悩み多き中堅層。チームへの貢献を第一に。
新人がまだまだ仕事ができないため、リーダーからいろいろな場面で支援を要請され、割を食いがちな中堅層。また、両者の間で板挟みにあったり、経験を重ねた分「できる自分」を演出したくなって無理が生じることも。
「中間的な立場だけに、リーダーや新人の目を気にして考えすぎてしまう人も多いようです。どう思われるかではなく、チームに貢献するために何をすべきか。これを行動の指針にしましょう」
【トラブル1】私ばっかり…
個人と部全体で毎月ノルマがある営業部。エースの間美は早々に個人ノルマを達成したが、新人が足を引っ張り、部の目標には届きそうもない。そこで部長は新人ではなく間美にはっぱをかけた。「なぜ私なの!?」と納得がいかないが新人はホッとした様子。
他の立場に起こりうる気持ち
- リーダー:できる人がやるのは当然でしょ!
- 新人:足を引っ張ってごめんなさい。
【解決策】部署の実績を上げるためにリーダー目線で考える。
自分の成績だけにコミットしないで、リーダー目線を持ち、いかにして、きちんと売り上げを達成できる部にするか、その方法を模索してみて。「自分がバリバリやる、若手のトレーニング体制を整えるように上司に提案するなど、チームに貢献するという視点で動きましょう。自身の成長と評価にもつながります」
他の立場がすべきこと
- リーダー:力のある部下に安易に依存してはリーダー失格。若手育成のプランを練るなど中長期的な視野で対策を。
- 新人:先輩にお願いして営業のコツを教えてもらうなど、自分の成長につながる頼り方をしよう。
【トラブル2】反抗的な新人と上司の板挟みに
優秀な新人が入社したが、上司のやり方に不満があるようで、日頃から反抗的な態度をとっている。これ以上調子に乗らせたくない上司はその新人を力で抑えつけようとして、ますます新人は反発。両者の間に立つ中堅的立場の間美は気苦労が絶えない。
他の立場に起こりうる気持ち
- リーダー:尊敬の念が足りないのよ!
- 新人:先輩はリーダーの肩を持つの?
【解決策】新人の「反抗の目的」を聞いて両者を歩み寄らせるスタンスで。
両者が感情的にならないように、建設的な方向に導く意識で向き合って。新人と一緒にリーダーを批判するのはNG 。「本人にヒアリングするなどして、新人が反抗的になる目的を明確にします。例えば、新しいやり方を提案するのが新人の目的なら、それをリーダーに伝えて検討や対話を促してみては」
他の立場がすべきこと
- リーダー:こんな時こそトップダウンではなく「あなたの意見が必要」と歩み寄り、ヨコの関係を構築して。
- 新人:ただ反抗するだけでは子どもと同じ。先輩に相談しながら、自分の目的を達成する論理的な手段を考えよう。
【トラブル3】出世を強要される
仕事もわかってきて、自分のペースで進められる現状に満足している間美。しかし上司は、昇進試験を受けるように勧めたりチームリーダーに推薦したり、上の役職を目指してほしいよう。一方、間美は「このままでいいのに…」と迷惑がっている。
他の立場に起こりうる気持ち
- リーダー:いずれは上に立つんだから!
- 新人:あの先輩、やる気ないな~。
【解決策】キャリアプランの再考など「なりたい自分」を明確にする。
上司から打診があるのに「出世したくない」という理由で、昇進やリーダー職を拒むのは通用しにくい。「会社にいる以上、役職を望まないならスペシャリストを目指すなど、キャリアプランを再考して今後のあり方をはっきりさせたいところ。自分の方向性や意気込みを上司に伝え、理解してもらうのがよさそうです」
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他の立場がすべきこと
- リーダー:出世を目指す価値観を押し付けない。どういうスタンスで仕事をしていきたいか、部下の気持ちを確認する。
- 新人:年次が上がれば、自分も同じ岐路に立つと考えて、今から目指す方向性をイメージしておく。
みうら・しょうま チームダイナミクス代表。人材育成コンサルタント。アドラー心理学を応用した研修で企業をサポート。『チームを変える習慣力』(インプレス)など著書累計30万部超。
※『anan』2020年1月29日号より。イラスト・サヲリブラウン 取材、文・熊坂麻美
(by anan編集部)