Tempalayのいちメンバーとしてだけでなくトラックメイカーとしてその存在が注目を集めるAAAMYYY。2枚目となるソロアルバム『Annihilation』を完成させた。

器用になんでもできるって自分で自分を決めつけてた。

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「自分自身をより正直に、さらけ出すような作品になった」と語る本作は、魂に触れるような率直な歌詞とエモーショナルな歌声が際立つ。

「それまでの自分は理想に近づくことに価値を見出すスタンスだったんです。でも、パンデミックで全部が壊れて白紙になってしまった。なにが正しいんだろう、正解ってなんだろうって考えたら、これまで囚われていた既成概念をなくしてみたくなったんです。コロナ前は社会的概念の中での正解を正解とする節が自分にはあって。なんか新しいことに挑戦し続けるとか、己をキープアップするために体作りをするとか。でも、ステイホームでひとり家にいると、これまでの自分は気を張りすぎていたんじゃないか、がんばりすぎだったんじゃないかって思ったんです。器用になんでもできる、強い自分だけって決めつけないで、弱い部分やもっとこどもみたいな自分もさらけ出してもいいんじゃないかって」

トラックリストど真ん中に置かれたフックのあるタイトル「天狗」はそんな気持ちを乗せた一曲。〈自分を偽ってでも カッコつけていたかった もう馬鹿だな〉と己の傲慢さへの懺悔をダイレクトに歌う。

「荘子itくんにラップを入れてもらっています。彼のミュージシャンとして今の社会をどう生きるかという考え方とか面白いなと影響を受けていて。こういう曲は、やっぱり発表するのに勇気がいるし、向き合っていると気分が暗くもなる。そういう部分に活を入れていただくというか。不安定さをいいバランスで補っていただいたと思っています」

制作のキーになったものは、やはりステイホーム中に聴いた自分自身のルーツとなる音楽たち。

「『ブレードランナー2049』や『インターステラー』など、ハンス・ジマーが手がけたサウンドトラックは旅している気分にもなれてよく聴いていました。あとは、こどものころやっていたMSXのレトロゲームの音楽だとか、祖父母と聴いていた美空ひばりさんや八代亜紀さんの演歌も改めて聴き直して。自我がまだ芽生えてないころに聴いていたものがちゃんと自分の血肉となっていると感じられたのも、ひとつ自分を解放するきっかけになりました」

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先行配信された「AFTER LIFE」「TAKES TIME」「HOME」など全10曲を収録。Shin Sakiura、石若駿、TENDREら親交の深いミュージシャンも多数参加。『Annihilation』¥2,750(ワーナーミュージック)

エイミー 2017年よりソロとして活動。’18年6月Tempalayに正式加入。TENDRE、呂布のサポートメンバーとしても活躍。モデルや楽曲提供など幅広く活躍。9月にはソロツアーも開催予定。

※『anan』2021年8月25日号より。写真・川村恵理 スタイリスト・服部昌孝 ヘア&メイク・菅藤ひとみ 取材、文・梅原加奈

(by anan編集部)

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