利便性は高いのに、日本はまだ、遅れています。
電子マネーやクレジットカード、デビットカードの普及で、世界はいまや現金を使わない「キャッシュレス化」が進んでいます。クレジットカードのサインや暗証番号の手間も省き、スマートフォンでQRコードを読み取るだけで決済できる仕組みも生まれました。
急速にキャッシュレス化が進んでいるのは中国です。レンタサイクルの貸出料や、屋台の支払いまで、アリペイやウィーチャットペイなどの専用アプリのQRコードで決済されています。むしろ、「現金お断り」の店も出るなどして話題を呼びました。
アメリカでは、amazonbooksという、amazonのリアル店舗が次々にオープンしているのですが、この店の商品価格は、amazon.comに合わせているので、常に変動します。そこで値札はなく、専用アプリをスマホにダウンロードして、各々バーコードにかざして、値段を表示させることを推進しています。
日本でもスマホ決済アプリのOrigamiと日本交通が提携し、タクシーもスマホで支払えるようになるなど、キャッシュレス化は始まっていますが、欧米や中国に比べるとまだ遅れています。日本クレジット協会によるクレジット統計2016年版によると、日本のカード決済は約18%。スウェーデン、アメリカの40%以上、50%を超えるイギリスと比べると、先進国のなかでは異例といえるほど現金主義なんですね。
ヨーロッパでは、北欧のキャッシュレス化が最も進んでおり、スウェーデンは現金の残高を国家としても減らしています。また、EUの中央銀行は2018年末で500ユーロ紙幣の発行を停止することを決めました。
キャッシュレスの利点は、便利で決済が早く済み、無駄もなくなること。銀行から引き出したり送金する時の手数料もかからなくなります。現金の高額取引はマネーロンダリングを生みますし、電子マネーならば、お金の動きを把握しやすく、犯罪防止にも役立ちます。ロンドン五輪ではフィンテックにより、交通も商品購買もカード1枚で決済できました。2020年に向け、日本のキャッシュレス化がどこまで進むのか、気になるところです。
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