
眞名子新さん
フォークやカントリーをベースにしたサウンドに、感情豊かな歌を乗せる稀代のシンガー・眞名子新さんが、待望の1stフルアルバム『野原では海の話を』をリリースした。
自分が作る曲に毎回ワクワクする。僕自身が眞名子新の一番のファン。
「今回の作品は原点に戻った作品です。それは気持ちの面でもそうですし、自分の好きなフォークやカントリーを見つめ直して作っていった一枚になります。特に『出自』は『野原では海の話を』の軸になっている曲。自分を大きく見せることは簡単ですけど、そうするといつかボロが見えてしまう。自分にできることをしっかりやっていこう、というアルバム全体に込めた思いが一番強く表れている曲です」
ほかにもアルバムの根幹を表しているのが、弾き語り一発録りで収録した「海の一粒」だ。
「19歳くらいから自分で曲を作るようになって、4曲目くらいに作った曲なんです。当時、大学生だった僕は何者かになりたいけど、どうすればいいのか分からず、ぐちゃぐちゃした気持ちを抱いていました。そんな時、地元・神戸の須磨海岸へ行って書いたのが『海の一粒』でした。今回収録するにあたって、この曲だけは弾き語りじゃないと伝わらないものがあると思いまして。“伝わってくれ!”と気持ちをぶつけるように歌いました」
眞名子新になる前の“神戸のあらた”名義から歌い続けてきた「海の一粒」は、どういう位置付け曲なのだろう?
「自分の歌を最大限に表現できる曲ですね。ただ、作った当初はこんなに歌い続けることになるとは思っていなかったんです。でも、お客さんとか作詞を担当してくれている兄(motoki manako)やマネージャーも『本当にいい曲だよね』と言ってくれて。ライブで歌うにつれて『この曲は人を感動させる力があるのかも』と思い、より大事にするようになっています」
最後に、曲を作る上で、原動力になっていることを聞いた。
「一番大きいのは悔しさです。『渾身の曲ができた』と思っても、自分が想像したほどの結果にならない。その悔しさがバネになって『じゃあ、次はこうしてみよう』と、新しい曲を作る力になっている。それだけ自分に期待している部分もあって。自分が作る曲にいつもワクワクしている。僕自身が眞名子新の一番のファンなんです」
Profile
眞名子 新さん
まなこ・あらた 1997年生まれ、兵庫県出身。2023年に Spotify「Best of Japanese SSW 2023」などに選出され、’24年にはFUJIROCK FESTIVAL’24「ROOKIE A GO‐GO」などに出演。6月からワンマンツアーを開催。
Information

AL『野原では海の話を』
先行SG「さいなら」「ラジオ」「出自」「健康」「海の一粒」、すき家のTVCM曲「網戸」のALバージョン、新曲「台風」を含む全11曲。【通常盤(CD)】¥3,500(SPACE SHOWER MUSIC)
anan2446号(2025年5月14日発売)より