1、「○○さん」と名前で呼びかけて質問する。
質問をする時は、誰に問いかけているのかを明確にするために、名前を呼ぶのは、オンラインの基本。「名前を呼ぶ行為には、呼ばれた側に特別感が生まれるというメリットがあります。加えて、その場に“参加している”という自覚を促す効果も。個人的な話をするのが苦手な人に対しては、先に自分の話をして。相手にとって共感するポイントがあれば、話を引き出しやすく、また親近感を持ってもらいやすくなります。問いつめないよう口調に注意!」
2、聞き取れなかったら「回線のせい」にして、あいまいなままにしない。
相手の声が聞き取りづらかったり、回線が途切れたりするのは、オンライン上ではよくあること。そんな時、瞬時に対応できるか否かで人間性が垣間見られる。「こんな時は相手に恥をかかせず、もう一度気持ちよく話してもらうために、ネット環境のせいにするのが得策です。『○○さん、ここまでは聞こえていたんですが、回線の状態が良くなかったので、もう一度よろしいですか?』と低姿勢でお願いしましょう」。話を遮るのは勇気がいるが、早めの対応が吉。
3、感想を後からメールして、アフターフォローを。
相手と良い関係を築きたいなら、オンライン会議終了後のコミュニケーションが重要。メールなどでアフターフォローすると、距離が一気に近づく。「仲良くなりたい人やお世話になった人に、具体的な内容に伴って感謝の言葉を伝えると、印象が格段に良くなります。またオンライン会議中も周りの人の様子をうかがい、あまり会話できなかった人や、元気がなさそうだった人などにもメールを送ると、気にかけてもらえたと思い、絆が生まれやすくなります」
4、キーフレーズを活用する。
相手との距離を縮めたいなら、意識的に信頼してもらえるキーフレーズを覚えておくとよい。「これらのフレーズは、すぐに使えて効果があるものです。日常的に使用して、自分のものにしておくと、とっさの時にも言葉を発することができます。オンラインコミュニケーションは、言葉を選択しながら、さまざまな技法を試していくことで磨かれていき、どんな場面であっても理想的な関係を築きやすくなります。可能性を広げて、自分の存在感を高めましょう」
・お任せください
「任せる・任せられる」という関係性が構築しやすくなる。
・ご安心ください
ストレスの多いオンラインだからこそ、安心という言葉が心に響く。
・期待しています
相手への期待を言葉にすれば、それに応えようと努力してくれる。
・伝わっています
伝わっているかが見えにくいので、あえて言葉にすることも大切。
・私が対応します
瞬発力に加え、自分ならできることをアピールする上でも有効。
・○○さんのおかげです
名前を呼んで感謝を伝えることで、その人の存在意義が増す。
・相談させてもらっていいですか
オンラインだと相談しにくいからこそ、ほかの人と差をつけられる。
・ご意見ください
信頼から生まれる言葉。後日、事の顛末を報告することも忘れずに。
片桐あいさん 人材育成コンサルタント、産業カウンセラー。『オンラインコミュニケーション35の魔法』『これからのテレワーク』(共に自由国民社)など、著書多数。
※『anan』2021年4月21日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)