ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。ファッションデザイナー・田中大資さまとの対談を終えて…

田中さんの魔法に、またいつかかかりたい♪

まだ私が学生だった頃、田中さんの作ったお洋服をどうしても着たくて、撮影でお借りしたことがありました。ディテールの鬼、手仕事の愛がほとばしる作品に私のDIVA魂は大興奮したのはもちろんですが、そのとき田中さんはtanakadaisukeのコレクションとは関係のないヘッドピースを貸してくれました。浜崎あゆみさんが『Dearest』のジャケットでつけていたような、森三中の黒沢かずこさんが千手観音かずこ状態に突入したときに似合うような、DIVA特注系のヘッドピースです。オーラのある人にしかハマらないやつ。フィッティングしてお洋服を選んでいるときに田中さんは「これどうですか…なんかのためにと思ってこの前買ったんです」と言って私にそのヘッドピースを渡してくれて、私は、“田中さん、絶対これ一人で試着してるしDIVAすぎる”って勝手に思いました。私たちは、ああいったヘッドピースを見かけたら、ひとつは購入しなければならない……そんな宿命を背負って生きている。私は田中さんとともに生きてきた。そんなことを思ったのを覚えています。

時は過ぎ、2024年。私は活動10周年を迎え、4ヶ月連続リリースの第4弾として君島大空さんとデュエット曲「プライベート・スーパースター」を出すことになりました。私と曲を出すときにしかしないことを全てやってもらいたい気持ちが膨らんで、君島くんがバッキバキのtanakadaisukeを着ているところをどうしても見たい! と思い、田中さんに久しぶりにDMを送りました。君島くんは吉澤嘉代子さんとの共演時に着たことがあったようです。撮影のときから私も君島くんもフォトグラファーの須藤絢乃さんもヘアメイクの川上咲良さんも最高の状態に突入していました。着用の瞬間のあの心と体の躍動感というか、見ている世界まで変わってしまうような感覚、自分自身を信じられるような力強さは、まだうまく言葉にできず、田中さんとの対談のときにはそのときの状態をジェスチャー付きで伝えました。魔法でありゾーン。「最高だ!」と制作時に思っているかどうかは絶対に発表時に見ている人に感電するように伝わるもので、「プライベート・スーパースター」のビジュアルは今も愛され続けています。私の枕元にこのポスターがあり、一日中、田中さんの作品に見守られ、鼓舞されています。大好きな田中さんの創作にこれからも驚きたいです。いつかまた魔力を貸してください。

Profile

ゆっきゅん

1995年、岡山県生まれ。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。セカンドフルアルバム『生まれ変わらないあなたを』とそのリミックスEP『生まれ変わらない私を!?』が配信中。インスタ、Xは@guility_kyun 

写真・幸喜ひかり 文・ゆっきゅん

anan 2434号(2025年2月12日発売)より

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ある種の衝動から突発的に行動したくなったり、意外な出来事に驚いたりする可能性がある日です。しかし、まずは一歩引いて落ち着きましょう。急かされているように感じても焦らず、今できることに集中するか、準備を整えてから臨むこと。慎重さを臆病だとからかう人がいても気にしないことです。自分のペースで進みましょう。

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