9都市28公演で開催するアリーナツアー「WEST. LIVE TOUR 2025 A.H.O. -Audio Hang Out-」が⼤好評のWEST.。最新アルバムを引っ提げ、“アホかっこいい”をテーマに繰り広げたステージから横浜アリーナで⾏われた5⽉2⽇(⾦)の様⼦をレポートします。

昨年4月にCDデビュー10周年を迎えたWEST.。11周年イヤーにリリースしたのは、『A.H.O. -Audio Hang Out-』で今回はそのアルバムを引っ提げたアリーナツアーだ。「Audio Hang Out=音で遊ぶ」を略したA.H.O. が“アホ”と読めるように、WEST.らしさ全開、遊び心が詰まったライブに。この日は、WEST.がゲストとセッションする音楽番組『WESSION』が6月29日(日)からWOWOWでスタートすること、そして初の主催野外フェス「WESSION FESTIVAL 2025」の開催決定の発表もあり、勢いが加速し続ける彼らのステージは、ここからさらに面白さが爆発していく予感満載だった。

ゴールデンウィークの真っただ中、関東で警報級の激しい大雨が降り注いだこの日。雨雲を吹き飛ばす勢いで1曲目に歌ったのは、カラッと底抜けに明るい「A.H.O.」。それぞれ個性溢れる派手柄の衣裳に身を包み、リフトアップステージにズラリ1列になって登場。「AHOAHO(アホアホ)」と連呼しつつ、「気楽にアホに生きようぜ!」と歌うパーティチューンで会場のテンションを爆上げ! 「WEST.のライブは参加型。お客さんと一緒に最高に熱く、楽しく、アホなライブになりますように」というメンバーの想いが込められたライブは、ファンの盛り上がりが終始凄まじく、一緒になって会場の空気をパワフルなものに作り上げる、まさに参加型スタイル。

小瀧望さんが「雨の中、サンキュー! 今日はみんなに来てよかったと思ってもらえるように頑張るから最後までよろしく」と語りかけると、藤井流星さんが「雨のこと忘れるくらい楽しもうぜ」と続く。そして神山智洋さんが「雨なんて吹っ飛ばす熱いライブにするぜ、よろしく」と呼びかけてから、重岡大毅さんが「おい、雨雲レーダー真っ赤っかやったぞ(笑)」と畳み掛けて会場の笑いを誘うなど、この日ならではの挨拶をするメンバーも。桐山照史さんは「今日も元気に豚足ピース」とおなじみのコール&レスポンスをし、濵田崇裕さんは「はまちゃんよりアホな自信ある人、手あげて~! そんなわけないやろうが(笑)」とノリツッコミ。中間淳太さんは「雨の中、ありがとうね。たくさん温めるからな」と7人7様の挨拶で会場に集まった1万5000人をホットに!

この日公開したWEST.7人主演映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』の主題歌となっている新曲「ウェッサイソウル!」の披露も。どんな逆境にも負けない“魂”をかき鳴らしたソウルナンバーは、トータス松本さんが作詞作曲を手掛け、ウルフルズがサウンドプロデュースした楽曲。「負けへん」という関西弁のフレーズが耳に残るパワフルな楽曲は、WEST.らしさ満載。サングラスをして華麗なターンを決めたり、のけぞるポーズをとったり、ファンキーにダンス。今回は、とにかく序盤からアグレッシブに踊っている印象が強く残るセットリストとなっていた。

注目は、アルバム『A.H.O. -Audio Hang Out-』に収録されているメンバーそれぞれが制作に携わった7曲で、ジャンルも異なる個性豊かな勢ぞろい。重岡さんが作詞作曲を手掛けた「それいけベストフレンド!」は振付も自身で担当し、人生初のコレオグラファーデビュー。重岡さんらしい熱く元気な応援ソングに仕上がっており、スマイル全開で歌う姿が印象的。スタンドマイクを持ってのパフォーマンスや全員で円陣を組むような感じで手を合わせる振付も。ラストはVサインなどそれぞれ決めポーズ!

アコースティックコーナーで披露した桐山さんのプロデュースの「ティダ」では、重岡さんがブルースハープ、中間さんと藤井さんがサックス、小瀧さんがオーシャンドラムとヴィブラステップで楽曲を盛り上げる場面も。タイトルの「ティダ」は沖縄の言葉で“太陽”を意味するそうで、沖縄の雰囲気たっぷり。明るく陽気に「イーヤーサーサー」という声をあげながら笑顔で歌う7人。重岡さんは「ナイスティダ」「ウルトラマンティダ」、小瀧さんが「ボッティダ」、濵田さんが「シーフードティダ」、中間さんが「ティダニーランド」など、“ティダ”にかけた言葉遊びが始まる。誰かが面白いことを言い出すとすぐに大喜利が始まるのが彼ららしい。

中間さんの楽曲「アップルパイ」はスイートなタイトルから想像できないほど、セクシーなナンバー。振り回され、抜け出せない恋を歌う魅惑的な楽曲の世界観を、椅子を使った色っぽいパフォーマンスで表現。愛を召し上がれと歌いながら、真っ赤なリンゴを手にして振付を踊る姿やラスト、リンゴをかじる魅惑的な中間さんの表情がスクリーンに映し出される。神山さんが携わったのは、梅田サイファー楽曲提供の「WESTraight」だ。スタンドに神山さんが登場して高速ラップを畳みかけたと思いきや、メンバーがアリーナや花道など、バラバラの場所から登場。前だけ見て駆け抜けていこうとする彼らの心意気をラップで宣言。

レーザー光線が眩く光ると藤井さんの楽曲「TICKTOK」へ。秒針を刻む音が恋の鼓動を連想させるようなセクシーナンバー。中間さんが藤井さんのアゴに手をかけるようなしぐさをしたり、振付もしなやかで艶やか。激しい恋を表現する花火も噴き出し、会場の熱気を高めた。

濵田さんの携わった「Rainy Rhapsody」は、アコースティックで披露。重岡さんがピアノ、中間さんがグロッケンシュピール(鉄琴)、桐山さんがパーカッション、濵田さんと神山さんがアコースティックギター、藤井さんがタンバリン、小瀧さんがシェイカーを演奏。雨の日にぴったりなしっとりしたナンバーということもあり、会場の制御ペンライトが雨を表す水色一色に包まれ、幻想的な空間に。そして、小瀧さんの楽曲「Sweety」は、ピアノの音色から始まるスタイリッシュでおしゃれなチル曲。ムーディな照明の中、ソファに座って優雅に歌い、ファルセットの甘く切ない歌声を届けた。中間さんが「今まで以上にいろんな楽曲がごちゃまぜになった、WEST.らしいカラフルなライブ」と今回のライブについてコメントしていた通り、アコースティックコーナーに大人かっこいいセクシーな雰囲気で魅せるブロック、WEST.渾身のロックコーナーもありと、バラエティに富んだ大充実のセットリストに。

MCでは桐山さんが「あれ、なんなん? このツアーで各地方に行った後にWEST.の公式で流れてるやつ。見てくれてる? アホ顔してください、みたいな」と言い出したことから、ライブ後にアップされる公式TikTokについて話題に。「(『A.H.O.』にかけて)アホ顔をずっと頑張ってきたから、いや、もうアホ顔、変顔とか、そんなないなぁと思ったけどさ、みんなちゃんとしてるな」と感心する桐山さん。重岡さんは北海道の時、定点カメラに向かって、アホ顔をする時、「やっぱ歌いたくなっちゃって。アホアホアホって…」と歌い始め、次第に「アゴアゴアゴ…♪」と顎を出して歌い始めると他のメンバーも続き、藤井さんが「タコタコタコ…♪」とタコの真似を披露するなど、替え歌をしながらアホ顔を披露。一人がやり始めると、さらに面白いのを考えたくなるのがWEST.。ステージ上でも小瀧さんが水を飲んで、お腹が「タポタポタポ…♪」と歌い出し、「A.H.O.」の替え歌合戦を繰り広げる。

そして、中間さんが改まって「今日はみんな足元が悪い中、来てくれたということで、ちょっとしたお礼といいますか。皆さんにお知らせしたいことがあります。初解禁でございます。まずはこちらご覧ください。どうぞ!」と振ってスクリーンに映し出されたのは、WOWOWで始まる新番組『WESSION』のお知らせ。濵田さんが「これは音楽番組です。WEST.と誰がセッションします」とゲストを迎えてのセッションもあると説明。1回目のゲストはMONGOL800が登場予定だ。「この番組が始まるんですけども、これだけじゃないんですよ。さあ、続いてこちらをご覧ください」とスクリーンへ視線を促すと、大阪の万博公園で行うWEST.主催の野外フェス「WESSION FESTIVAL 2025」の開催決定を発表!会場が大きな歓声に湧くと、重岡さんが「今、太陽の塔がめっちゃこっちに振り返ってるで~(笑)」と独特なフレーズで喜びを表現。

中間さんは「『WESSION』でいろんなアーティストさんとセッションするわけなんですけども、そちらに出演くださった出演者と一緒にフェスをやります!」と声を弾ませ、「いつかできたらいいなって言っていたけど、こんなに早くできて…」とフェスの実現にメンバー一同感慨深い表情を覗かせる。ここで重岡さんが「言ったら、あかんねんけど。第1セッションは、淳太のおかんです(笑)」と冗談で嘘をつくと「言うなよ、お前~」「言ったらあかん」と、すかさず突っ込むメンバーたち。「次回、おとんです(笑)」とふざける小瀧さんに、「なんで中間ファミリーで攻めようとしてるん? 無理やん」と嬉しそうにツッこむ中間さん。さらには「10月12日のフェスは中間家(がゲスト)です」と桐山さんも冗談にのっかりつつ、「『WESSION FESTIVAL 2025』ってタイトルがついているから、2025、2026、2027、2028ってどんどん続いていけばいいね。好評やったら続いていくかもしれません」と展望を語っていた。重岡さんが屋台のごはんも自分たちで考案したいと言い出すと「シゲの歯形の金平糖だそうよ。何か俺ららしいもん出せたら(笑)。神ちゃんが出すでっかいパフェとかね」(桐山さん)とやりたいことの妄想が止まらない。

そして、昨年のライブに続き、「中間ん家物語」のコントコーナーも健在。今回は三男の望が商店街の福引で宇宙旅行を引き当てたところから物語はスタート。当選のカードを自慢げに持つ望に長男の崇裕は、「土星がいい! 輪っかをフラフープにする」と次男の大毅と仲良くエアフラフープをしてみせる。お母さんの淳子(中間さん)は、「宇宙人がいるところがいい」と言い出し、それぞれ行きたい場所はバラバラだ。しかし、宇宙旅行に行ける人数制限があると判明し、望以外の6人が2組に分かれて、おもしろ対決を繰り広げる。崇裕とりゅうりゅう(藤井さん)、長女の智子(神山さん)チームと大毅とおじいちゃん(桐山さん)、お母さん(中間さん)チームに分かれて、スクリーンに映し出された写真を見て即興でおもしろコメントを言えるかを勝負。「地獄の時間にお連れしたるわ(笑)」と絶好調な重岡さんが自分の幼少期の写真を見事に引き当て、「わしやないか~いっ!!」というツッコミで望のハートをガッチリキャッチ。おちゃめなAHOファミリーのドタバタ劇で会場を笑いに包みまくり!

ラストスパートでは、重岡さんが「どこまで行こうかな、WEST.。頑張ろうぜ。よろしく! ありがとう横浜」と話し始めると、濵田さんは「今日は嬉しいお知らせをみんなにすることができてよかった、ホンマに。番組でいろんなアーティストさんに影響を受けて、成長して、フェスを開催することになった時にはここにいる人全員ね、顔を覚えたから来てくださいよ。あれ、あの人来てないなって。覚えています(笑)。わかりましたね? わかりましたか? ヤバアイドルです(笑)。今日は皆さんにいい報告ができて幸せ」と笑いを交えながら、ファンに語りかけた。

終盤にはメンバー全員からあいさつが。トップバッターの中間さんは「みんな、歌ってくれて、ありがとう。これからも楽しい思い出、作ろうね」と柔らかに呼びかけ、桐山さんが「ありがと~う、楽しかった人?」と尋ねると、会場に「はーい」の大合唱が起こる。神山さんが「これからも僕たちとたくさんの夢を叶えていきましょう。ありがとうございました」と続くと、濵田さんは「顔を覚えたからな~(笑)」と再び笑わせ、藤井さんが「一緒に笑って一緒に歌ってくれてありがとう。11年目もよろしくね。ありがとう」、小瀧さんが「今日は来てくれてありがとう。また一緒に遊びましょう」とファンに語りかけると、最後は重岡さんが「一生懸命進化して、皆さんの前に立てるように頑張ります。ありがとうございました」と熱のこもった言葉で締める。

アンコールのラストで神山さんが「本当に足元が悪い中、皆さん来ていただき、ありがとうございました。皆さんの心が少しでも晴れるようなライブがしたいと思い、やっていました。皆さんの笑顔が本当に素敵で、僕たちパワーをいただきました。これからもよろしくお願いします。それでは、最後に僕たちからたくさんの愛をお届けして終わりにしたいと思います」と、改めて感謝の想いを語ってから、5月7日に発売した新曲「BIG LOVE SONG」へ。笑顔で指ハートを作りながら、「すぐそこにある大きな愛を抱きしめていこう」と歌う曲でハートフルな歌声を紡ぐ7人。テーマの通り、AHOほど熱く、AHOほど楽しく、AHOほどかっこいいライブは、WEST.からファンへの大きな愛が感じられる2時間半だった。

写真・⼩池理恵 取材、⽂・福⽥恵⼦

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