骨と骨の接合部分にあり、歯車のように連動して働く関節。
「全身のしなやかな動きに関わり、衝撃から体を守る免震機能も持っています。でも、デスクワークやスマホの使いすぎで悪い姿勢をしていると関節に余計な負荷がかかり、可動域が狭まるので、さびつくように固まってしまうのです。放っておくと痛みやしびれに悪化し、様々な体調不良の原因に」(柔道整復師・酒井慎太郎先生)
今回は関節の中でも重要な首、肩、腰に注目し、日々疲労を溜めない、関節リセット法を伝授。
・首…小さな骨(椎骨・ついこつ)が7つ積み重なり、後方に向かって緩やかなカーブを描くのが基本。椎骨の各連結部には椎間関節(ついかんかんせつ)がある。
・肩…最も動く範囲が大きい、肩甲骨と上腕をつなぐ肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)や、その付近にも小さくて重要な関節が複数あり、密接に連携している。
・腰…背骨の腰部分を構成する腰椎(ようつい)から成る関節と、骨盤中央の仙骨(せんこつ)と左右の腸骨(ちょうこつ)の境目にある仙腸関節(せんちょうかんせつ)が連携して腰の動きを支配。
関節の働き
1、骨同士を連携させて動かし、全身のスムーズな動きを可能にする。
2、体のバランスを保ち、地面からの衝撃などから体を守る免震機能。
3、筋肉を満遍なく機能させ、太りにくく疲れにくい体をサポート。
姿勢でチェック!
関節を疲弊させ、老化を進行させるのが前方重心の姿勢(右側)。頭が前方に突き出て巻き肩なのが特徴。
基本の関節リセット
関節に負担をかける前方重心の姿勢によって、硬直してしまった筋肉と関節を効率的にリフレッシュ。首、肩、腰の関節の隙間を広げる動きで、本来の首や背中のカーブを取り戻す。
オットセイストレッチ
首、肩、腰を反らして骨を初期化!
前かがみの姿勢は、腰の骨(腰椎)に前方へ体重をかける癖がつきやすい。前かがみと逆の動きをして、腰椎だけでなく、首や肩も後方へ引き戻す。
1、フローリングや畳などの硬い床の上にうつ伏せになる。両足は腰幅に開く。手のひらが首の横にくるように両手を床につけて、大きく息を吸う。
2、息を吐きながら、ゆっくり腕を伸ばして上体を起こす。おへそが床から離れるぐらいまで上がれば理想的。ただ腰が痛い人は無理せず、できるところまででOK。この状態を1分間キープ。呼吸は自然に。
ネコストレッチ
収縮させた背面の筋肉を一気に弛緩。
オットセイストレッチで背骨に沿って走る脊柱起立筋を緊張&収縮。ネコストレッチで弛緩させれば筋肉はさらに活性化し、関節の疲労も解消。
1、硬い床に正座する。両手は太ももの上、肩の力を抜き、大きく息を吸う。
2、息を吐きながら両腕を前に伸ばしていき、体をゆっくり丸めて上体を前方に倒す。この状態を1分間キープ。呼吸は自然に。オットセイストレッチ、ネコストレッチ、オットセイストレッチの順に繰り返して1セット。1日に1~3セットが目安。
さかい・しんたろう 柔道整復師、さかいクリニックグループ代表。元千葉ロッテマリーンズ公式メディカルアドバイザー。整形外科などでの経験を活かし、腰痛やスポーツ障害のための施術を得意とする。著書は100冊以上。
トップス¥7,700 レギンス¥9,900(共にスピード/ゴールドウイン カスタマーサービスセンター TEL:0120・307・560)
※『anan』2021年5月26日号より。写真・大内香織 スタイリスト・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・原田ゆか(スペースクラフト) イラスト・井上 明 取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)