〈WHO’S HOT〉ラランド・サーヤ「ニシダとの縁は前世のカルマだと思っています」

YouTubeチャンネルは登録者数136万人、単独公演は配信チケットが2年連続で1万枚超を売り上げる。注目を集め続けるラランドが目指す未来とは。


2014年、上智大学のお笑いサークルで結成された男女コンビ、ラランド。2021年にはサーヤさんが代表取締役社長を務める(ニシダさんは平社員)個人事務所「レモンジャム」を設立。テレビ、YouTube、舞台とさまざまなステージで、彼らにしかできないエッジの利いた笑いを届け続ける。

── はじめて会ったときのことは、お互い覚えていますか?

サーヤ 学科(外国語学部イスパニア語学科)が一緒だったので最初に認識したのは教室でした。「俺、早稲田も受かったんだ」と話しているヤツがいて、絶対あの人とは友達にならないでおこうと思ったのがニシダでした。

ニシダ 最悪の出会いですね。

サーヤ その後、アカペラサークルの新歓の飲み会に行ったらそこにもいて。あ、アイツが入ってきちゃってる、と思いましたね。

ニシダ 夏の虫みたいに言うんじゃないよ。

サーヤ 私は中高からお笑いの活動をしていたので大学でも続けたくて上智のお笑いサークル「Sophia Comedy Society」に入ろうと決めていたんです。で、先輩に「学科に太っているやつか外国人がいたら連れてきて」と言われていたんで、アカペラサークルの飲み会に入ってきちゃってたニシダに声をかけたのがきっかけといえばそうなります。でも、その時点では、まったくコンビを組む気はなかったです。

ニシダ 僕はもう圧倒的にサーヤさんが面白いなと思っていたので。ネタを見たとかじゃないんですけど、話をしただけでわかるほど群を抜いた存在だったんです。これはもう組んでもらうしかないと必死にアプローチをしました。

サーヤ 外堀から埋められたんです。ニシダがサーヤちゃんと組みたがっているよって第三者に言わせてみたり、私の相方候補の悪口を吹聴してみたり。今だったら完全にハラスメント。ラランドはハラスメント結成コンビです。

ニシダ あるわけないだろ、そんな結成の仕方……。

サーヤ とにかく時間がなかったんですよね。5月に新入生のライブがあってそれに出ないといけなくて。仕方なく私がネタを書いてみせたら「それでいいんじゃない」と二人でやることになって。

ニシダ 結果、大いにウケて。これは楽しい、続けたいなと思うようになりました。

── 大学のお笑いサークル時代には大学お笑いの頂点を決める団体戦「NOROSHI」で優勝に貢献するなど活躍をみせ、2019年にはアマチュアながら「M‐1グランプリ」のセミファイナリストに。学生のサークル活動からプロになるというのは、お互いにどのように意識されたのでしょうか。

サーヤ 私は大学を真っ当に卒業し、就職活動をして広告代理店に入社しました。家にお金を入れないといけなかったので就職をするというのはマストで。ただ、お笑いは好きだったので、土日に舞台に立てればいいかなと。一方、そのころニシダは留年をしていてまだ大学生でしたから。コンビとしての足並みとか、プロを目指すか否かとかいう以前の問題で。私が平日、仕事している間も、ニシダはサウナ行ったり、釣り堀行ったりしているわけですから。こんなヤツと足並みが揃うわけがない。

ニシダ 当時、何を考えていたのか…卒業しないとなぁとは思っていたと思います。

サーヤ ニシダの希望はさておき、ラランドとして、プロのライブに呼んでいただいたり、テレビ番組に声をかけていただいたりということが増えていった。そういう現場に呼ばれることはとてもありがたく、楽しかったです。ただ、全部自分たち…というか私が事務的なことだとか経理のことだとかもやっていたのでその比重が増えたときに、信用問題もあるし、個人より会社にしたほうがいいのではと思い至りました。どこか事務所に所属するということも考えましたが、当時まだ私が会社員だったので、仕事を続けながら芸人をするというスタンスに理解を示してくれる事務所がなかったんです。それなら自分たちで会社を立ち上げるしかないかな、と。

ニシダ 僕はそれについていくしかないな、と。

サーヤ それで大学時代からの友人である現在のマネージャーの橋本(通称マネたく)を誘い、彼を副社長に、私が社長となり、クレジットカードを持ってない、資本金を出すこともできないニシダは当然、平社員ということに。

ニシダ 僕にはほかの選択肢はなかったですね。もうサーヤさんの敷いてくれたレールに乗っていきたいという想いしかなかった。

サーヤ まだ学生のときだったかニシダに“サーヤさん、芸能界に行くなら連れてってね”と言われたんです。ニシダは常にそういうスタンスです。自分が連れていくとか、一緒にがんばろうとかない。

ニシダ 言った記憶はないですが確かに言いそうなことです。

── 今年、個人事務所レモンジャムは設立から5年目、ラランド結成からでいうと11年目となりました。サーヤさんがさまざまなことを背負い、ニシダさんに苦言を呈しながらもここまで続けてこられた理由は何だと思いますか?

サーヤ 実際にやってこられたのはマネたくがいてくれたからだと思います。私は何度も心が折れそうになった。解散してひとりで売れてやろう、とも思いました。でも、そういうときもマネたくは「一回、落ち着こう」と言ってくれたので今のラランドがある。「ニシダを手放すな」と何度も言われ、思いとどまってきました。

ニシダ 現実に、解散するみたいな大きい危機を乗り越えてきましたね。いずれも僕が謝ることばかりでしたけど…。

サーヤ これからも全然、あるんじゃないかなと思います。

── 二人の綱渡りのような関係を繋いでいるのは、現在、一緒にYouTubeチャンネル「ララチューン」や単独ライブ公演を作り上げている、いわばチーム「ラランド」があるからでは。

サーヤ そうですね。もうニシダとの縁は前世のカルマと思って諦めるしかない。マネたくをはじめ、YouTube動画を一緒に作っている作家やアシスタントに入ってくれている同期や後輩たちも大学時代から一緒にお笑いをやっていたメンバー。彼らともう一回集まって自分たちが面白いと思うことをできているのは自分のモチベーションのひとつになっていると思います。

── YouTubeのコンテンツもですが単独ライブでは幕間のVTRなども相当凝っています。ニシダさんをドッキリでエジプトでバラしたり…。

サーヤ 「ララチューン」でもやっている「ロケバラシドッキリ」は人気企画で、ニシダを遠方に放置するだけ。これまで岡山や八丈島、和歌山などに置いてきましたが、ついに海外進出しましたね。

ニシダ 進出しなくていいんだよ。だまされて何も知らず14時間かけてエジプトへ行きました。

サーヤ 単独でもニシダは作ってもらったネタをやるだけですから。ドッキリでくらい貢献して、HP(ヒットポイント)を使ってもらわないと。ただ、コンテンツとして考えたときにニシダが辛い目にあっているだけではエンタメにはならないので。そこをちゃんと面白く、バラエティとして制作チームが仕上げてくれているのが素晴らしい。自分たちだけでもこういうものが作れるというのはひとつ大きな自信になります。テレビに固執しなくてもできるんだなと。

ニシダ 『ロンハー(ロンドンハーツ)』かなと思うくらい精巧なドッキリを仕掛けてきますから。これからも身内だからと油断しないでいこうと思います。

── ラランドにとってテレビとYouTubeにはどのような違いを感じているのでしょうか。

サーヤ それぞれいいところがあります。YouTubeは自分たちがやりたいことができる、まさにホーム。「ニシダにこういうことしたら面白そう」「こういう悪口言ったらウケそう」と率直に話せるところがいいです。

ニシダ YouTubeで自分たちらしさを出しつつ、それを見た業界の方々にラランドはこんなこともできるんだとテレビでも使っていただけたらうれしいです。

サーヤ ニシダをもっとテレビで面白く使っていただきたいですね。私としてはYouTubeでやりたいことができている分、テレビではいちプレイヤーとして挑戦し続けたい。FUJIWARAの藤本(敏史)さんみたいなバイプレイヤー的な立ち位置に憧れます。

── また、ラランドとしての活動もありつつ、サーヤさんは礼賛などでの音楽活動、ニシダさんは小説を手がけられるなど個人としての活躍も目覚ましいです。

サーヤ ニシダには早く何らかの賞を受賞してもらい、作家としてロンドンあたりの遠方に移住してもらいたいです。

ニシダ ないだろ、そんなこと。

サーヤ 私の音楽活動にしても、ニシダの執筆活動にしても、「芸人が片手間でやってます」という逃げ方や見え方はしたくなくて。お邪魔している場所に失礼がないようにしたいと思っています。11月には日本武道館で礼賛のワンマンライブがあるので、そのことをステージを通して伝えられたらと、いま準備を進めています。

ニシダ サーヤさんは、企画やネタを考え、音楽制作もしてひとりの人間の作業量とは思えないほど多忙。その隙間をぬって酒を飲んでいるので、それは心配ですね。酒量には気をつけてほしい。

サーヤ すべてのストレスをそこで発散しているんだから、私から酒だけは奪わないで。今、私の中ではラランドとしての活動は満足度高くやれていると思うので、さらにできることを増やしていきたい。…それか隙をみて解散しちゃうか、どっちかです。

ニシダ 選択肢が極端すぎるよ。隙をみて解散されないようにコツコツとついていこうと思います。

Profile

ラランド

左・サーヤ 1995年生まれ、東京都出身。バンド「礼賛」では、CLR名義で作詞・作曲とボーカルを務める。MCを務める『セフレと恋人の境界線』(Prime Video)が9月3日配信スタート。右・ニシダ 1994年生まれ、山口県出身。2022年から文筆活動をはじめ、小説集『不器用で』『ただ君に幸あらんことを』を上梓(共にKADOKAWA)。

Information

公式YouTubeチャンネル「ララチューン」ではドッキリ企画から二人のサシ飲みまで定期的にコンテンツを更新中。アプリ「GERA」で配信中のラジオ番組『ラランドの声溜めラジオ』は、各Podcastでも楽しめる。サーヤは礼賛として11月6日に日本武道館でのワンマンライブが決定している。さらに来年、レモンジャム設立5周年を記念したイベントの開催も予定しているとか。

サーヤさん・トップス¥26,400 デニムパンツ¥34,100 ベルト¥26,400(以上SUPPLIER TEL. 03-5774-7701) シューズ¥27,500(YELLO

ニシダさん・トップス¥6,600(SPECIAL GUEST K.K.) シューズ¥15,400(NIKE SPORTSWEAR/NIKE カスタマーサービス TEL. 0120-6453-77) デニムパンツはスタイリスト私物

写真・岩澤高雄(The VOICE) スタイリスト・呉屋千紗季 ヘア&メイク・松橋亜紀 インタビュー、文・梅原加奈

anan 2458号(2025年8月6日発売)より

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⾝近な⼈たちと⼼が通い合い、安⼼感に包まれる⽇です。迷いを感じたら、無理をせず「安⼼できる場所」へと戻ってみて。その素直な選択が、あなたを正しい流れに乗せてくれます。その後、準備してきた想いを形にするチャンスが巡ってくるでしょう。進みたい⽅向が定まったら、⾃分を信じて次のステージへ⽻ばたいてください。

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