霊界からもたらされた、2024年を表すキーワードは“プライドの失墜”。積み上げた価値観や支えとしてきたものを失い、自尊心が崩壊するようなことに直面するという意味でした。’24年を振り返ってみると、令和の米騒動と言われた米不足問題、世界各国で法令化が進む安楽死問題など、私たちの命そのものに直結する大きな出来事が起き、まさに自らの生きる軸は何かを問われた年だったといえます。でもみなさんには、「その年のキーワードが当たった」という視点で終わらせてほしくありません。例えばあなた自身は米不足のときに何を考え、どんな行動をとりましたか? 安楽死についてはどう考えていますか? 世の中の出来事と真正面から向き合い、自分自身の考えをしっかりと振り返ってほしいのです。米不足で慌てた人のなかには、農家さんと直接購入の契約をした人もいたようです。ところが新米が出て店頭にお米が並び始めた途端に、契約をキャンセルしたケースもあったとか。勝手な都合で軽はずみな行動をとるのは、厳しいようですが、きちんと自分の考えを持っていないからではないでしょうか。
私は大学で学生さんに講義をする機会があります。安楽死の賛否を尋ねると、なかには賛成する人もいます。しかし「自分が今まで愛された記憶を思い出してみて」と言うと、それぞれに家族や友人との思い出を語ります。そして「そうやって愛されたあなたは安楽死したい? 自分を愛した人が安楽死するのはどう?」と再び尋ねると、誰もが「それはイヤです」と答えるのです。世の中の風潮に流されず、今こそ命や愛、人とのつながりについて考え、自分の生きる軸を確かめましょう。
心開ける相手を一人でもいいから作って。
’24年は若い人たちがバイト感覚で犯罪に加担してしまう闇バイトも問題になりました。『お祓い箱 令和六年 御託宣付き』(マガジンハウス)で「自分が詐欺をする側にならないとも限りません」と警告したことがまさに現実に。犯罪だと知ったあともグループを抜けられない、誰にも相談できないというのは人とのつながりや絆の弱さの表れ。親ですら信じられない人が増えているのかもしれません。ただ私は、時代がどうなろうと人というのは変わらないと思っています。安楽死問題できちんと命と愛について考えれば自分の大切なものがわかるように、たましいの本質は変わっていないからです。大事なのはどんなときも基本に立ち返ること。犯罪は極端だとしても心にひっかかりや後ろ暗さを感じるときは、公明正大に生きているかと自分に問うてみて。そう生きるほうが本当はラクだと気づきましょう。軽はずみな言動をとったり、相談できずに追い詰められたりする前に、自分が信じられる人、心を開ける人を一人でもいいから作ってください。それは家族でも友人でもいいのですから。
いよいよ2025年についてお話ししていきましょう。’25年がどんな年になりそうか、霊界からもたらされたキーワードは“絶体絶命”です。「もうダメかもしれない」と覚悟するほどの出来事が次々と起き、すべてにおいて“ギリギリ、瀬戸際、綱渡り”な状態を実感する年となりそうです。でも早合点しないでください。絶体絶命というのは「ダメ」という意味ではないのです。霊界も「最終的にはやや光明を見出せるが、日暮れに迫る道は変わらぬ」と伝えてきています。つまり土俵際で持ちこたえて起死回生を狙うチャンスはあるし、そこから窮地を脱することもできるのです。未来は決まっていません。今、私たちがすべきことはどのように起死回生できるかを考え、実践すること。そのためには気づくこと、そして考えることが重要な鍵といえます。
まずは下記に挙げた、注意すべき3つのことを心に留め置きましょう。さらに世の中で起きることや身の回りの出来事について、自らのインスピレーションで「何かおかしい」と思ったことはスルーしないでください。それはあなたにとって重要かつ必要な気づきですから、ひとつひとつ考えましょう。考えるというのは疲れることかもしれません。時間をかけて考えるなんて面倒くさいし、白黒つく答えが出ないとか、考えたところで簡単に物事は変わらないと思って諦めてしまいたくなる気持ちもわかります。でも唯一、変えられることはあります。それは個、自分です。社会は個の集積なのですから、個が変われば社会も変わっていきます。自分が変わらないまま「社会が変わらない」と嘆くのは意味のないこと。それより「だったら自分の生き方を変えればいい」と、意識のベクトルを変えましょう。誰もが同じように個を変えていけば、個の集積である社会、そして未来はよい方向へと変わり始めます。霊界からの「日暮れに迫る道は変わらぬ」というメッセージは「気を抜いてはいけない」という戒め。起死回生の道を歩き始めたら、気を引き締めて進んでいきましょう。
幸せになる人には共通する特徴がある。
もしもあなたが問題だらけのプロジェクトの責任者になるなど他の人がやりたがらない案件を引き受けることになったらどう思いますか? 周囲から見れば、あなたは絶体絶命状態。「押しつけられちゃってツイてないよね」「やらなくてもいいのになんで背負っちゃったの?」と、まるで選択を間違えたかのように言われるかもしれません。そこで「だってこんな経験、なかなかできないから」と前向きに言えるなら、あなたは幸せになれる人です。少しぐらいの強がりや開き直りがあっても、どこかに現状を楽しむ気持ちがある人は、これからの人生が充実するでしょう。大変なことを引き受けるという例に限らず、幸せになれる人の特徴は、自分に起きるどんな状況も受け入れて楽しみながら乗り越えていけることです。「そんな気持ちになれない」という人は、視点を変えてこう考えてみて。「これで人生のネタが1つ増えるぞ」と。そう思った途端に、起死回生の逆転劇が始まります。そのときはきっと必死でしょう。でもあとになって「まぁ、楽しかったな」と、こだまのように自分のたましいの声が聞こえるはずです。どれだけ自分を俯瞰し、客観視できるか。セルフプロデュースするように、人生のネタとして、どう面白がれるかがポイントです。
さて、霊界からは「軽はずみな言動に注意」というメッセージも来ています。短絡的に、思ったままをSNSで発言したり、後先考えずに行動したりしないよう注意しなければなりません。
今回は、富士山を望む沼津の御浜岬で撮影を行いました。霊峰富士というだけあって、見るたびに畏敬の念を抱かずにはいられません。ところが富士山そのものが御神体である意識が薄れているのか、ここ数年は弾丸ツアーや軽装登山などが大きな問題になっています。「そのときのノリ」「誘われて仕方なく」といった言い訳はすべて自分で考えない、主体性のなさが原因です。無謀な登山は命に関わりますし、SNSでの軽はずみな言動は“炎上”といったトラブルに発展することも。気づけば絶体絶命状態になる可能性は大です。自分で考え判断することを、決しておろそかにしないでください。
経済は不安定、気候変動も深刻化するなど暗いニュースばかりで暗澹たる気持ちになるかもしれません。でもそれは暗い時代を勝手に自分に映し出しているのです。言葉を換えれば自己憐憫、責任転嫁、依存心という不幸の三原則に自らのっかって、自分を不幸にしているだけ。どんなご時世であろうと「楽しんでやるぞ」という気持ちを忘れないで。過去には日本でも戦争がありました。でもそんなときですら工夫して自分たちの暮らしを楽しむ人はいたし、笑顔がなかったはずはありません。時代のせいにして流されたら「日暮れに迫る道」をただ歩くだけになってしまいます。私たちには幸せを自分で作るという責任があります。その幸せは他人にとやかく言われるものではない自分だけのオリジナルな幸せです。自分だけの喜びを大事にして生きれば、その楽しさ、明るさが世の中に映し出されます。自分を変えれば世の中は変わる。時代に自分を合わせるのではなく、自分を時代に反映させていくのです。もう一度、自分の喜び、幸せは何かを確かめましょう。
江原さんからの注意すべき3つのキーワード。
【人間関係keyword】あやしいカリスマに注意。
簡単にブームが作られる時代。人気があるからと信用した人は“あやしいカリスマ”かも!? 人は群れると依存心から短絡的思考になりがち。身近でも「この人が言うなら」と鵜呑みにすると痛い目に遭います。「これはあやしい」と気づくには自分の頭で考えること。
【自然界keyword】電磁場が大きく狂う。
隕石などの天体、宇宙からの影響も含め「電磁場が大きく狂う」というメッセージが霊界から来ています。航空機などのGPSや交通システム、パソコンや通信などデジタル分野は大きな影響を受ける可能性が。デジタルに依存した暮らしをしているなら要注意です。
【経済keyword】「いい話」にのらない。
経済状況がよくないときほど、つい「いい話」に耳を傾けたくなります。「これを買うといい」「投資になる」と誘われても軽はずみにのらないで。’25年は為替や株価、経済状況も乱高下傾向。「いい話」は起死回生どころか、絶体絶命に陥る可能性大だと心得て。
PROFILE プロフィール
江原啓之
えはら・ひろゆき スピリチュアリスト、オペラ歌手。1964年12月22日生まれ、東京都出身。一般財団法人日本スピリチュアリズム協会代表理事。吉備国際大学ならびに九州医療科学大学客員教授。一般社団法人日本フィトセラピー協会顧問。『お祓い箱 令和七年御託宣付き』(マガジンハウス)が好評発売中。公式HP