ずん・飯尾、ハライチ・岩井も…業界注目の“芸人俳優バイプレイヤーズ”20名

2021.8.9
ベテランから若手まで、気になる名バイプレイヤーをプロの視点からチェック。脇役でもキラリと存在感を放つ演技派芸人たちが今、業界で熱視線を集めています!

名コント師から“おじ枠”、独自型まで揃ってます!

「演技上手はやはりコント師に揃っているように思います。人力舎の芸人さんにはシティボーイズ(大竹まこと、きたろう、斉木しげるによるコントユニット)の系譜があり、塚地武雅さんや児嶋一哉さん、そして東京03の3人はみなさんドラマで活躍。芝居がとにかく上手です」(ライター・西森路代さん)

若手でもコントができるコンビが注目を集めている。

「最近、コントを見て気になるのはかが屋ですね。2人とも上手です。リアクションのつけ方などドラマでも生きそうなリアリティがあります」(ドラマプロデューサー・岩崎愛奈さん)

「自身で脚本も手がける、シソンヌのじろうさんや空気階段の水川かたまりさんも要チェック。“おじさん”枠でいうとカンニング竹山さんの次にくるのは、同じく空気階段の鈴木もぐらさんでしょうか。あとは、独特の空気感を持っている元巨匠の岡野陽一さんの“オジ芝居”も、もっと見てみたい!」(西森さん)

南海キャンディーズの山崎静代さんはじめ、女性芸人も映画やドラマで活躍中。そこもバイプレイヤー化が進んでいる。

「女性から見ても共感を抱くキャラを演じられる方が増えていると思います。丸山礼さんは今どきの女の子を演じさせたらピカいち! ヒコロヒーさんもミステリアスな雰囲気があってどんな役もハマりそうです」(岩崎さん)

「独自系だと、かもめんたるの岩崎う大さんやハライチの岩井勇気さんを推したいところ。出演する作品もちょっとマニアックで、はずれがない。このままの感じで突き進んでほしいです」(西森さん)

芸人俳優バイプレイヤーズ名鑑

10

(画像・右上から左へ、五十音順)

飯尾和樹(ずん)
いいお・かずき 端役でも個性が光るキャラで人気。『私の家政夫ナギサさん』『着飾る恋には理由があって』などに出演。『アンナチュラル』の坂本誠役では『MIU404』にも出演。

岩井勇気(ハライチ)
いわい・ゆうき 近年、NHK制作のドラマ作品などに出演。渡辺あや脚本、松坂桃李主演の『今ここにある危機とぼくの好感度について』では若者論客風の准教授を好演。

岩崎う大(かもめんたる)
いわさき・うだい 『生きるとか死ぬとか父親とか』の芝居が話題。劇団かもめんたるを主宰。公演作が2年連続で岸田國士戯曲賞候補に選ばれるなど劇作家としても注目される。

岡野陽一
おかの・よういち 以前は巨匠というコンビを組んでいたが今はピン芸人として活動。大九明子監督・脚本の『私をくいとめて』でコロッケ屋店主を演じインパクトを残す。

岡部 大(ハナコ)
おかべ・だい トリオのボケでキングオブコント2018王者。NHK連続テレビ小説『エール』の演技で多くの視聴者の涙を誘った。『私の家政夫ナギサさん』にも出演。

かが屋
かがや 日常の一コマを題材にしたコントを得意とする。シチュエーションコメディ形式のドラマ『でっけぇ風呂場で待ってます』などに出演。本作で賀屋壮也は脚本も担当。

片桐 仁
かたぎり・じん 2000年代から俳優として活躍。『99.9‐刑事専門弁護士‐』『あなたの番です』などに出演。’05年の舞台『ダブリンの鐘つきカビ人間』では主演も務めた。

カンニング竹山
カンニングたけやま 『花子とアン』『いだてん~東京オリムピック噺~』ほか数々のドラマや映画にも出演。ドラマと劇場映画化もした『ねこタクシー』では主演も務める。

空気階段
くうきかいだん コントでも中年役が多い鈴木もぐらは『甘いお酒でうがい』など映画出演も多数。水川かたまりは『でっけぇ風呂場で待ってます』で脚本も手がける。

児嶋一哉(アンジャッシュ)
こじま・かずや 2008年の『トウキョウソナタ』出演以降、ドラマ・映画の出演が急増。硬軟問わず演じ分け、大河ドラマ『龍馬伝』『真田丸』や最近では『半沢直樹』などに出演。

今野浩喜
こんの・ひろき TVCMでの大地真央さんとの共演が印象的。2人はドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』でも共演。数多くのドラマ、映画に出演。代表作に『下町ロケット』など。

じろう(シソンヌ)
職人的なコントでの女性役から風変わりなおじさんまで演じ切る憑依型の芝居が人気。出演作に『カンナさーん!』『いだてん~東京オリムピック噺~』など。ドラマ脚本も執筆。

塚地武雅(ドランクドラゴン)
つかじ・むが 『間宮兄弟』ではキネマ旬報、ブルーリボン賞、毎日映画コンクールの3冠映画賞新人賞を受賞。テレビドラマ版『裸の大将』の山下清役などハマリ役も多数。

東京03
とうきょうぜろさん 『大豆田とわ子と三人の元夫』で一躍脚光を浴びた角田晃広だけでなく『コウノドリ』や『この恋あたためますか』など豊本明長、飯塚悟志も出演作多数。

ヒコロヒー
独特の雰囲気とヒリッとさせるネタで今、注目の女性ピン芸人。ジェーン・スー原作の『生きるとか死ぬとか父親とか』でドラマ初出演。今後の活躍が期待される一人。

福田麻貴(3時のヒロイン)
ふくだ・まき ゆめっち、かなでと共にお笑いトリオとして活動。ドラマ出演にも意欲的で『危険なビーナス』などに出演。他アイドルや劇団にコントや芝居の脚本も書く。

藤井 隆
ふじい・たかし 大河ドラマ『真田丸』、『逃げるは恥だが役に立つ』などに出演。宮本亞門、三谷幸喜、野田秀樹、宮藤官九郎などが演出を手掛ける舞台にも参加。

マキタスポーツ
ジャンルを問わない活躍で数々の作品に出演。2012年の『苦役列車』では第55回ブルーリボン賞新人賞を受賞。最近の出演作に『劇場版「きのう何食べた?」』がある。

丸山 礼
まるやま・れい ロバート・秋山竜次、土屋太鳳などのモノマネで知られる。YouTubeで披露するなりきり動画も話題。現在、『#家族募集します』に重岡大毅の後輩役で出演中。

山崎静代(南海キャンディーズ)
やまさき・しずよ 愛称は「しずちゃん」。2006年、映画『フラガール』で第30回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。『笑える恋はしたくない』など主演作も。

にしもり・みちよ ライター。香港、台湾、韓国と日本のエンタメ事情に精通。共著に『韓国映画・ドラマ──わたしたちのおしゃべりの記録2014~2020』(駒草出版)がある。

いわさき・あいな ドラマプロデューサー。2020年に手がけた『私の家政夫ナギサさん』が大ヒット。現在、重岡大毅さん主演のファミリードラマ『#家族募集します』が放送中。

※『anan』2021年8月11日‐18日合併号より。写真・土佐麻理子 取材、文・梅原加奈

(by anan編集部)