久しぶりで喜びが込み上げてきたことを鮮明に覚えています。
――事務所でのキャリアがあるということで途中参加する難しさもあったのでは。
アイドルという仕事がどれだけ大変か、芸能界の先輩として伝えなきゃという意識と、他の候補生と横並びなんだから偉そうにしちゃいけないという気持ちとでバランスをとるのが難しかったです。最初は「なめられちゃいけない」と思っていました。
――気持ち的にファイティングポーズをとってしまったと。
絶対にtimeleszのメンバーという切符を掴み取るという意識が強すぎて、構えたところはありましたね。でも、候補生たちは本当に真面目で、向こうから聞きに来てくれるんですよ。そのひとりが(猪俣)周杜。「どうしたらカッコよく見えますか?」って。みんな頑張っていて、オーディションに人生を懸けていることも伝わってきて、教えてあげたいと思わせてくれました。そうした中で、(西山)智樹のリーダーというポジションを僕が奪って悩ませてしまって…。「智樹は俺ができないやり方でチームを引っ張ってくれていて、みんな助かっている」という話を直接したんです。それから毎日毎日、資料を作ってきてくれて。改めてありがとうを伝えたいです。昨日「ファイナル審査、本当にカッコよかったです」と連絡もくれたんですよ。彼はスキルもあるし、夢を諦めず音楽に携わってほしいです。(オリジナルメンバーの)3人が「僕らが候補生に成長させてもらった」と言ってますけど、僕も教えているようで、みんなから教えてもらっていました。
――5次審査はいかがでしたか。
4次で同じチームだった智樹と周杜がいて、最初からコミュニケーションはうまくとれましたね。(浜川)路己は、僕には真似できない華のあるパフォーマンスをしてくれて、間違いなく革命チームの顔でした。
――ファイナル審査前のインタビューでは「眠れない」と仰っていましたが…。
そうでしたね。てら(寺西拓人)に相談したらなんだか自信ありげに「大丈夫だよ」って。その言葉がお守りになっていました。てらはこれから間違いなくグループの顔のひとりになっていくメンバー。僕は、バラエティもですけど、お芝居で結果を残すことでグループに貢献できたらなと。役を作るということを教わり、鍛えてもらったのは舞台なので、2年に一回、欲を言えば1年に一回、特に会話劇に挑戦したいです。
――トレーナーとの思い出は?
4次で登場した僕に、NOSUKEさんが「原嘉孝にいいと思わせられてしまった」と言っているのを配信を見て知って、素直に嬉しかったです。宮本(美季)先生は、言葉を伝えるということをすごく大事にしてらっしゃって。ファイナリスト8人で円になって「RUN」を歌ったエクササイズでは“歌うとは”という根本的なことを改めて考えることができました。実は、宮本先生から「8人が同じ方向を向けているか、『RUN』を歌うことはどういう意味を持つのか、みんなで改めて共有してほしい」と託してもらい、最終審査のステージに出る直前に円陣を組んで確かめ合ったんです。
――ステージに立った時点で泣いていたのには、そういう経緯があったんですね。
そうなんです。「RUN」パートの映像も本番で初めて見ると、気持ちが持っていかれてパフォーマンスにならないかもしれないから、事前に見せてもらえないかとスタッフさんにお願いして対策したのに、結局泣きまくりでした(笑)。
――裏話が他にもあれば聞かせてください。
経験があって自分の形を持ってしまっている分、どう成長や変化を見せるのかが僕の課題で、5次審査で髪を切ったんです。そもそもは、目黒(蓮)とananさんの表紙撮影で会った時に「原は短いほうが絶対にいい」と言われたからだったんですけど、切りすぎちゃいました(笑)。
――最後に、原さんにとってtimelesz projectとは?
自分に素直になって、夢をもう一度追わせてくれた場所、ですかね。僕にこんな未来が待っていたとは。ファイナル後にすぐ撮った本当に1カット目、8人横並びのアー写が携帯に入っているんです。家に帰ってそれを見て何度泣いたことか。仲間のいる、帰れる場所ができて本当に嬉しい。ここからはグループのために人生を懸けます。
PROFILE プロフィール
原 嘉孝(はら・よしたか)
1995年9月25日生まれ、神奈川県出身。舞台で培った確かな実力と、熱くて涙もろい人柄が注目を集める。独自の挨拶ワード“ちゃぼす”が話題となり、グッズ化を目論見中。
INFORMATION インフォメーション
『timelesz project‐AUDITION‐』
timeleszの3人が、共に歩む仲間を探す「timelesz project」にNetflixが密着し、世界独占配信中の番組。公式YouTubeチャンネルでは、オーディションの裏側『timelesz Behind The AUDITION』を公開しているほか、Instagram(@timelesz_project)やTikTokでも限定コンテンツが続々。
anan2438号(2025年3月12日発売)より