あなたが喜ぶ顔を見たい。その気持ちと一緒に贈ります。
「喜びや感謝、愛情やいたわり。目には見えない“気持ち”を形にして伝えられるのが贈り物。誰かのことを思いながらモノを探す時間は楽しいし、それで相手が喜んでくれたらもっとうれしい」
とインテリアスタイリストの作原文子さん。仕事で部屋やモノをスタイリングする際は、使う人の気持ちを想像するのがいつものスタイルだ。では記念日の贈り物を選ぶ時は何を大切にするのだろう。
「両親や友人の誕生日、結婚や出産のお祝い、そしてクリスマスなど季節の行事。シチュエーションによって選び方は変わりますが、相手の気持ちや行動をちょっと後押しできたらいいな…ってよく思います。シンプルな花器を贈ったことで、その人の日常に“花を飾る”という楽しみが加わったら素敵ですし、両親に贈ったきれいな色の服が、若い人と話したり散歩に出かけたりするきっかけになったとしたら、心が弾みますよね」
職人が手づくりしたキッチン道具や、時代を超えて愛される北欧の置物など、背景に物語があるものを選ぶことも多い。
「モノだけというより、サプライズの気持ちをのせて贈りたいんです。例えば両親の結婚記念日に、自分ではなかなか選べないけどもらったらうれしい老舗の花バサミをひとつ……というように。それを機にモノの歴史を調べたり、夫婦の会話が広がったりしたらいいなって」
もちろんラッピングも大切だ。キャンディや花をプラスする。包装紙代わりに再利用できるかわいいバッグを使う。自分らしい言葉でメッセージを添える。ひと手間かけたことで、相手が笑顔になったり驚いたりしてくれたなら、その幸せな瞬間は自分にとっても喜びになる。
「モノ選びやラッピングのヒントは、家族が何気なく口にした“欲しいもの”や“好きな色”。あるいは“これ、あの友人に似合いそう”と感じたこと。そういうサインを心に留めておくだけで、気持ちが届く贈り物になる気がします」
恋人、友人へ
ここでは、恋人や友人への贈り物をご紹介します!
「恋人なら自分も一緒に使えるものを。友人には相手の趣味を充実させるものや遊び心のあるものを。そんな視点で選びました」。ユーモアのわかる友人にキッチュなキャンドルを贈ったり、ガーデニングが趣味の相手なら海外の園芸ツールを詰め合わせたり。「1000円前後の、手頃で気の利いたものを知っておくと、パーティや仕事場などで何人かに贈りたい時、役立ちます」
キッカーランド「缶入りのキット」
「何人かに贈るなら、各種揃えて自由に選んでもらうのも楽しい。小さいし価格も手頃なので、いくつかストックしておくのもいいかも」。スニーカークリーニングキット¥1,540 アイグラスリペアキット、ソーイングキット、トラベルネイルキット、エマージェンシーテックキット、各¥1,210(DETAIL inc TEL:03・5724・7012)
「NICE」と一言。小さなカード 7×12cm 3枚入り¥440(パピエラボ TEL:03・5411・1696)
TODAY’S SPECIAL「ガーデンセット」
「水やりにも使える料理用霧吹きなどを選び、トレイに詰め合わせて」。スコップ¥1,045 トレイ、W36×D16×H6.5cm¥1,980 W40.5×D20.5×H7.5cm¥2,640 ブリキハングφ11×H10.5cm¥605 ハンドウォッシュ¥3,080 ハンドクリーム¥2,640 霧吹き¥5,060(トゥデイズスペシャル自由が丘 TEL:03・5729・7131)
G.W.THINGS「キャンドル」
リンカーンやマリアの胸像に、実物大のイースターエッグ。ユーモラスなキャンドルは箱も素敵。「花と一緒に詰めて箱のまま渡しても。最近気になっている新しいアイテムを見つけたから、とさりげない感じで贈りたい」。リンカーンH12cm¥3,960 マリアH13cm¥4,070 エッグ(2つで)¥1,100(G.W.THINGS gwthings.thebase.in)
VOIRY「キャンプエプロン」
ハンティングベスト風ポケットやタオルを掛けるループなど、古着の要素を取り入れた“かぶり”スタイルの屋外用エプロン。「男女問わずラフに使えるデザインなので、友達夫婦に贈るのにぴったり。ポケットにメッセージカードやグローブを忍ばせてプレゼントしても」。コットン製。各¥9,350(VOIRY STORE TEL:03・6451・0883)
グローブ¥1,320(VOIRY STORE) ゆったりしたオールインワン。コーデュロイボイラースーツ¥46,200(yarmo/ザ テイストメイカーズ アンド コー TEL:03・5466・6656) その他はスタイリスト私物
さくはら・ふみこ インテリアスタイリスト。雑誌、広告やCM、ショップディスプレイなど幅広く活躍中。ユニセックスなテイストと、細部に込められたこだわり、上質でありながら心がときめくスタイリングが支持される。
※『anan』2021年10月27日号より。写真・当山礼子 スタイリスト・作原文子 取材、文・輪湖雅江
(by anan編集部)