フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『Tigelleria Gatari(ティジェッレリア ガタリ)』のティジェッラとニョッコフリットのランチです。
1

夜、目白駅脇の銀鈴坂を登っていくと、その中腹でひときわごきげんな黄色い外壁の店に出会う。外の明かりはオレンジで、中は真っ白な蛍光灯。6~7人も入れば満席の小さなカウンターはぎゅっと賑わい、絵になりすぎている。

『ティジェッレリア ガタリ』は今年7月にオープンしたばかりのティジェッラ専門店。エミリアロマーニャ州の郷土料理が楽しめる『トレ ガッティ』の姉妹店だ。って言われたってティジェッラって何……? 状態なのだが、カウンターのショーケースには花の焼印が施された平たいパンがずらり(かわいい)。その名がティジェッラで、半分に割った隙間にチーズやハムをぎゅっと挟んで食すのがモデナやボローニャの食文化なのだ。

なるほどねーと聞いてる間に食べ終わってしまうほど気軽なスナックで、定番のペストモデネーゼは絶品。自家製ラルドに、ニンニク・ローズマリー・セージを効かせてパルメザンチーズを加えたペーストは旨味が抜群、昼夜問わずランブルスコを渇望してしまう。もちろんティジェッラも自家製で、毎朝エミリアロマーニャ州産の有機古代小麦を使って焼き上げる。「日本でイタリア料理を掲げる以上は、現地の素材を使ってクラシックにやらないと」と、オーナーシェフの眞壁貴広さん。徹底的な現地愛が5坪サイズに濃縮された空間はあまりに旅! 本当にここ、東京のど真ん中なの?

ただの立ち飲みバールにあらず。エミリアロマーニャ愛あふれる、ティジェッラとニョッコフリットのランチ¥1,000。ドリンクには微発泡赤ワイン・ランブルスコが推し。現地で食される揚げパン・ニョッコフリットは、モルタデッラや生ハムを挟んでパクリ。

Tigelleria Gatari 東京都豊島区目白3-4-15 目白駅前ビルB1 TEL:03・6914・4554 10:30~翌2:00(日曜~24:00) 無休(不定休あり) ランチタイムは10:30~15:30

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。

※『anan』2019年9月11日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)

エンタメ-記事をもっと読む-_バナー

ストレスでブスになる…? 胃腸美人診断にトライしてみた!
[gunosy]
#男の本音 について、もっと深く知りたい![/gunosy]

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2025.5.
12
MON
  • 六曜

    赤口

  • 選日

    天恩日

我が身を振り返る、内省する意味のある日で、そこから発展して自分に近い人たちとその外にいる人たちとの関係を見つめることまで含みます。異なる視点・意見をもった相手との間で対立したり迎合したりと揺れ動く様子もイメージされますが、いずれにしても自分の考えや気持ちについてしっかりと見つめることが大切です。

Movie

ムービー

Regulars

連載

https://ananweb.jp/tags/live-report
https://www.instagram.com/anan_mag/
https://ananweb.jp/regulars/visu-1gp