
悩み相談は人間関係を親密にする大きなチャンス。寄り添い、後押しするスタイルで、“替えの利かない人”に。感情コンサルタント(R)・神谷海帆さんにお話を伺いました。
Index
人間関係の育て方STEP0
まずは距離を縮めたい相手との現状を把握する。
下の5項目をチェックし、1、2、3が多い場合はSTEP1から。4、5が多いなら、すでにだいぶ距離が近いと考えられるので、後半のSTEPからでもOK! ※ここではSTEP5を紹介します。

会話の頻度
あまり話さない‐1‐2‐3‐4‐5‐よく話す
会話の長さ
あまり続かない‐1‐2‐3‐4‐5‐長く続く
話しかけやすさ
話しかけにくい‐1‐2‐3‐4‐5‐話しかけやすい
会話の内容
プライベートは話さない‐1‐2‐3‐4‐5‐プライベートを話す
会話の充実感
充実感がない‐1‐2‐3‐4‐5‐充実感がある
人間関係の育て方STEP5:【悩み相談】でさらに関係を強化!
解決策を示すより、相手が正解を見つけるサポートを。
悩み相談を受けるときに大切なのは、いいアドバイスをすることではなく、話を聞いて寄り添うこと。会話のなかで相手からネガティブな話が出てきたら、「そのとき、どう思った?」「なぜ、そう思うの?」と丁寧に聞いていくと、自然な形で相談につながりやすく、何に悩んでいるのか本質も見えてくるという。
神谷さん曰く、悩みの本質は主に、「才能、自分の本質」「過去の痛み、未来への不安」「愛」に分けられるそう。人の悩みは、特定の時間軸の感情に囚われていることもあり、その多くは未来への不安と過去の痛み。この場合は、真逆の要素を示すのがポイントだという。
「たとえば、過去の痛みが原因で悩んでいる人には、『この先どうなったらワクワクする?』と、未来への希望に目を向けられるような声かけをしましょう。才能や本質に悩んでいる人は、欠けている部分ばかり見ていることが多いので、『こんないいところもあるよね』と、長所に目が向く声かけを。愛に関連する悩みなら、『その人が本当に大切なんだね』くらいのリアクションでもOKです」
悩みに具体的な意見を言うときは、「間違っていたらごめんね」と前置きしたり、「こう言われたら、どう思う?」と第三者の意見として伝えると◎。
「言ったことが見当違いだと相手の心が離れてしまいやすいので、言い方を工夫しましょう。ズバリの正解を示さなくていいのです。相手が自分で答えを見つけるサポートをすることで、相手にとって必要不可欠な存在になれるはずです!」
悩みの本質となる3つの正体
1、才能、自分の本質
自分が大切にする価値観や正義が影響して、誰かとぶつかって関係がこじれたり、自分の性格や才能、現在の状況に悩んでいるケース。「こうでなければ」という無意識の思い込みが根本にある場合も。
2、過去の痛み、未来への不安
過去の痛みに囚われている場合は、その原因について分析し、未来へのリスク回避も頭に入れながら「今どうするべきか」を共に考える。未来への不安は、過去の成功を思い出させる声かけが効果的。
3、愛
愛されたいという願望や、相手が大切な存在だからこその葛藤や衝突など、根本に「愛」があるゆえに生じる悩み。「その気持ち、わかるよ」や「その人が大切なんだね」と寄り添うのがポイント。
悩み相談で使えるキラーフレーズ
CASE1:相談につなげたいとき…
・そのときどう思った?
・なぜそう思う?
CASE2:過去や未来の感情に囚われているとき…
・どうなるのが理想?
・これまでにうまくいったことはなかった?
CASE3:自分の意見を言うとき…
・間違っていたらごめんね
・こう言われたら、どう思う?
Profile
お話を伺った方・神谷海帆さん
かみや・みほ ネガティブな感情をポジティブに変換する感情コンサルタント(R)。著書に『感情のメッセージに気づくと、人間関係はうまくいく』(三笠書房)、『100%仕事で折れない 感情マネジメント』(Clover出版)がある。
anan 2447号(2025年5月21日発売)より