ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。アーティスト/INIの許 豊凡さまとの対談を終えて…


あと3時間話したかったです♪

フェンファンさんのことをはっきり知ったのは去年の夏のことで、私のとある楽曲のMVをどうしようかと監督と相談したときに、実現しないドリームプランとして「フェンファンくん出てくれないかな?」と監督が言って、「いや無理だよね」と二人で笑いながらも、ああ、この曲で思い浮かぶような方なんだーと他人の視点を借りて認識したんでした(結局依頼さえしなかったのですが、そのことを対談のはじめに伝えたら「出たいです、出ますよ」って言ってくれて笑った)。

会議室に入ってきたときからすぐに会話は始まって、言葉を丁寧に選んで私と2時間おしゃべりしてくれました。思った通り凄く優しくて誠実で真剣で、さらに、いつでも正直な言葉で目の前の私に向かって話してくれるところに感動しました。嘘をつかず、違和感を見逃すことをせず、まっすぐ世界と向き合っているような印象を受けました。

だってフェンファンさんは音楽でも映画でもなんでも色んなことに詳しいのに、知ったかぶりを全くしないんですね。あんまりいないんだよそんな人は。みんな、誤解は恐れながらも、自分が大きく見られることについては寛容な生きものだったりするから。依頼が来るまでゆっきゅんについて詳しく知らなかった(ので調べてきてくれた!)ことも伝えてくれたし、ウォン・カーウァイの映画作品の話題になったときも「まだ観られてない作品もあるんです」と教えてくれて、なんかそれが逆にかっこよすぎて感銘を受けました。話していくうちに、こうやって本当のことを積み重ねて、これまでやってきたんだと思って、なんも知らないのに勝手に険しい道のりを思ったりもして、ずっとこの人の話を聞かせてくれよという気持ちになりました。俺は、フェンファンさんの話を笑わずに聞き続けたい。

まあ切実なことばかり話してたわけでもなく、「インド料理屋が申し訳程度に出しているパッタイとかのタイ料理って偽物ですよね!」「わかる!」とか、「あの映画館のスクリーン2は見づらいですよね!」「わかる!」とか、そんな話題で共感し続けたのもとにかく楽しかったです。

対談が決まってからFCブログ(ananでエッセイ連載を始めるべき)も読ませてもらったんですけど、もの凄く働き者で頑張り屋さんなのに、鉄人という感じはしなくて。自動じゃなく、今日も頑張るぞ! って毎日思ってるから頑張れている人なんだって伝わってきて、私も頑張るぞと思えました。またすぐ会いたい!

ゆっきゅん

Profile

1995年生まれ、岡山県出身。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」を開始。セカンドフルアルバム『生まれ変わらないあなたを』が発売中。作詞家としてアイドルへの詞提供も行う。

写真・鳥羽田幹太 文・ゆっきゅん

anan2454号(2025年7月9日発売)より

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今日の暦
2025.8.
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    友引

昔から中庸(極端に振れず中立的であること)の大切さが説かれてきました。日常的 には「ほどほどにすること」となるでしょうか。今日の暦はこの「ほどほど」が難しく、 思い込みによる強情さが顔を出し、度を越えた言動になりがちです。何はなくともま ずは協調性を心がけ、そのうえで一緒に物事を進めていくことが大切です。

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