恋愛は場数がモノをいう。足を止めず、前へ前へGO!
私、親からずっと「好きな人がいたらすぐに結婚しなさい」と言われて育ったんです。その影響で、小さな頃から人を好きになると結婚を意識。せっかちですよね(笑)。学生時代は7年間同じ人に片想いしていたんですが、想った年月が重さに変わりなかなか成仏できなくて。なので、上京後は好きでいる期限を決めることにしたんです。ズルズル行くと時間がもったいない。“今年の汚れ、今年のうちに”と同じように、毎年年末になるととりあえず告白。さっぱり終わらせて次に進んだ方が、自分のためになると思ったんですよね。
本格的に婚活を始めたのは21歳の時。出会いがないと知り合いの女性に言ったら、「それはただのサボり。5年経つごとに誘われる数は半分になるから、今すぐ婚活しろ」と言われて。当時の誘われる回数がゼロだったので、永遠にゼロじゃんって思いましたけど(笑)。それはともかく、その頃から自然に任せず、自分で出会いをつかみに行く姿勢に変わりました。合コンは恋愛願望の有無など確認事項が多いので、せっかちな私は結婚に前向きな人しか来ない婚活パーティに行くことに。
自分からガツガツ行くなんて…と思う人もいるだろうし、私も以前は運命的な出会いに憧れていました。でも婚活パーティだって人間が主催しているんだから、ある意味“知人の紹介”。それも運命だし、ストーリーにはなるなって思ったんです。この“ストーリーだと思い込む”っていう技はすごく使えて、婚活でヘコんだ時はドラマ風に「夏子は落ち込んだのであった。この後未来の夫に出会うとは知らずに…」とナレーションをつけるんです。“今は最終回前のちょっと泣かせる回なのね”と思うと、自分のドラマの来週が楽しみになって頑張れるんですよ。それと、私のケツを叩いてくれる女友達の存在もモチベーションになっていましたね。彼女らに会う時に“恋バナがない”と言いたくないがために動いていた感じでした。
結局、結婚相手に出会うまでに100回以上婚活パーティに通ったんですが、続ける中で相手に求めるものが精査されていきました。最初は背が高い人を希望していたけれど、実際にそういう人に会っても“なんか違う…”と感じたり。少しずつ理想が削ぎ落とされて、80回目くらいで“好きでいてもらうために頑張るのは疲れるから、とにかく気が合う人がいい”という結論に達したんです。というのも、デートまで漕ぎ着けても2回目に繋がらないことって多いんですよ。そういう時は「私とは合わなかったんだな、早くフってくれてありがとう」と思っていました。婚活のリミットを自分に設けていたので、常にラストスパートをかけている感覚だったんです。
そうやって1000人ほどと会い続け、ようやく出会ったのが今の夫。話した時に感覚が近く、こちらが緊張しない程度に面白くないトークがちょうどよかった(笑)。今までの恋愛遍歴を振り返ると、場数を踏みまくったことが成功のカギだった気がします。お笑いの先輩に「舞台は場数を踏めば絶対にうまくいく」と言われたことがあるんですが、恋愛も同じ。ケースバイケースの経験を積むほど、対応力がついていく。だから、目の前の相手は練習だと思うくらいがいいのかも。重く考えない、停滞しない。フットワーク軽く前へ前へと進めば、きっと道は拓けるはず!
よこさわ・なつこ 1990年生まれ、新潟県出身。2009年にピン芸人としてデビュー。テレビや劇場などで幅広く活躍し、2016年にR-1ぐらんぷりのファイナリストに選出。著書『追い込み婚のすべて』(光文社)では、21歳から始めた婚活の経験と結婚までの軌跡が赤裸々かつユーモラスに綴られている。
ブラウス¥9,500 スカート¥14,500(共にLADYMADE TEL:03・6433・5786) その他はスタイリスト私物
※『anan』2020年7月8日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・大瀧彩乃 取材、文・真島絵麻里
(by anan編集部)