少年忍者16名とフレッシュジュニア21名の総勢37名が出演する「少年忍者 LIVE 2025 This is 忍者」が現在開催中。Kanadevia Hallで29公演・約6万6700⼈を動員するフレッシュな夏のステージから初⽇8⽉14⽇(⽊)の13時公演の模様をレポートします。


2018年の結成以来、⼤所帯グループならではの迫⼒溢れる群舞が魅⼒的なエンターテインメントを創り上げてきた少年忍者。16名体制になってから初めてのコンサートは、これまで7年の歴史を振り返るような集⼤成のステージに。今回は織⼭尚⼤さん、川﨑皇輝さん、元⽊湧さん、ヴァサイェガ渉さん、⻑瀬結星さんの5⼈が中⼼となって構成と演出を担当。川﨑さんがちびっこジュニアたちにこれまで7年間の少年忍者の歩みと思い出を教えるというサイドストーリーが展開していく。

オープニングはメンバーが登場してライブマナーの注意喚起を楽しくレクチャーする映像からスタート。次の瞬間、紗幕がハラリと落ち、ドラマティックにライブの始まりを告げるとムービングステージに16⼈が堂々登場。“NINJA”と刻まれた⾚い襷がかかった⽩の⾐裳に⾝を包み歌ったのは、オリジナル曲「Dreamers」だ。タイトル通り、“This is 忍者”といわんばかりにパッション全開のアクロバットを盛り込んだダイナミックなダンスが魅⼒のこの曲。めまぐるしく変化するフォーメーションとヴァサイェガさんと元⽊さんの畳みかけるようなラップが観る者のボルテージを加速させる。ラストは横⼀列に並び、⽩のジャケットから⻘いジャケットに⼀瞬で16⼈が早替えする、まるでマジックのような⾐裳チェンジに驚かされた。

「太陽の笑顔」は、フレッシュジュニアを含む総勢37名でスマイル全開披露。歌の途中では、⿊⽥光輝さんが「今から僕たちが⾔うことを真似してね!」と⾔うと元⽊さんが「ワクワク」。と叫び、会場⼀体となって「ワクワク」とコール&レスポンス。豊⽥陸⼈さんは「俺たちとみんなで作る夏ライブ」と⼀句詠むテンションでさらりと読み上げ、久保廉さんは⼀発ギャグを披露。歌い終わりには⻑瀬さんが「どうも少年忍者です。みんな、会いたかったか? 俺たちも会いたかったです!」とあおり、織⼭さんが「⼀番上のお客さん声出せますか? アリーナ声出せますか?」と会場に集まった2300⼈を盛り上げていく。

序盤のIntroductionでは、三原健豊さん、真⻁さん、内⽥煌⾳さん、⻄原⾄さん、アンダーソンフェニックスさんが「広いステージだね」と驚いているところに「ちょっとちょっと。みんな、何やってるの?」と川﨑さんが登場。「あっ、川﨑だ!」と、呼び捨てするちびっこたち。「僕たちが知らない昔の少年忍者のこと、教えてほしいの」と川﨑さんにお願いする真⻁さんら。「みんなが⼊所する前のことか。分かった。じゃあ、こっちにおいで」とベンチに座ってアルバムを開くと…昔の写真がスクリーンに映し出されるとともに、当時の⼼境を語っていくメンバーたちのナレーションが。⼊所してからのまるで夢の中にいるような⽇々を振り返るメンバーたち。仲間となり、同じ夢を追いかけてきた16⼈。初めて単独ライブをやったあの⽇から毎年メンバーと創り上げるかけがえのない瞬間を⼤事にしてきたと語っていた。

幻想的な雰囲気だった和コーナーでは、Hey! Say! JUMPの「Beat Line」で袴姿のメンバーがタップダンスをしたり、扇や和傘を持って踊ったり、艶やかなパフォーマンスを。祭りの法被を着たちびっこジュニアも参戦して、賑やかなステージングを繰り広げる。元⽊さんの「そいやさ!」という掛け声で16⼈がズラリ横並びになり、⼀⼈ひとりピンスポットライトを浴びる中、太⿎とスネアを演奏する場⾯も。⾼らかにバチを上げて息の合った軽快なリズムを刻んでいく姿が勇ましい。

セットリストのあちこちに盛り込まれたユニットコーナーも⽬⽟のひとつ。内村颯太さんと元⽊さんがホップアップでダイナミックに登場し、SixTONES の「DRAMA」を。⻑い髪をハーフアップにまとめた元⽊さんが⾚⾊の⾐裳、スラリ⻑⾝の内村さんはファーがアクセントになった全⾝⽩の⾐裳がお似合い。⼆⼈で⾒つめ合ったり、お互いを指差し合ったりしながら、熱く歌い上げる。

歌を特技とする北川拓実さんと川﨑さんのコンビは、King & Princeの「なにもの」を⼆⼈で披露。二人の歌声の相性の良さを感じさせるハーモニーでほのぼのと歌い、ちびっこたちとダンス。ラスト、笑顔でハイタッチする場⾯も。⻘⽊滉平さん、安嶋秀⽣さん、⼭井⾶翔さんの3⼈は、WEST.の「100% I Love You」を選曲。原宿系のピンク⾐裳に⾝を包み、顔にはキラキラのシールでキュートな雰囲気で歌う“ちびーず”の3⼈。⻘⽊さんと⼭井さんは得意の“可愛い”を振りまきまくり、普段はアクロバティックなパフォーマンス担当の安嶋さんが表現する“可愛い”はちょっぴり新鮮。最後はハートを作るポーズで決めポーズ!

スモークが⽴ち込める中、ワイルドな雰囲気でKAT-TUNの「SHE SAID…」を歌ったのは、⿊⽥さん、檜⼭光成さん、⽥村海琉さん、瀧陽次朗さんの4⼈。LED にメンカラで彩られた名前が浮かび上がると、檜⼭さんと⽥村さん、⿊⽥さんと瀧さんが背中合わせになって男っぽく激しくあおりながら歌う。肩をはだけさせる⾊っぽい演出もあり、会場が⼤きく沸いた。織⼭さん、⻑瀬さん、豊⽥さんの3⼈は、King & Prince の「HEART」をキレキレのダンスで披露。⽉が浮かぶ演出のロマンティックなナンバーだが、ハイキックや⾼いジャンプなど、ダンス⼒の⾼いメンバーだからこそのアクロバティックなナンバーに仕上がっていた。

MCは「どうも少年忍者です!」と挨拶をしてスタート。「始まりました。お待たせいたしました、皆さん。前回の単独ライブがここでした。1年ぶりでございます。どうですか、ここまで」とMCを仕切る川﨑さんがメンバーに尋ねる。「リハを含めてもいいですけど、ライブを準備してきて、いかがでした? 和コーナーなんかもね、頭にやりましたけど、こだわり詰まっていますからね」と川﨑さんが織⼭さんを見つめると…。「あ、俺に喋りかけてた? ごめん、ごめん。こだわり? クリエでね、タップ太⿎っていうさ、めっちゃ⼤きい太⿎の上でやったり、バトンしたり、そういうのをオマージュして今回やって」と太⿎パフォーマンスを振り返る織⼭さん。

タイトルの忍者の達筆な⽂字は織⼭さんが⽑筆で書いたものだそうで、「やばいって、あれ。『納期いつですか?』って聞いたら、『明⽇です』って⾔われて。『無理だよ』と⾔いつつ、その夜にもう200 枚ぐらい書いた」という驚きのエピソードが⾶び出す。⻘⽊さんは「織⼭の字は、メンバーへの愛情が注がれていて、やっぱりいいですね」としみじみ。グッズのロゴデザインは⻘⽊さんが⼿掛けたものと明かされ、他のグッズもここで紹介。うちわを持って振る久保さん、⿊Tシャツを実際に着て、前と後ろのデザインを⾒せる⻑瀬さん。「今回のTシャツは 結構カッコよく仕上げました」と⻘⽊さんが説明。キラキラステッカーとトレーディングカードについては、「最初は“This is 忍者”というテーマに合わせて、カッコいい感じでいこうかなって思ったんですけど、おりと相談して。Tシャツやうちわがカッコいいめだから、もう極端に可愛くしていいんじゃないかって感じで。…⻘⽊の趣味です(笑)」と可愛いグッズになって⻘⽊さんは満⾜げ。

そして、川﨑さんが「MC、話したいことあるよって⼈! もうね、パッって⾒た感じ、マジサラリーマン。普通に昼休憩みたいな感じ」と⽩シャツに⿊パンツの⾐裳がサラリーマンに⾒えると笑いながら、「俺もどういう回しをしていいか分かんなくなったよね。ネクタイの感じ⾒ただけで。じゃあ、ご指名します。皆さん、僕に喋りたいアピールを⽬でしてください。喋る気のない顔をしていたヴァサイェガ!」とヴァサイェガさんをご指名する。

リハ期間が短期間だったそうで、「よく来られたよね。本番って絶対、来るものなのに(今回は)来ないんじゃないかなと思ったんで(笑)。振り返ったら、お客さんいたよ」と無事、初⽇を迎えられたことを独特の表現で喜ぶヴァサイェガさん。織⼭さんは「あの…今⽇、湧、遅刻しました!」と唐突に報告。元⽊さんは「でも、リハには間に合ってるんで。それは申し訳ないけど、昨⽇⼤遅刻しているんで」と今度は織⼭さんの遅刻を暴露。

「いや、なんか寝られなくって。⼀昨⽇の夜、眠れなくて朝になっちゃった。で、気づいたらマネージャーさんに起こされていて。『今から向かいます』って」と遅刻当⽇を振り返る織⼭さん。遅刻した場合はグループメールに報告しているようで「内村が遅刻した時さ、やばかったよね。『帽⼦を忘れて探していたら、こんな時間でした』って。あれ何だったの?」と今度は川﨑さんが内村さんの遅刻エピソードを。「いや、帽⼦はないとさ、ダメじゃん。今⽇はこの帽⼦をかぶるって決めてごはんを⾷べて、帽⼦ないってずっと探してたら、あんな時間だった…。すみません!」と謝罪。⻑瀬さんがここで「湧さんは本当に遅刻してきたのに、リハに間に合ってるからって送信取り消ししてたから(笑)。マジですごくない?」と⾔い出し、元⽊さんは「⾔うなよ〜!」と焦りまくり。とめどない遅刻エピソードで盛り上がったことから「後半にいきたいんですけど、どうやったら、この話が終わると思います?」と川﨑さんは焦りつつ、ここで昨年もやった会場を半分に分けての声出し対決。川﨑さんが⿊⽥さんをご指名すると⿊⽥さんが「やってみようか。バーサスする?」とステージ上⼿、内村さんが下⼿に⽴ち、⽬の前のお客さんに声出しを呼びかける。両⽅、声が出ていたため判定不能と川﨑さんが判断して、後半戦へ。

久保さんは真⻁くんら、ちびっこジュニアに「なんかさぁ、最近ついてないなぁとかある? 鏡の中を覗くといいよ。分かった?」と呼びかけてから「マイナスのことばかり考えていると顔つきが暗くなっちゃうし。⼀回、⾃分の顔を鏡で⾒て、⾃分のオリジナルの笑顔を⼤事にして⽣きていくことが⼤事だと思うよ。OK?」と優しく語りかける。そして、久保さんがアカペラでSMAPの「オリジナル スマイル」を飾らないまっすぐな歌声で届けた。

オルゴールのメロディが流れると「久保廉でみんなを笑顔にする」(久保さん)、「モデルとして海外で活躍したい」(ヴァサイェガさん)、「事務所を代表するアイドルになって世界の常識をひっくり返したい」(織⼭さん)など、ナレーションでそれぞれの夢が語られる。ステージでちびっこに囲まれながら、愛おしそうにアルバムを⾒つめる川﨑さん。「少年忍者って今までたくさんのステージを届けてきたんだね。本当に楽しい思い出ばかりだな。よし、もう⾏かなきゃ」。すると、ちびっこたちから「どこへ⾏くの?」と問われる。「それはねぇ、まだ僕たちにも分からない。僕たち⼀⼈ひとりはそれぞれ夢があって、それぞれ未来があるんだよ。もちろん⾟いこともあるし、悲しいこともある。当たり前だった景⾊もいずれ当たり前じゃなくなる。でもね、絶対に夢をあきらめちゃいけないよ。必ず誰かが⾒ているって僕は信じてるから。⾏こう、新しい明⽇へ! 新しい未来へ!」とまるで舞台の⼀場⾯のようにドラマティックに叫ぶ川﨑さん。眩しい光に包まれると、光を放つ輪のセットから少年忍者のメンバーが1⼈ずつ順番に現れる。そして、一人ひとり名前を⼒強い声で名乗り上げていくシーンは、“僕たちが少年忍者”だと⾔わんばかりに胸を張る姿が感動的で胸を揺さぶられる。

そして、ラスト曲は少年忍者の代表曲のひとつになった⼤切な曲「The Shining Star」。夢を叶えるため、⼀歩でも前へ前へと進もうとする16⼈の野⼼がたぎるこの曲は、パフォーマンスをするたびに進化していく彼らの魅⼒とパワーが詰まった⼀曲。眩しい照明の光を浴びる中で、⼀⼈ひとりのダイナミックなダンスが今しか⾒せられない、⼀瞬の輝きを放っていた。季節は⽴秋を迎えたが、まだまだ暑さがさめやらない⽇々。少年忍者の16⼈が⼤きく⾶躍する2025年の夏は、まだ始まったばかりだ。

写真・⼩池理恵 取材、⽂・福⽥恵⼦

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