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2.5次元作品の中でも抜群の人気を誇る舞台『刀剣乱舞』(以下、刀ステ)。刀ステの新作は、シリーズ初のオムニバス公演。
『anan』本誌では今作に出演する4人、梅津瑞樹さん、田鶴翔吾さん、そして玉城裕規さん、加藤良輔さんが自身の役柄や作品の魅力について語り合っていますが、「ananweb」では誌面に載せられなかったアザーカットと対談をお届け。「SIDE:B」と題して、2組に分けてお送りします。本記事に登場するのは、梅津瑞樹さん、田鶴翔吾さん。
梅津瑞樹さんが演じる山姥切長義は、自分に自信があり、他に臆することがないため、ときに高慢にも見える刀剣男士。そして田鶴翔吾さんが演じる日光一文字は、日光権現の宝刀であったことが名の由来となっており、“知”と“武”を備えた役柄。
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山姥切長義(梅津瑞樹)/備前長船長義作の打刀。長義は長船派の主流とは別系統の刀工となる。写しであると言われている山姥切国広と共に伯仲の出来。美しいが高慢。より正確に言えば自分に自信があり、他に臆することがない。
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日光一文字(田鶴翔吾)/福岡一文字派の作とされている太刀。一文字一家の長、山鳥毛の左腕。与えられた命は完遂する。日光権現の宝刀であったことが名の由来。北条家、黒田家などを伝わり「知」と「武」を備えた風体に歴代のそれが現れる。
稽古場でどれだけ緻密に作れるか
── ご自身と今回演じる役で、近いなと感じる部分はありますか?
田鶴翔吾(以下、田鶴) 結構周りを気にしちゃうタイプなんです。周りの温度感に合わせるというか。そこはちょっと似ているように感じます。
梅津瑞樹(以下、梅津) 確かに。さっきも隣同士でメイクしていたんですけど、「髪型どうするの?」と聞かれたので「こんな感じで」って説明したら、「じゃあ僕はちょっと変えようかな」って言ってくれて…。
田鶴 やっぱり2人で撮るなら、似た感じになるよりはコントラストが出たほうがいいのかなと思って。
梅津 衣装も、4〜5パターンあったけど、僕が選んだものを見て「じゃあこれで」って選んでて。別に気にしなくていいのに。
田鶴 いいふうに言ってくれて、ありがとうございます。
「山姥切長義に近いところと言ったら、品があるところじゃないですか(笑)」(梅津さん)
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山姥切長義を演じる梅津瑞樹さん
梅津 ちなみに僕の山姥切長義に近いところと言ったら、やっぱり品があるところじゃないですか(笑)。あと、最近よく手袋をしているところです。
田鶴 この時期(1月上旬)、みんなしてるんじゃないですか(笑)。
梅津 (笑)。でも、プライドが高いところは近いかもしれません。それは良くも悪くも。
── おふたりとも、演劇に対して熱いものを持っている方という印象があります。俳優としてこうありたい、という矜持のようなものはありますか?
田鶴 それで言うと、僕はわりと役を綿密に構築したい人だと思います。キャラクターの解釈にしても、まず台本を読んで、いくつか役のパターンを考えておきます。そして稽古場で実際に実践してみて合ったものを、さらに細分化させてやってみて…という感じで作っています。稽古場でできるだけ緻密に作って、本番でつねに一定した高いクオリティのものを届けたい、と思っているんです。
梅津 それ、すごくわかる。僕の場合、これまではよく“嘘をつかないこと”って言ってたんですけれど、最近少し変わってきたんですよね。もちろんそれは前提としてあるけれど、今は、その日その瞬間に起きたことを楽しむスタンスでいるように心がけています。
「本番で、つねに一定した高いクオリティのものを届けたいと思っています」(田鶴さん)
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日光一文字を演じる田鶴翔吾さん
2人の“今、熱いもの”
── お仕事とは別に、今ご自身の中で“熱いもの”を伺いたいです。
田鶴 今っていうよりずーっとなんですけど、車が好きなのでレース…とくにF1ですね。もっと役者界隈にその魅力を伝えて、裾野を広げたいと思っているんですけれど。
梅津 どういうところに惹かれるの?
田鶴 F1って〈フォーミュラ1〉の略で、つまり“最高位”なんです。車の最高位のスピードを競うレースなわけで、一番速いものを決めるって、それだけでドキドキしますよね。やっぱり速いものって憧れますから。
梅津 僕はもともとカメラが趣味で、ちょうど先日、橋本祥平(編注:舞台「刀剣乱舞」では太鼓鐘貞宗役を務める)と奥多摩のほうに写真を撮りに行ったんです。そのとき彼が、近くにだし巻き玉子が美味しい店があるらしいって言うんで、行ったんですよね。その店には新鮮な烏骨鶏の卵を使っただし巻き玉子があるんですが、いくら美味しいとはいえ玉子焼きだけでご飯を食べられるかなって思っていたら、これがめちゃくちゃ美味しかったんです。結局、その日一日ずっとふたりでだし巻き玉子の話をしてました。
── 写真はどんなものを撮りに行かれたんでしょう?
梅津 風景を撮るつもりで行ったんですが、結果的に100枚のうち80枚は橋本祥平の写真でした(笑)。
田鶴 それはそれで楽しそうです。
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取材こぼれ話
取材中、終始穏やかな空気感を醸し出していたおふたり。インタビューも落ち着いたトーンで“オトナ”な印象…かと思ったら、SNS用にとお願いしたananパンダとの撮影では、互いのパンダを闘わせたり(!?)とファニーな一面も。そんなお茶目なおふたりの様子は、撮影ビハインド動画でご覧ください。
PROFILE プロフィール
うめつ・みずき 1992年12月8日生まれ、千葉県出身。2022年の解散まで虚構の劇団の劇団員として活動。2.5次元舞台に多数出演する一方、23年には演劇ユニット言式を立ち上げ、脚本・演出も手がける。4・5月には一人舞台『MAGENTA』も控えている。
たづる・しょうご 1992年6月2日生まれ、兵庫県出身。ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで注目を集め、2.5次元舞台に多数出演。主な出演作に、『HUNTER×HUNTER』THE STAGEなど。4月開幕の『ワールドトリガー the Stage』B級ランク戦最終決戦編に出演。
INFORMATION インフォメーション
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舞台『刀剣乱舞』十口伝 あまねく刻の遥かへ
【東京】公演中(※一部演出を変更しています)~3月2日(日)品川プリンスホテル ステラボール S席13,800円、S席サイドシート13,800円、見切れ席11,500円【福岡】3月7日(金)~3月9日(日)キャナルシティ劇場 S席13,800円、S席サイドシート13,800円 【大阪】3月15日(土)~3月16日(日)オリックス劇場 S席13,800円、A席(3階席)11,500円、S席サイドシート13,800円、S席見切れ席11,500円、A席見切れ席(3階席)10,500円
※ 3月16日(日)12時半公演はライブ配信、同日18時公演大千秋楽公演はライブ配信・ライブビューイングあり。
原案・「刀剣乱舞ONLINE」より(DMM GAMES/NITRO PLUS) 脚本・元吉庸泰、竹村晋太朗、片岡百萬両/末満健一 演出・元吉庸泰 演出監修・末満健一 総監督・末満健一