
正月のお茶の間の一大関心事である箱根駅伝。2011年の第87回箱根駅伝において、早稲田大学を総合優勝に導く立役者となった大迫傑選手は、翌2012年にも続けて箱根1区を走り、2年連続で区間賞受賞。大学卒業後は実業団駅伝でも活躍し、現在は「ナイキ・オレゴン・プロジェクト」に所属。日本を代表するランナー大迫選手に箱根駅伝がもたらしたもの、その魅力とは?
「アマチュアの大会で箱根駅伝ほど選手全員が注目される大会はなかなかありませんし、僕もお祭り気分で楽しんでいました。当日は緊張のあまり脱水症状を起こす選手もいれば、プレッシャーをモチベーションに変えられる選手もいます。僕は普通に走っていただけなんですけど(笑)、いろんなタイプの選手がいるので、そこがドラマティックというか、注目していただける理由なのかなと。基本的には駅伝も個人競技の延長で、走るのは一人。個人の戦いですけど、チームの仲間と励まし合ったり、喜びや悔しい気持ちを共有できたことは、僕の人生の財産になりました」
共有した思いを糧にしながら、いまもこの先も大迫選手は走り続ける。
「2020年の東京五輪では、専門の5000mと10000mに出場して成績を残すことを目指していますが、でもその前にまず'17年、ロンドンで行われる世界陸上で結果を出すことが目標です。ひとつひとつのレースを頑張って、毎年毎年成長していけたらいいなと思っています」
箱根の道は世界へと続いている。

気になる今回のレースの見どころは?
レースの大勢を占う前半戦は見逃し厳禁。
大迫選手が鮮烈デビューを飾った1区に、エースが集う花の2区。正月だからと序盤を見逃したらもったいない! '17年は4区と5区の距離が変更に。前半線がさらに勝負所になりそう。
青学の3連覇&学生駅伝3冠なるか!?
大会2連覇中の青山学院大学。'16年は出雲駅伝と全日本大学駅伝を制し、学生駅伝3冠に王手をかける。全日本2位の早稲田大や厚い選手層が強みの東洋大がそこにどう絡むかがポイント。
大迫選手に続く、注目のエースランナー。
大迫選手や「山の神」柏原竜二選手など、その年のヒーローが生まれるのも箱根の魅力。今回は、青学の絶対的エース一色恭志選手やリオ五輪にも出場した順天堂大の塩尻和也選手に注目。
「第93回 箱根駅伝」は2017年1月2日、3日、共に朝7時より日本テレビ系にて生中継。10月15日に行われた予選会では、大東文化大学が1位で本大会出場を決めた。詳しくは番組HPで。www.ntv.co.jp/hakone
※『anan』2016年12月28日-2017年1月4日合併号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・千石よう子
(by anan編集部)