実は、睡眠の“ゴールデンタイム”はない?  驚きの「新」常識とは

ライフスタイル
2019.09.06
巷にあふれる「睡眠神話」の数々。本当に正しいのかどうかチェックしてみましょう! 最先端の睡眠研究を行う櫻井武先生にお聞きしました。

睡眠には必ず寝るべき「ゴールデンタイム」がある。

これってホント? ウソ?

×:大事なのは時間帯ではなく、深い睡眠を得ることです。
22時~2時とされている睡眠のゴールデンタイム。その間に肌のターンオーバーを促したり、髪を美しくする成長ホルモンが分泌されるといわれている。「成長ホルモンが睡眠中に分泌されることは正しい知識。ただし、22時~2時にしか出ないと思い込んでいるなら、それは完全な間違いです。成長ホルモンは時間帯ではなく、ノンレム睡眠の深いステージで多く分泌されるもの。3時に寝たとしても、眠りはじめに深い睡眠に入れさえすれば出るのです」

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夜間に眠ったときと、徹夜して翌日の日中に眠ったときの成長ホルモンの分泌量を比較。22時に寝た日、眠りはじめの3時間に大量に分泌されている。翌日、徹夜すると分泌は低下。その後、日中に眠ると大量に分泌。時間帯は関係ないことがわかる。Van Cauter et al, 1999; Karimi et al, 2010より一部抜粋

正しい睡眠の基本は「早寝早起き」。

これってホント? ウソ?

×:今は、遅寝遅起きでOK。それより睡眠不足に注意を。
小さいころから刷り込まれている早寝早起きのススメ。実はそれほどこだわる必要はないそう。「今の社会では、むしろ逆です。昔に比べて就寝時間が遅くなっている現代では、起床時間も調整しないと寝不足になります。体内時計をずらさないため毎日同じ時間に起きるべきですが、早起きを意識するより、十分な睡眠時間を確保するほうが大事です。就寝や起床は自分の生活に合わせて、通勤電車で寝ずに済み、休日に寝だめしないでいい量の睡眠を!」

毎日7時間寝る人がいちばん長生きをする。

これってホント? ウソ?

○:相関関係はアリ。ただし、誰でもそうとは限りません。
睡眠時間と死亡リスクを調べた多くの研究で、7時間前後の睡眠をとっている人のリスクが最も低い。となると7時間眠るべき? 「研究結果はあくまで広い年齢層の人々の平均値。7時間睡眠の人がいちばん病気にかかりにくいからといって、すべての人の最適な睡眠時間が7時間とは言えません」。では、自分にとっての最適な睡眠時間は? 「個人ごとに適正時間があります。昼間眠くならずに起きていられたかを目安に、ベストな時間を見極めてください」

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アメリカで1982年~1988年にわたって30歳~102歳までの男女110万人超を対象に、睡眠時間と6年後の死亡危険率の関連を検証。6.5~7.4時間睡眠の人が最もリスクが低い結果に。睡眠時間が増えても減ってもリスクは上がる。Kripke DF. et al:Arch Gen Psychiatry 59:131-36, 2002

さくらい・たけし 筑波大学医学医療系教授。国際統合睡眠医科学研究機構副機構長。著書に『最新の睡眠科学が証明する 必ず眠れるとっておきの秘訣!』(山と渓谷社)など。

※『anan』2019年9月11日号より。イラスト・中根ゆたか 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)

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