人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは女優の梶芽衣子さん。ラストとなる第4回は「褒める人より、苦言・叱責する人を大切に。」。
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25歳で東映の映画『女囚701号/さそり』に主演し、それが大ヒットしシリーズ化。その後いろんな映画会社で主演作を作っていただき、30歳前後の私は客観的に見れば成功していたと思います。でも自分では、守りに入ろうなんて思わなかった。なぜならば、私は“まだできていない”という気持ちをずっと感じていたから。その満足できていないという思いは、今も変わりません。今私は73歳ですが、仕事をしているといまだに「こんなことってある?!」ということが山のように起こる。20~30代の挫折なんて甘い甘い、そこからがもっと大変ですよ(笑)。人生、完成するなんてことは、きっとないのではないかしら。

進み続けるために大切なのは、甘えないこと。褒められるとつい満足してしまいますよね。でも、そこにあぐらをかいたら成長は止まります。耳を傾けるべきは、褒め言葉ではなく苦言・叱責。厳しい言葉をかけてくれる人を大切にして、生きてください。

実は私は幼い頃とても体が弱く、おそらく長生きはできないだろうな、40歳くらいで死ぬだろうな、と思っていました。でも、それがどうです、想定の倍近く生きることができている。正直今は、もっといけるかな、とも思ってます(笑)。この、想定していなかった長い人生、もっと仕事がしたい。映画『すばらしき世界』の西川美和監督もそうですが、お若く才能あふれる監督が私を使ってくださり、その現場でいろんなキャッチボールができる喜びは、この歳まで生きて仕事をしているからこそ、感じられるものですから。

YouTubeを始めましたし、少し前にはロックのアルバムも出しました。71歳で、ロックよ! アマゾンで売ってるから、みなさんぜひ買ってください(笑)。コロナが終わったら、ライブハウスでライブをやりたい。もっともっと楽しみたいので、もう最近は年齢のことを考えません。もう73…なんて思ったら、余計くたびれちゃいますから!

かじ・めいこ 1947年3月24日生まれ、東京都出身。公開中の西川美和監督作品、映画『すばらしき世界』に出演。第75回毎日映画コンクールにて、田中絹代賞を受賞した。

※『anan』2021年3月3日号より。写真・中島慶子 

(by anan編集部)

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自分のしていること(仕事や専門性の高いことなど)が過小評価されていて、日の目を見ない状態を⻭がゆく感じやすいときです。先進的すぎて理解されないとか、周知が足りないだけとか、内容が難しすぎるとか理由はあるにしても、あきらめないことが大切です。投げ出さずに目標に向かって努力を続ければ必ずチャンスはきます。

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