要チェック! 毎日食べたい“3たて”うどんって何?

ファッション
2018.11.10
フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『麺散(めんちらし)』の、ちく玉天(冷)です。
料理

9月頃、原宿で働くファッション系の人々が突然うどんの写真をSNSにアップし始めた。どうやら『麺散』という店がキャットストリートの裏手にオープンしたらしい。仕掛けるのは「en one tokyo」。原宿界隈のイベントや企画といえば真っ先に名の挙がるクリエイティブエージェンシーだ。そんな彼らの最新コンテンツがうどん(?!)で、内装は衝撃的(行けばわかる)で、しかもこれらのポップな文脈からは想像できないほどおいしいのだから、一体この店何なんだ?と興味を持たずにはいられなかった。

「原宿のど真ん中に、あえて、毎日でも来たくなるような店を作りたかったんです」と、ディレクターの岡田茂さん。一回きりの話題性で持ちきりの街だからこそ、繰り返し通いたくなる店を。そのためには「安くてうまいこと」が重要な条件だったという。

「製麺には讃岐うどんの名店、新宿『うどん 慎』で修業を積んだ麺職人を迎え、打ちたて・切りたて・茹でたての“3たて”を徹底してます。出汁も天然真昆布ベースの飲み干せるほどうまい関西風を追求しているんです」。

その本気度はたしかに一杯のうどんに宿り、みるみるリピーターを増やしているが、「“麺散でいいや”って思ってもらえる店になりたいんです」と、当の岡田さんは謙虚で真摯な姿勢を崩さず、だからこそ、街に長く愛される未来が目に見えるようだった。

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。

ちく玉天(冷)¥800。ごま油の香り広がる揚げたて天ぷらもスター級。昼休憩なしの通し営業もありがたすぎるし、夜にはつまみメニューの充実する飲み屋に変貌します(締めは焼うどんがおすすめ!)。

「麺散」店頭のキッチンカー『ONE』ではだし巻きドッグを販売している。東京都渋谷区神宮前6-13-7 TEL:03・6427・9898 11:30~23:30(うどんは22:30LO) 日曜休

※『anan』2018年11月14日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)



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