上咽頭の炎症を防ぐには、口うがいだけでなく鼻うがい、あるいは上咽頭洗浄を取り入れたい。
「生理食塩水で鼻うがいをすると、ウイルスや細菌による感染を防ぐことができるし、細胞内で一部のウイルスが増殖するのを防ぐこともできます。花粉症の季節なら、花粉を洗い流すこともできます。鼻うがいが苦手なら、簡易バージョンの上咽頭洗浄を。鼻うがいだと鼻の穴から上咽頭まで、上咽頭洗浄なら上咽頭のみを洗うことができます」(堀田修先生)
生理食塩水の作り方
150ml以上の水を用意する。そこに、塩分濃度が0.9%になる量の食塩を混ぜる。水が150mlなら、食塩の量は1.36g。温度は、人肌程度にして。
◎体調によって塩分の濃度を変えても。
鼻がつまっているときや風邪をひいているときは、生理食塩水の塩分濃度を1.5~2%まで高めよう。鼻づまりが解消したり、ウイルスの増殖を抑えたりといった効果が期待できる。
【鼻うがい(1日2回)】鼻の中・上咽頭を一気に洗浄。
鼻から出す方法
姿勢は前かがみで、顔を下に向ける。専用キットなどを使って片方の鼻から生理食塩水を入れたら、もう片方の鼻から出す。これを2回繰り返したら、片鼻ずつ軽く洟をかむ。
口から出す方法
姿勢は、鼻から出す方法と同じく前かがみに。専用キットなどで片方の鼻から入れた生理食塩水を、口から出す。両方の鼻で各2回繰り返したら、片方ずつ軽く洟をかむ。
【上咽頭洗浄(1日2回)】上咽頭をピンポイント&簡単に洗う!
椅子に座って頭を60度以上後ろに倒す。専用キットなどを使って、片鼻ずつ約2mlの生理食塩水を入れるだけ。そのあと生理食塩水は、飲み込むか口から出す。これを、2回繰り返して。
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PROFILE プロフィール
堀田 修先生
内科医。堀田修クリニック院長。腎臓病の治療に際して、上咽頭の炎症が様々な病気を引き起こす可能性に着目。近著に『いつまでも消えないつらい疲れ・だるさの正体 慢性疲労を治す本』(あさ出版)ほか。