打ち合わせのとき、座る席に迷わない。
席次には、目上の方や来客に対する敬意が込められていて、正しい場所に座らないととても失礼。曖昧にしておかず、基本のルールはしっかり覚えておきたい。
「席次のポイントは出入り口。近いほうに迎える側の人、奥側に来客者が座ります。出入り口から遠いほうが役職の高い人が座る上座です。ただし、会議室で人数が3名以上の場合は、真ん中が上座に。このルールは知らない方も多いので、もし真ん中に座るべき人が奥に座ったら、相手に合わせます」
迎える側のとき、来客が迷っていたら、「こちらにどうぞ」と、ひと声掛けて促す気配りも忘れずに。お茶を出す順番も席次に従う。
【基本編】
2名の場合:いちばん落ち着く部屋の奥角が上座。
出入り口から最も遠い奥に、来客側の最上位の人が座る。出入り口に対して平行にデスクが設置されていても同じ。
3名の場合:盲点は最高位の席。正解は、奥ではなく中央!
役職が高い順に、真ん中、奥、手前に座る。理由は、扇の要になる真ん中の席が、相手全員を見渡しやすいため。
【応用編】
4名の場合:真ん中の奥側の席を筆頭に外側になるにつれ末席に。
相手を見渡しやすい真ん中であることは3名の場合と同じ。中の2席のうち、より出入り口から遠いほうが上座。
イレギュラーな場合:もしも、来客側の偉い人がいちばん奥に座ったら。
その場合は、迎える側も合わせて同じ並びに。その場で最も偉い人に気持ちよく過ごしてもらえるよう、気を配る。
いまどきのスマートな名刺交換ができる。
そのやり方によって、ビジネススキルが試されるといわれるほど、印象を左右するのが名刺交換。
「以前は、目上の人から先に名刺を渡し、渡された名刺を両手でうやうやしく受け取ってから自分の名刺を渡していましたが、いまは、お互いに名乗ったら同時に受け渡す“同時交換”が主流です。マナーをアップデートしないと、時代についていけてない古い人といった悪印象を残してしまいますよ」
万が一、名刺を忘れてしまった場合はどうしたらいい?
「深くお詫びし、すぐに連絡先をメールで伝えましょう。本来なら、日を改めて持参すべきくらい名刺は重要なもの。それを忘れるのは、マナー以前の問題と肝に銘じて」
名刺入れの上に自分の名刺を置く。
自分の名刺の正面を相手に向けて名刺入れの上に置き、名刺は右手だけで持つ。
【相手の名刺が横のとき】
半円を描くようにして、相手の名刺入れの上に自分の名刺をのせる。同時に名刺入れを持った左手で相手の名刺を受け取り、すぐに両手で持つ。
【相手の名刺が縦のとき】
名刺入れはいわば名刺の“座布団”。名刺の向きに合わせて持つのが基本。相手の名刺が縦書きなら、名刺入れを素早く縦に持ち替えて受け取る。
おがた・けいこ 全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。
※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)
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