文/寒川あゆみ
月経周期の「4つのサイクル」とは?
女性の体は「月経期」を中心に4つのサイクルで変化しています。その時々で高まるホルモンの影響によって肌トラブルを感じたり、体調の変化を感じやすくなるのです。
それでは、周期別に詳しく説明していきます。
月経期
卵子が受精せず、子宮内膜が剥がれて体外に排出される期間のことを一般的には月経期と呼ばれています。
女性の体には2つのホルモン「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」があり、月経が始まるとともにこのホルモンの分泌量が低下します。
そういったホルモンの影響から、
・血行不良になりやすい
・くすみ、くまが目立つ
・肌が敏感になりやすい
と感じやすくなる人が多いです。
卵胞期
月経開始とともに新たな卵子ができ、排卵日に向けてどんどん卵子が成長していく期間が卵胞期です。
このときに卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が高まると同時に、子宮内膜も少しずつ厚くなります。
こういったことから、
・新陳代謝が高まり、血行が良くなる
・肌や髪のツヤが高まり、調子が良いと感じる
傾向にあります。
排卵期
生理開始から約14日が経過した頃から、成熟した卵胞が卵子から排出されることを「排卵」と言います。
排卵が終わると、黄体ホルモンの分泌が始まるため、ホルモンバランスの影響が出やすいのもこの頃です。
そのため、
・なんとなく肌調子が不安定になりやすい
・皮脂の分泌が高まりやすい
といった症状を感じやすくなります。
黄体期
排卵期が過ぎると、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が落ち着き、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が高まります。また、子宮内膜もさらに厚くなります。
この頃には
・黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響からイライラや不安など不安定な状態になりやすい
・体温が高まりやすい
・水分を溜め込みやすくなることからむくみを感じやすい
・血行不良によって“くすみ”や“くま”が目立つ
・ニキビや吹き出物があらわれやすい
といった症状が出やすくなります。
「4つのサイクル」の特徴から取り入れたいスキンケア
「月経期」は無理をしない&体を温めてリラックスする
月経期は生理痛やPMSによって、何もしたくないと感じる人も多いでしょう。また、月経期は肌も敏感になりやすい時期なので、あれこれするよりもゆっくりと過ごすことを心がけましょう。
具体的には
・角質ケアパックや美顔器などハードなケアはしない
・最低限のスキンケア(化粧水、乳液、クリーム)で乾燥対策だけはしておく
・肌が敏感になりやすく乾燥しやすい時期なので、化粧水をなじませたあとに乳液やオイルなどを重ねて保湿重視のスキンケアを行なう
といったケアがおすすめです。
「卵胞期」は肌をリセット&美容成分をチャージしよう
月経の終わりが近づくと体調も回復し、何となく体が軽く感じることもあるでしょう。
「卵胞期」は卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が高まり、肌調子も良くなりやすいときなので、角質ケアやエステなどでしっかりとしたケアを始めるのに最適。
そのため、
・クレイパックや酵素パックでザラつきやくすみなど角質ケアをする
・炭酸パックなどで肌代謝を高めて肌コンディションを良くする
・化粧水をたっぷり浸透させ、シートマスクなどで美容成分をチャージする
・サロンケアや美顔器などでケアする
といったスキンケアをするのがおすすめです。
「排卵期」は保湿重視のケアをする
排卵が終わると黄体ホルモンの分泌が始まることから、肌の不調を感じたり、皮脂の分泌が気になりやすくなります。
そのため、この時期は次の黄体期に備えて、保湿重視のケアに切り替えましょう。
具体的には
・化粧水をたっぷり浸透させたあと、保湿美容液を塗り、上からラップ&蒸しタオルをのせて血行を促進する
・水分をたっぷりと浸透させて過剰な皮脂分泌をコントロールする
・フェイスマッサージをしてむくみ予防、こりほぐしをする
などがおすすめです。
「黄体期」はリラックス気分でむくみケア
黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が高まることでニキビや吹き出物が出たり、むくみやすいと感じ、それが気になってテンションが下がることはありませんか?
そんなときは、
・ニキビや吹き出物ができても触ったり潰したりせず、化粧水のあとに保湿系のシートマスクを取り入れて潤いを低下させないようにする
・保湿系シートマスクの上から蒸しタオルをのせて顔を温めてむくみ予防をする
・首の後ろや肩を温めて血行促進、リラックスを高める
といったケアを実践してみましょう。
いかがだったでしょうか?
このように月経周期サイクルの特徴に合わせてスキンケアの方法を変えることで、肌の調子を高めたり、肌トラブルの予防ができると思います。
毎日お肌にとってハードなケアをするのではなく、ホルモンバランスや肌の調子の波に合わせたスキンケアを取り入れるようにしてみてくださいね。
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