ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。アーティスト/INIの許 豊凡さんを迎えての対談をお届けします。


DIVAから私たちがいただく力♪

ゆっきゅん:お会いできてうれしいです! この連載に来てくれたということで、やっぱりDIVAのことから聞きたいです。好きなDIVAはいますか?

許豊凡:女性歌手の楽曲は昔から聴いてきました。中学時代はレディー・ガガさんとか。

ゆっきゅん:世代が近いからわかります! 直撃世代ですよね。

許豊凡:「The Fame」「Born This Way」あたり。その時期はまだ海外のアーティストの楽曲をそんなにたくさん聴いていなかったんですけど、レディー・ガガさんの曲が流れてきたときは衝撃を受けて。曲も表現もすごくて、ハマりました。その後、俳優をされたりと活動の幅を広げていきながら、また今年に出したニューアルバムがすごくて。パフォーマンスを見たときは、中学生の頃と同じくらいの衝撃を受けました。

ゆっきゅん:再来って感じですよね! みんなが見たかったレディー・ガガって感じがした。

許豊凡:あとは昔からK-POPも結構聴きます。強い女性像を持ったアーティストからパワーをもらうこともありますね。MAMAMOOのファサさんとか。

ゆっきゅん:大好きです!

許豊凡:名言がすごいですよね! 容姿に対して否定された過去について語ったときの「私が新しい美の基準になるんだ」という言葉にはしびれました。

ゆっきゅん:かっこいい……。MAMAMOOは曲もメンバーも、ソロ活動もいいですよね。

許豊凡:あとあまり活動期間が長くなかったけど、f(x)も好きです。音楽がすばらしくて。最後のアルバムはもう発売されて約10年経つけど今も古くならない。ミン・ヒジンさんのプロデュースが天才で、アートワークもすごく好きです。

ゆっきゅん:『Pink Tape』を持っている人はみんな自慢してますよね。

許豊凡:もう中古でも高いですもんね。アイドル音楽なのにアーティスティックな表現で。最先端のことを常にしているグループという印象でした。

ゆっきゅん:本当に……。もっといろいろ聴きたかったですよね。

許豊凡:本当にそう思います。

ゆっきゅん:MAMAMOOのファサさんは私と同い年のDIVAなんですよ。チョンハさんもそう。強いDIVA世代。

許豊凡:チョンハさんも『PRODUCE 101』シリーズで見てました!

ゆっきゅん:底知れぬエネルギーをもらえますよね。どうしても元気が出てくる。二人を見ていると、不遜だけれど、俺は日本で頑張るからな……って思います!

映画館行きたくなってきた♪

ゆっきゅん:豊凡さん、映画はお好きですか?

許豊凡:そうですね。直近は映画館にあまり行けていないんですが、去年はよく観に行ってました。

ゆっきゅん:忙しいとなかなか行けないですもんね。映画館で観る派です?

許豊凡:はい。仕事がちょっと早く終わった夜とかに一本観とく? みたいな。すごく気になる作品だったら、忙しくても合間に行ったりしますね。まあ体力はわりと自信があるので(笑)。

ゆっきゅん:いいですね! 健康で繊細な人は無敵ですね。

許豊凡:去年の下半期は、本当にもう大変で。すごく気になる作品が何本も公開されていたんです。『

』『』『』とか。その時は1週間で4本ぐらい観に行きました。映画館をはしごして。

ゆっきゅん:私それめっちゃ好きなんです。たとえば半日空いてたら、これ行ってこれ行ってこれ行ける、みたいなことを考えるの。

許豊凡:わかります!

ゆっきゅん:結局私の理想は実現しないことが多いんだけど(笑)、計画を組むのが好きなんです。

許豊凡:家だと本当に映画に集中できないんですよ。気づいたらスマホを触っていたりして。

ゆっきゅん:わかりますー。いろいろサブスク加入してるけど、やっぱり映画館がいいんですよ。暗闇に縛られて、絶対に映画だけを観なくちゃいけない環境だから。あ、豊凡さん、ウォン・カーウァイ監督の作品も好きですよね?

許豊凡:はい、『恋する惑星』とか。まだ観られていない作品もあるんですけど、日本だと結構頻繁にリバイバル上映をしてくれてるから、機会を狙ってます。

ゆっきゅん:本当、東京なら年に1回はどこかでやってますよね(笑)。

許豊凡:あと移動が多いので飛行機の中で映画を観ますね。海外の航空会社だとたまに日本でまだ上映していない作品を流していたりするじゃないですか。それで昨年は『関心領域』も先に観ました。すごく良かったです。

ゆっきゅん:私もこの前香港に行ったんですよ。だから映画観れるなと思って。『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』とかいろいろ選択肢はあったんです。でも、映画館で感動した『ロボット・ドリームズ』をまた観ちゃいました。しかも、行き帰り両方で。

許豊凡:いや、でも好きな作品ってそうなりますよね。

ゆっきゅん:「September」が流れるところで泣いちゃうんですよ。ポップソングの底力を感じちゃう。

豊凡さんの作詞曲、もっと聴きたい♪

ゆっきゅん:普段INIの許豊凡として、魅せ方で意識していることはありますか?

許豊凡:うーん。なんだろう。たぶん気にせず自然体でいるんじゃないですかね? メンバー11人全員が結構そのままかも。こう振る舞おうとかこう魅せようとか、強く何かを意識していることはないかもしれないです。

ゆっきゅん:今年はメンバーが個人プロデュースするソロステージがあったんですよね。グループ以外の個人活動についても聞きたいです。

許豊凡:ソロステージ「浮遊生物」は、自分ってなんだろうというのを振り返ってできたんです。あまりいろんなことに囚われたくなくて、固定観念やステレオタイプに縛られずに自由に生きたいとずっと思っていました。実際、学生の頃からさまざまな場所を転々としてきたんですけど、それって海の中の小さな浮遊生物みたいだなと思って。何の制限もなく、社会の中をこのまま浮遊していきたいという思いをテーマに込めました。それに合わせて曲を作って。

ゆっきゅん:「Like Water」ですよね。あれすごく好きです。

許豊凡:ありがとうございます。INIのときとはまた雰囲気の違う、別の音楽ジャンルで自分の好きな表現ができたと思ってます。歌詞は、自分もゆっきゅんさんみたいに日常っぽいものを書いてみたいんですけど、挑戦してみてもなんかしっくりこなくて。

ゆっきゅん:普段かっこいい表現をされているから、そもそもやるべきかどうかってところもありますけど、恥ずかしがらなければ簡単に書けますよ。だってすでにブログでめっちゃいいこと書いてます!

許豊凡:本当ですか?

ゆっきゅん:チャージスポットを返せない話とか、私が普段歌っている歌の主人公と同じでびっくりしたもん。

許豊凡:文章にしたらすごくいろいろと書けるのに、歌詞になるとまったく思い浮かばなくて。

ゆっきゅん:思ったことを先に文章にしちゃえばいいのかも。メモでもいいんですけど、曲の主人公の設定とかを書いておいて、そこから言葉をキーワードみたいに拾ってメロディにあてはめてみるとか。

許豊凡:音数の制限、難しくないですか? 日本語って言語の構造特性として、1音に2文字くらいしか入れられないから。

ゆっきゅん:そう、難しいので(笑)、短い言葉で背景まで伝わるようなものを目指しますね。作詞はどんどんやりたいですか?

許豊凡:最近は積極的に書いていこうとがんばってます。

ゆっきゅん:絶対続けてください!

リフレッシュはやっぱり遠出♪

ゆっきゅん:これからさらに個人としてやっていきたいことはありますか?

許豊凡:演者側がそこまでやる必要があるのかっていう意見もあるかもしれないですけど、もっとアートディレクションとかをしてみたいですね。僕はわりと写真を撮ったりするのが好きなんです。編集ソフトも使えたりするので、今までもちょくちょく自分たちのグループの作品に関わってきました。また何か機会があったら創作はやりたいですね。

ゆっきゅん:やってほしい! なんかもう、センスを全開放してほしいです。でも普通に忙しいですよね。休みとか取れてますか?

許豊凡:僕はそんなに休みが欲しいというわけじゃないんですよ。働きたいです。

ゆっきゅん:ちょっと、すばらしすぎる回答ですね……。輝いてます。

許豊凡:休みの日って何をすればいいかわからなくないですか?

ゆっきゅん:休みの日は寝て終わるか映画とかの予定を詰めるか。でも、気がかりなことがあると気持ちが休まらないから、本当にリフレッシュしたいときはもうどこか行っちゃいますね。東京だと、部屋にある積ん読の本とかが目に入ってきて、気が散って休めなくて。だから突発的に国内旅行しちゃいます。京都とか。

許豊凡:京都いいですね。行くたびに住みたいって思います。僕も一人で旅行するタイプです。でも早朝からの日帰り旅行だと、休みに行ってるのか疲れに行ってるのか、わからなくなります(笑)。

ゆっきゅん:逆に忙しい日だ(笑)。日帰りだとどの辺りに行きます?

許豊凡:一番遠くで、広島ですね。そのときは尾道に行きました。ちょっとした現実逃避というか、気分転換のつもりで行ったんですけど、コンパクトな街だったので一日ぶらぶらするだけでも十分楽しかったです。それで最終の新幹線で帰ってきました。

ゆっきゅん:私の地元、岡山だから近いです。帰省は新幹線で3時間半の移動。それが基準になってるから、京都とか近いなって思ってる。

許豊凡:去年は岡山の近くの直島に行きましたよ。僕、結構、島に行きがちかもしれないです。

ゆっきゅん:瀬戸内国際芸術祭の会期中は人がヤバいから、オフシーズンに行ったのは正解すぎます。

許豊凡:ほかには島根にある離島に行きました。フェリーで3時間ぐらいのところだった気がします。

ゆっきゅん:ガチの離島、いいな!

許豊凡:癒されますよ。日本って旅行には最適ですよね。もっといろんな島を巡ってみたいです。

許豊凡

Profile

シュウ・フェンファン 1998年6月12日生まれ、中国出身。グローバルボーイズグループ・INIのメンバー。中国語のほか日本語、英語、韓国語を操る。「I'm a Dreamer」で作詞初挑戦。現在、『DayDay.』(日テレ系)に不定期レギュラー出演中。

ゆっきゅん

Profile

1995年生まれ、岡山県出身。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」を開始。セカンドフルアルバム『生まれ変わらないあなたを』が発売中。作詞家としてアイドルへの詞提供も行う。

写真・鳥羽田幹太 文・綿貫大介

anan2450号(2025年6月11日発売)、anan2451号(2025年6月18日発売)、anan2452号(2025年6月25日発売)、anan2453号(2025年7月2日発売)より

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