温かくして長めに寝て体を十分にいたわろう。
生理前から生理中にかけて、眠気はあるのによく眠れないという人も多いはず。これは生理周期によって変動する、女性ホルモンの影響によるもの。
「排卵後から生理直前の黄体期は、眠気を強くするプロゲステロンの分泌が盛んになり、体温が高めの状態が続きます。私たちの体は深部体温を下げながら眠りにつきますが、黄体期は体温が下がりにくいため、寝つきが悪くなったり途中で目が覚めたり、睡眠の質が低下しやすいのです」(快眠セラピスト・三橋美穂さん)
多少の個人差はあるが、三橋さんによると20~30代の女性に必要な睡眠時間は7~8時間ほど。さらに生理中は30分~1時間ほど長く寝るといいそう。
「普段睡眠不足の人も、なるべくいつもより長めに寝るように心がけ、睡眠の質の低下を時間で補うようにしましょう」
熟睡するためには、生理痛やモレ対策も必須。冷えて血流が滞ると痛みが悪化するので、布団の中を温め、腹巻きやカイロ、湯たんぽなどでお腹や腰を保温しよう。
「入浴もおすすめですが、生理中に湯船に浸かることに抵抗がある人は寝る前に足湯をしてみては。足先をしっかり温めることで全身の巡りがよくなって生理痛もやわらぎ、深部体温が下がりやすくなって深い眠りにつながります」
経血のモレが心配な人は、タンポンや夜用ナプキンのほか、もしもに備えて防水シーツも併用して、安心して眠れる環境づくりを。
「モレたらどうしようと不安を抱えたままだと、交感神経が優位になって睡眠が浅くなりかねません。また、ナプキンを取り換えるために途中で起きるのも睡眠の質が下がるので避けたいもの。寝る姿勢は、生理痛や経血の伝いモレが気になるときは横向きで、仰向けがいい人は大きめの枕などで背中に少し高さをつけると腰の負担が緩和され眠りやすくなるでしょう」
生理中に限らず、熟睡できているかの判断の目安になるのは、日中のパフォーマンスだという。
「日中に眠くなることなく気分よく動けていれば睡眠が十分にとれています。1週間ごとに睡眠時間を変え、日中の体調やパフォーマンスを確認して自分に最適な睡眠時間を見つける方法を試しても」
日頃忙しく睡眠不足になりがちな人は生理のときだけでも体を休める意識を持ってと、三橋さん。
「生理中はむくみやだるさなどの不調も出やすい時期だからこそ、自分をいたわり慈しむ機会にしてほしいです。瞑想やアロマなども取り入れ、リラックスして心地よく眠れるように自分なりに工夫してみてください」
Good Sleep TIP 01 寝相で快眠!
生理痛は寝相で緩和できる。抱き枕を脚にはさんでも◎。
お腹や腰が痛いときは、横向きで少し丸まって寝るとお腹の筋肉がゆるみ、腰に負担もかかりにくい。「抱き枕もおすすめです。腕と脚を預けられて脱力でき、ラクなポジションで快適に眠りやすくなります」
Good Sleep TIP 02 アイテムで快眠!
心地よく安心して眠れる環境づくりを助けるグッズを紹介。
【ニールズヤード レメディーズ】グッドナイトピローミスト
枕やシーツにひと吹きして安らぐ香りでリラックス。
ラベンダーやカモミール、ゼラニウムなど、眠りを誘うアロマを独自ブレンドしたミスト。香りの効果で心を落ち着かせ、安眠へ。45ml ¥3,300(ニールズヤード レメディーズ TEL:0120・316・999)
【まもら騎士(ナイト)】生理用オーバーシーツ
万が一、経血がモレても寝具が汚れない!
敷布団を経血汚れから守る全面防水加工のセーフティシーツ。軽量・コンパクトだから旅行先でも重宝。汚れが目立たないネイビーカラー。165×70cm ¥2,178(西川お客様相談室 TEL:0120・36・8161)
【トゥルースリーパー】セブンスピロー ウルトラフィット
背中まですっぽり支えるビッグ枕で心地よい睡眠を。
低反発素材で頭から背中までやわらかく支え、仰向けにも横向きにもフィットする設計で睡眠時の体の負担を軽減。[シングル]約W90×D68×H10cm ¥16,800(ショップジャパン TEL:0120・631・096)
【ソフィ】超熟睡(R)ショーツ オーガニックコットン 特に多い夜用 MLサイズ
ショーツとナプキンが一体化。ズレやモレの不安を解消。
ショーツ型の、はくナプキン。腰まで全面ガードで後ろモレを防ぎ、デリケートゾーンの上層はオーガニックコットンを使用。肌にやさしいはき心地。4個入り¥660(ユニ・チャーム TEL:0120・423・001)
三橋美穂さん メディアや講演で睡眠の重要性や寝具の選び方、快眠メソッドを発信し、枕などの快眠グッズのプロデュースも。著書に『眠トレ! ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)など。https://www.sleepeace.com/
※『anan』2024年2月7日号より。イラスト・二階堂ちはる 取材、文・熊坂麻美
(by anan編集部)