2人より3人が心地いい!? ドラマ『三人夫婦』が描く新しい結婚観|浅香航大×朝倉あき×鈴木大河・座談会

エンタメPRTBSテレビ
2025.05.02

©「三人夫婦」製作委員会

価値観が多様化する今、夫婦といったら男女ふたり、という先入観はもはや古いのかも。現在放送中のドラマストリーム『三人夫婦』は、男性ふたり、女性ひとりでの結婚を模索するドラマ。出演の3人、浅香航大さん、朝倉あきさん、鈴木大河さん(IMP.)に、ドラマのこと、そしてエンターテインメントへの想いを伺いました。

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── タイトルがかなり刺激的ですが、みなさんは出演に際してどんな印象を持ちましたか?

浅香航大さん(以下、浅香) 多様化する社会の中でドラマも多様化していて、不倫だったりBLだったり、いろんな恋愛ドラマが生まれていますよね。そんな中、どうやって“三人夫婦”が描かれるんだろうと思ったら、想像を超えた説得力のある内容で、ほっこりあたたかくて引き込まれました。

朝倉あきさん(以下、朝倉) 奇想天外ではあるけれど、その設定が面白く物語に落とし込まれていて、巧みに練られた台本だなと思ったんです。題材にきちんと向き合いながらも深刻にならず、誰もが見やすいコメディとして描かれているのも素敵ですよね。

鈴木大河さん(以下、鈴木) “三人夫婦”って世間にはない言葉ですし、最初に説明を聞いたときは、どんなお話かまったく想像がつきませんでした。でも台本を読んで、これまでの当たり前が当たり前じゃなくなっている時代だし、夫婦ってふたりじゃなくてもいいんじゃないかと思えたし、なんで今までこういう考え方がなかったんだろうって思ったんです。

浅香さん(写真中央)の「ジャパンエンタメの原点」は、水谷豊さん。 「父親がファンだったドラマ『熱中時代』で水谷さんが演じた役の名前(北野広大)が僕の名前の由来です。俳優を始めた頃に水谷さんの出演作を見漁ったことがあり、初めて共演できたときは本当に嬉しかったですね」(浅香さん)。鈴木さん(写真右)が挙げたのは、アイドルエンターテインメント。「黄色い声援を浴びるアイドルの姿に憧れて、この世界に入りました。この世界に入ってからもずっと、先輩のライブを観るたび仕事へのモチベーションが上がるし、自分も頑張ろうと気が引き締まります」(鈴木さん)

浅香 この作品に携わって、性別や世間体、社会の目にとらわれる必要はなくて、誰しも自分の幸せを掴みにいっていいんだなと思いました。自分が思う幸せのカタチを信じて、自分を愛して相手をちゃんと愛して、世の中と向き合っていけばいいのかなって。

鈴木 ありえない話じゃないし、見ればどこかに共感できるところがあると思います。

朝倉 そう思います。ただ、従来の枠組みを超えた新しい考え方で関係性を築こうとするならば、じつはものすごく勇気と対話が必要で、この作品ではそれがとても丁寧に描かれているんですよね。とくに拓三と美愛は、お互いに言いたいことを相手にすごくぶつけるじゃないですか。3人であろうと、どういうカタチであろうと、まずはお互いを理解するために必要なことって何なのかが、すごく濃密に描かれていると思います。

── 撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

浅香 センシティブな内容を扱いながらも、コメディだから笑いの要素も入ってきて、じつは結構高度な台本なんですよね。でもそこに対して変に茶化すことなく、みんなが真面目に向き合っていて、すごく心地がよく演じやすい環境でした。

朝倉 熊坂出(いずる)監督が「セリフを忘れちゃってもいいから、気持ちを届けるようにお芝居してください」とおっしゃって、そう意識していたら何度かセリフを飛ばしちゃったんです(苦笑)。でも、みなさんのおかげで、いいシーンになったと思える瞬間が何度もありました。

鈴木 僕はこの作品がドラマ出演2作目なんですが、撮影に入る前に監督が「不安なことがあればなんでも聞いてくれていいよ」と言ってくださったおかげで肩の力を抜いて現場に臨むことができました。撮影中も、監督の考えと僕のお芝居に相違があったとき、頭から否定せずに「どういう気持ちでお芝居したの?」と聞いてくださって。僕が説明したら「それなら全然いいよ」と否定をせずに導いていただき、あらためてお芝居について考える機会になりました。

朝倉さん(写真左)の「ジャパンエンタメの原点」は、小野不由美の小説「十二国記」シリーズ。「子供の頃から本の虫で、中学生のときにこれを読んで、こんなエンターテインメントが生み出される場にいたいと思いました。なぜか本に携わる仕事じゃないけれど(笑)。コロナ禍にも元気をもらった作品です」(朝倉さん)

朝倉 結構ワンカット長回しでの撮影が多かったですよね。

浅香 多かった!

朝倉 とくに3人で会話している場面に多くて。相手の言葉をちゃんと受け止めないと自分のセリフが出てこなくなっちゃうから集中力が必要で、私は必死におふたりについていった感じでした。浅香さんが「楽しかったねー」と言って帰っていかれて、「さすがだな」と。

浅香 いやいや楽しかったじゃない? 現場の全員があの瞬間、ひとつになる感じがさ。

朝倉 確かにうまくいったときは快感でしたけどね。浅香さんも鈴木さんもお芝居の創意工夫がすごいんですよ。

鈴木 新平は役柄的にも、結構自由度が高かったというのはあると思います。監督に「自由に。大胆に」と言われていましたから、ト書きにはなかったアクションを入れてみたり。自分と新平という役が響き合えた瞬間があって、楽しかったです。

浅香 新平の自由度が羨ましかったな。僕ももっとやりたかったけど、拓三としては抑えなきゃいけない部分も多くて。

朝倉 美愛も破天荒なところがあるキャラクターなので、結構思い切った遊びを入れたりしましたね。ただ、破天荒すぎると共感してもらえないので、バランスは気をつけましたけど。

浅香 撮影は大変だったけど弱音を吐きたくなる瞬間が一度もなくて、本当に楽しかった!

朝倉・鈴木 楽しかった!

── 『anan』2445号の特集テーマ(「ジャパンエンタメの現在地」)に絡め、日本発のエンターテインメントに関して、みなさんが魅力的に感じている部分について伺いたく思います。

浅香 お仕事をした海外の方は、日本のエンタメの現場はみなさん真面目だとおっしゃいますね。昨年ご一緒したタイの俳優さんが「こんな素晴らしいスケジュールを見たことがない」と驚いていましたし、昔ご一緒したイギリス人の演出家の方には「なぜそんなに言うことを聞くんだ。もっと我を通していいのに」と言われました。真面目は美徳でもあるけれど、自分としてはもっと自由になれたらと思うところもあります。

朝倉 私は時代劇です。見るのも演じるのも好きなんですが、今作られる数が減ってきていますよね。時代を行き来したり挑戦的な作品もありますし、もっと増えたらいいなって。

鈴木 僕、少し前に放送されていたTBSのドラマ『海に眠るダイヤモンド』にすごく感銘を受けたんです。軍艦島(端島)の歴史と現代のホストの物語をそんなふうに融合させるんだって驚いたし、それがあんなに素敵なドラマになるなんてすごいなと思いました。軍艦島って名前しか知らなかったけれど、ドラマを通じて歴史を知れるのもいいし、朝倉さんのおっしゃるように、時代劇と現代を融合させた作品がもっとあっても面白いですよね。

── エンターテインメントに携わるお仕事をされるうえでの、ご自身のこだわりや矜持のようなものはありますか?

朝倉 豊かな表現は豊かな心からしか生まれないと思うので、つねに豊かな心でいることでしょうか。私はわりと自分の決めたルーティンに縛られがちで、それをやらないと気が済まないタイプなんです。こういう不規則な日々の中でも心やすくお仕事できるのは、周りの方の協力があってのことで、いろんな人に助けられているなと思います。だから人に感謝して心身健康でいることでしょうか。

鈴木 僕は、自分が届けた表現…たとえばすでにオンエアされたものに対して後悔しないことです。もちろん現場でギリギリまでよいものを届ける努力をして、本番では自分に恥じないものを出すのがプロだと思っています。そこで後悔するのは、現場に携わってくださったその道のプロの方々にも、見てくださった方々にも失礼だと思うんです。改善点は検証しますけれど、つねにそのときの最善を届けたと前向きに捉えています。

浅香 朝倉さんがおっしゃったことに通じるかもしれないけれど、やっぱり自分が豊かじゃないと表現に値するものを出すこともできないと思うんです。人間的に豊かでポジティブであること。そのためには人生を楽しむことが大事だと思うので、仕事と同じくらいプライベートも充実させたいと思っています。

3人の座談会はこちらでも!

浅香航大・朝倉あき・鈴木大河、座談会|ドラマストリーム「三人夫婦」で模索する令和の新たな男女の幸せの形

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PROFILE プロフィール

浅香航大

あさか・こうだい 1992年8月24日生まれ、神奈川県出身。近作に、ドラマ『オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜Season2』、映画『十一人の賊軍』など。7月開幕の舞台『泣くロミオと怒るジュリエット2025』への出演も控えている。

朝倉あき

あさくら・あき 1991年9月23日生まれ、神奈川県出身。近作に、大河ドラマ『光る君へ』、ドラマ『正直不動産ミネルヴァSPECIAL』、配信ドラマ『わかっていても the shapes of love』など。現在、時代劇『あきない世傳 金と銀2』(NHK BSほか)に出演中。

鈴木大河(IMP.)

すずき・たいが 1998年6月29日生まれ、千葉県出身。今年1月クールの『未恋〜かくれぼっちたち〜』でドラマ初出演。IMP.としては、本作の主題歌「Cheek to Cheek」が現在好評配信中。5月からスタートするIMP.主演舞台『IMPACT』も控えている。

INFORMATION インフォメーション

ドラマストリーム『三人夫婦』

優しいけれど内向的な拓三(浅香)は独身街道まっしぐら。そんなある日、元カノの美愛(朝倉)と彼女の年下の恋人・新平(鈴木)から、3人で夫婦にならないかと提案を受ける。戸惑う中、なし崩し的に1年間のおためしと称した同居生活がスタート。現在、毎週火曜深夜0時58分〜TBS系にて放送中(※一部地域を除く)。またNetflixでは先行配信中。

問い合わせ:TBSテレビ(ドラマストリーム「三人夫婦」)詳しくはこちら

Tverで観る

写真・小笠原真紀 スタイリスト・伊藤彩香(朝倉さん) 山本隆司(style3/鈴木さん) ヘア&メイク・三宅 茜(浅香さん) 野中真紀子(eclat/朝倉さん) 大森創太(IKEDAYA TOKYO/鈴木さん) 文・望月リサ 撮影協力・バックグラウンズファクトリー

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