「今回の役は本当の自分と一致する部分があまりにも多かったので、いい意味で役作りはほとんどしていないんです。素の自分とのシンクロ率は今まで演じてきた役の中で断トツ1位かもしれません」
“泣ける小説”として口コミが広がり、160万部を突破するベストセラーとなった『君の膵臓をたべたい』がついに実写映画化。北村匠海さんが演じているのは、浜辺美波さん扮する主人公・桜良の病を唯一知ることになるクラスメイトの“僕”。主演に大抜擢された理由は、人と距離を置いて生きる“僕”と、北村さん自身がとてもよく似ていたことだったという。
「作品名が伏せられていたオーディションで、自分の中学時代の話をしたんです。休み時間は常に一人でいたことや、人と壁を作って生きていたこと…。それは今思うと、自分の殻に閉じこもって生きる“僕”そのものでした。演じているときは、その頃を追体験しているような感覚だったんです」
それゆえ、“僕”が考えていることが手に取るようにわかったという北村さん。けれど、死を宣告された桜良を前にしても平常心でいられることだけは、自分自身にはない感覚だったそう。
「僕だったら何かにつけて気にかけてしまって、桜良が望む“普通の日常を与える”ということができなくなってしまうと思います。自分に時間を費やしてほしくないという桜良の気持ちはよくわかるけど、それでも僕ならそばにいてあげたいと思うし、自分の時間を費やしたくなるでしょうね」
最も印象的だったと語るのは、桜良との病室でのワンシーン。「『生きててほしいの?』と聞く桜良に、“僕”が夜空を見ながら『とても』と答える場面があるんです。これは文学少年の“僕”だからこそ出る言葉だし、“僕”という人間が初めて他人を大切に思う気持ちを見せたところでもある。とても好きなセリフでした」
物語の後半、彼女の闘病日記を見た“僕”は、こらえていた感情を吐き出すように泣き崩れる。
「“もう、泣いてもいいですか?”というセリフの前から涙がこぼれていました。たぶん“僕”という人間には、これ以上耐え切れないんじゃないかなと思って。台本どおりの芝居ができなかったことは悔しいけど、嘘偽りなく“僕”という人間として泣けたことはよかったと思っています。実は完成した作品を観たとき、自分もこのシーンで涙がこらえきれなくて(笑)。でも自分が泣けたことで、みなさんにも自信を持って“泣けるいい映画です”とおすすめできます」
北村さん自身にとっても、一生忘れられない作品になったと言う。
「撮影前から監督にも、この作品は北村匠海にとって大きな作品になると言われていたんです。完成した作品を観てみたら、自分でも確実に何かが変わる予感がしました。この作品で初主演できたことは俳優として確実に大きな一歩になったと思いますし、原作ファンのみなさんにも、北村匠海、ちゃんと“僕”じゃん! って思っていただけたら嬉しいです」
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