カロリーを気にして食品数や量をマイナスしていくのはナンセンス。いまは、たんぱく質をプラスするのがボディメイクの常識です。
「ダイエットに失敗する人は、食べているものに無自覚な傾向が。栄養素の基礎知識がないと、太る原因がわからないまま、結局、とにかく食べないように頑張るといった根性論に陥り、挫折してしまうのです。カロリー制限は、代謝を落としてしまい、リバウンドの準備をしているようなもの。ぜひ、視点をカロリーからたんぱく質に移してみてください」と運動指導者の森拓郎さん。
たんぱく質は、代謝に必要な筋肉を作る重要な材料。減ると、基礎代謝の約2割を担う筋肉が衰え、痩せにくいカラダに…。
「肝臓も基礎代謝の約3割を占める大切な器官なのですが、その構成要素もたんぱく質。一過性のダイエットではなく、一生太らないカラダを目指すなら、たんぱく質摂取が肝心です」
飲み会などで食べすぎても、たんぱく質が役に立つ。
「翌日、肝臓の働きを回復させるたんぱく質を意識して摂ると、食べすぎは挽回できます」
では、たんぱく質摂取に注目した“痩せグセ”をご紹介。
ジュースの代わりはプロテインドリンク。
ヘルシーなイメージが根強いフルーツもその本質は、糖質。
「糖質はすぐにエネルギーにできず、脂肪として体内に溜まるだけ。果物は満腹感もなく、朝、フレッシュジュースを飲んだり、フルーツをたくさん食べても、ランチ前にはお腹がすいてしまいます」
グリーンスムージーも同様。野菜だけならいいが、飲みやすくするために果物をバンバン入れているのなら、考えもの。
「ジュースや果物入りのグリーンスムージーよりも、たんぱく質たっぷりのプロテインを飲んだほうが、痩せる視点から考えるとはるかに効率的。1日の必要量を手軽に摂れますし、プロテインでむくみが解消される人が多いんです」
動物性:植物性 7:3を毎食意識する。
1日に必要なたんぱく質は、体重1kg当たり1gが最低ライン。50kgの人なら、少なくとも
50gは摂らなければならない。動物性と植物性の2種類あるたんぱく質。優先すべきはどちら?
「動物性たんぱく質です。動物性と植物性の比率は、7:3が理想的。動物性で足りない分を植物性でカバーするイメージですね。1日のたんぱく質摂取目標は、肉類と魚介類を手のひら2枚分の大きさに、卵を3個、納豆や豆腐などが2~3品です」
たんぱく質を摂りすぎると、問題が起こりそうだけど…?
「たんぱく質は不足している人がほとんどですし、病気でない限り、摂取量に上限はないので安心を」
レバーや赤身肉で体温を上げる。
同じ食事法を実践しても、ダイエット効果が出やすいか否かは、個人差によるのが事実。その差の中でも、冷え症かどうかは、効果を大きく左右する分かれ道。
「人間は、体温が1℃下がるだけで、基礎代謝が13~14%落ちるといわれています」
冷え症を克服するには、やっぱりたんぱく質摂取が大切で、もうひとつ欠かせない栄養素が、鉄。
「血の巡りをよくするために赤血球中のヘモグロビンを作るには、その材料となる鉄とたんぱく質を摂るに限ります。鉄分は、ひじきやホウレン草の植物性食品に含まれる非ヘム鉄よりも、レバーや赤身肉に含まれるヘム鉄のほうが、体内への吸収が高くておすすめ」