
オリジナルアルバム『MAGFACT』を引っ提げ全国8都市24公演で24.9万⼈を動員する全国アリーナツアー「Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2025 MAGFACT」を開催中のKis-My-Ft2。記念⽇すべきCDデビュー⽇の8⽉10⽇(⽇)に⾏われたステージをレポートします。
8⽉10⽇にデビュー15年⽬のスタートを迎えたKis-My-Ft2(通称・キスマイ)。この⽇の公演の前に⾏われた囲み取材では、記念⽇をコンサートで迎えられることに「特別な⽇になればいいな」と語っていた藤ヶ⾕太輔さん。宮⽥俊哉さんは「ライブの空間というのは僕らにとって特別な空間なので、ファンの皆さんと⼀緒に“おめでとう”って祝って分かち合えたら素敵ですよね」と笑顔に。千賀健永さんは、「こうやって6⼈でステージに⽴ち続けられるのは、すごい嬉しいこと」と感慨深げな表情を覗かせた。これからの抱負については、⼆階堂⾼嗣さんが「ドームもそうですし、国⽴競技場とか⼤きいところでもやってみたい」、横尾渉さんが「ずっと健康で…ずっとローラーを履きたいですね。1曲でもローラーを履きたい」と⽬標を掲げた。会⾒の最後には「今⽇、無事に14周年⽬を迎えることができました。ここから15年⽬の節⽬の年。これからも僕たちは進み続けるので、これからも応援よろしくお願いします」と⽟森裕太さんがファンへメッセージを送った。

定刻時間を迎えた18時──。メタリックゴールドに輝くゴンドラに乗った6⼈が登場するとスパークラーの豪華絢爛花⽕がステージ上空から華やかに彩り、ステージの始まりを告げる。1曲⽬は「Curtain call」。ライブに訪れた⼈々を夢と現実の狭間に誘うようなドラマティックな楽曲は幕開けにぴったりなダンスナンバーだ。⼤⼈の⾊気を醸し出しながら、デビューから14年の⽉⽇が経ったことを感じさせるパフォーマンスを魅せつける。「Hey! 横アリ! 騒げるか? O.K! 最後までついてこい」とあおる⼆階堂さんの声で冒頭は、キスマイの魅⼒を全開で発揮できる疾⾛感溢れるナンバー「FREEZE」や「Tonight」を激しいダンスで畳みかけ、会場の⼀体感を⾼めていく。
キスマイのライブの演出やセットリストは、近年⼆階堂さんが中⼼に考案を担当。今回は、アルバム『MAGFACT』を引っ提げたステージで、「MAGNET(マグネット)」と「FACT(事実)」からなる造語で、「くっついて⽣まれた⾳楽」をテーマにいろんな相⼿とコラボレーションして⽣まれた楽曲を盛りだくさんに披露する内容に。幻想的な満⽉をバックに歌ったMAN WITH A MISSIONのKamikaze Boy提供曲「Glory days」では、オオカミダンスも取り⼊れられ、MAN WITH A MISSIONワールドを表現。
レギュラー番組などで親交の深いサンドウィッチマンのお⼆⼈がお客さんにサプライズで駆け付け、ステージ上でのコラボも実現。中華料理店の円卓テーブルが並ぶステージで、14周年をねぎらう打ち上げのような雰囲気で「お疲れ様です!feat.サンドウィッチマン」を特別に披露。サビのダンスを8⼈で賑やかにパフォーマンスした。宮⽥俊哉さんが「Kis-My-Ft2のマブダチのサンドウィッチマンさんです」と紹介し、メンバーがお⼆⼈と次々ハイタッチをする場⾯も。楽曲はちょっとした失敗や憂鬱な気持ちを明るく吹き⾶ばそうとするポップソングだが、リハの後、⼆階堂さんからダメ出しをされたというお⼆⼈。「台詞を⾔うところで⾔えない、みたいなすごいグダグダだったから…。『⾃分がどうなっているか映像で⾒た⽅がいい』とニカに説教されて」と振り返り、楽屋で猛練習したと伊達みきおさんが話すと「いや、貴重な時間とお⾦をいただいているんで。でも、本番は完璧!」と絶賛する⼆階堂さん。富澤たけしさんは「この1曲のために13時⼊りして、マッサージして針を打ってる」と会場⼊りしてからメンテナンスをして挑んだという裏話も⾶び出す。「質問コーナーでもしようか?」と、少しでもステージでトークをしようとするサンドウィッチマンのお⼆⼈に⽣配信もあって押してしまうとダメだとツッコミを⼊れ、息ぴったりな掛け合いを繰り広げるメンバーたち。お⼆⼈はステージの去り際、CDショップの店員さんのショートコントをプレゼント。これには「すごい。皆気持ちも⼀つ、ギアが上がったんじゃないですか」とメンバーも⼤喜びだった。
ファンの皆さんに「今キスマイに歌ってほしい曲は?」というアンケートをとったところ、応援ソングを歌ってほしいという声が多いことから⽣まれた「メロディー」では、聴く⼈の背中をそっと押すように、温かい雰囲気で歌う6⼈。明⽇は今⽇よりも笑顔になりますようにというメッセージを、⼼を込めて歌った。歌い終わると「いい曲だよね。メロい」と⽟森さん。千賀さんも⼆階堂さんも「メロいね〜」としみじみ。繰り返し“メロい”というワードを連発していた。
ファンの会場を照らすペンライトがメンバーカラーに染まり、14th AnniversaryのメッセージがLEDに映し出されると公式YouTubeチャンネルの⽣配信がスタート。「今⽇は、僕たちKis-My-Ft2のデビュー⽇です」と宮⽥さん。「(LEDに会場の様⼦が)映った時、“キャー”って⾔ったの、いいぞ」と会場のファンの反応を褒める⼆階堂さん。宮⽥さんが「いつも応援して下さっている皆さんのおかげで僕たち14年間続けて来れました。配信を観て下さってる皆さま、会場に来て下さっている皆さま、本当にいつもありがとうございます」と改めて感謝の⾔葉を伝える。お祝いのケーキがステージに運ばれると、「じゃあ、終わったら、ここにいる1万5000⼈と俺たちで分けようね。終わったら切ってロビーに置いとくよっていうそんな気持ちです」と冗談めかして⾔う千賀さん。ステージでファンをバックに記念撮影も。⽟森さんが猫⽿ピースでキュートに決めると会場に「可愛い」の声が溢れる。千賀さんは「ファンの⼈との思い出がまた⼀個できた」とニッコリ嬉しそうだ。
ここで宮⽥さんが「さあ、ということでですね、もう1個、皆さんに伝えたいことがあります。今⽇、8⽉10⽇の0時ジャストにうちのレーベルMENT RECORDINGさんのⅩで、プールに⼊っている俺たちの写真がアップされたと思うんですが、観たよって⽅、います?」と会場に尋ねると「観た〜!」と声を上げるファン。「ありがとうございます。あれが何だったのかというとですね。俺たちの新曲でございます。なんと本⽇の8⽉10⽇24時ジャストにデジタルリリースされます」(宮⽥さん)とサプライズ発表。ここで新曲「A CHA CHA CHA」(8⽉11⽇配信リリース)を今から初披露することを伝えると⼤歓声に包まれる。⽟森さんが「A CHA CHA CHA」は「何となく想像しているかもしれないですけど、⼤⼈のサマーチューンです」と説明。藤ヶ⾕さんは「(初めて聴くけど)ノレるよね?」と会場をあおり、ムービングステージで披露へ。
大人の余裕を感じさせるゆるっとしたダンス。90年代風のヒップホップソングは、グルーヴ感満点! ダンサーと⼀緒に歌い踊り、藤ヶ⾕さんと⽟森さんがハイタッチする場⾯も。初披露後は、「最⾼! メロい!」と夏を盛り上げる⼀曲に⾃信を覗かせた。最後に宮⽥さんが「改めて14周年をお祝いしていただいて皆さんありがとうございました。15年⽬も俺たち⽌まらず突っ⾛っていくから皆、ついて来てね」と締めくくり、⽣配信が終了した。
後半戦は、⽟森さんと宮⽥さんのユニット曲からスタート。めがねにシックな⿊の⾐裳姿の⽟森さんとうさぎ⽿のフードをかぶった宮⽥さんが憂鬱な気分を歌う「SHINDO」は癖になる⼀曲だ。顔を⾒合わせたり、グッと顔を寄せ合ったりするたびに悲鳴が上がる場⾯も。ラストはムンクの叫びのような“しんど”ポーズを。
藤ヶ⾕さん、千賀さん、横尾さんの3⼈曲は、「Yummy, lovely night」。サングラスをかけた姿でアリーナ客席⽅向から⼀⼈ひとりステージに向かって歩きながら歌う。この曲は刹那に酔いしれる⼤⼈な⼀夜を表現する曲。藤ヶ⾕さんが「ほら、きっと」とささやくと沸く会場。最後は3⼈がサングラスを外して、それぞれ決めポージング。

⼆階堂さんはレギュラー番組「10万円でできるかな」のコーナーから派⽣した⼆階堂さんの冠番組「ニカゲーム」とコラボした特別企画を。英語が苦⼿な⼆階堂さんが英単語をなんと呼んだかを会場のお客さんとメンバーが予想して正解を当てるミニゲームコーナーだ。このコーナーについて「毎回マジでやってる。悪いけど」と胸を張る⼆階堂さんが今回読む英単語は、debut。デビュー⽇にかけてのワードになり、「これは読めて欲しい」と願うメンバーたち。まずは会場のファンに⼆階堂さんがなんと読んだか叫んでもらうと「デブト」という声が…。「皆のニカ⼒が試されている」(宮⽥さん)と⾔いながら、メンバーのファイナルアンサーは「デブト」に。正解はなんと“デヴット”で不正解。「惜しい!」と叫ぶ⼆階堂さん。そして、「ニカゲーム」おなじみのグリーンのジャージの⾐裳で⼀⼈で「Shake It Up」を披露。途中からローラースケートを履くと他のメンバーもローラースケートを履いて颯爽と登場し、「まだまだローラー履けますからね」と、全員で花道を軽やかに駆け回る。「ありがとう。サイコーです、僕の時間でした!」と⼆階堂さんが満⾜気な表情を⾒せると「デビットじゃねーから。あれはデビューだからね?」と間違いを正す宮⽥さん。「デビュー!?」と⽬を丸くする⼆階堂さんに会場から笑いが起こった。
横尾さんが「Hey! 横浜。ラストスパート、ついて来れるか?」と会場をあおると激しく踊るダンスナンバーパートへ。いつもライブを制作しているライブスタッフのアイディアを形にしたという「FIGHTERS」では、キスマイ名物の特効祭りが。サイレン⾳がけたたましく鳴ると⾳⽟を合図に炎の特効が盛⼤に吹きあがり、クライマックスをこれでもかといわんばかりにダイナミックに盛り上げる。前衛的な姿勢を表現した攻めのパフォーマンスで会場の視線をクギ付けに。ラストスパートは、円形ムービングステージでメンバーを乗せた円形ステージが半⽉形に割れたり、上下したり形を変えながら、観客の近くに⾏くなど、最後までファンを喜ばせる演出が。

そして、ラスト曲を前に始まったのは、レーザー&ファッションショー。眩いレーザーのビームが⾶び交う中、⼆階堂さんがポップアップで出現。ムービングステージには⽟森さんと千賀さん、ムービングステージの下の花道には宮⽥さん、両側のリフターには横尾さんと藤ヶ⾕さんの姿が。⾐裳は⽣地やパーツを韓国まで買い付けに⾏ったという⽟森さんがプロデュースした⾊鮮やかな⾐装を⾝に纏う6⼈。メンバーカラーではないカラー⾐裳が新鮮。ステージの花道をランウェイに⾒⽴てた華やかなファッションショーが展開。それぞれが思い思いに堂々ランウェイを闊歩。クールな表情で「CHEAT」の独特な世界観を表現し、最後までワクワクが⽌まらないステージングを魅せつけた。
今年1⽉8⽇にリリースしたシングル「Curtain call」ではオリコンウィークリーシングルランキング1位を獲得。32作連続、さらにデビュー年から連続で1位を獲得している彼ら。11枚⽬のアルバム『MAGFACT』でもオリコンウィークリーアルバムランキングで13作連続1位。さらにはKis-My-Ft2のアルバムの中で過去最多初週売り上げ枚数の更新を成し遂げたばかり。2011年8⽉10⽇のCDデビューからわずか18⽇での東京ドーム公演は当時史上最速と騒がれた、あれから14年。愛すべき個々のキャラクターも確⽴。⼤⼈のグループに進化しながらファンを魅了し続ける6⼈の15年⽬からの活躍も⽬が離せない。