ビジネスでの距離感と新常識。ここではビジネスコミュニケーションのひとつ、“対面・オンライン”でのやり取りに注目します。

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    【対面・オンラインでのアドバイス】相手の時間を無駄にしないよう、話す内容や声かけに配慮が必要。

    対面やオンラインのやり取りで、心がけておきたいことは?

    「まずは身だしなみです。見た目は自分が思っている以上に、さまざまな情報を相手に与えます。とくに社外の人と会う時には、個性よりも立場や役割、場所をわきまえた服装で、相手に安心感を持ってもらえるように意識してください」(コミュニケーションコンサルタント・宮本ゆみ子さん)

    また、対面は今や希少であり、相手に時間を割いてもらう行為だということも忘れずに。

    「会って話しているうちになんとかなるだろうと思わないで、伝えるべきことは事前にまとめておきましょう。話すことに自信のない人は、メモに書いて確認しながら話すのもおすすめです。相手が社内の人であれば、闇雲に話しかけず、声をかけるタイミングを見計らうことも必要です」(宮本さん)

    こんな時どうする?

    【ケース1】初めての打ち合わせはオンラインでもよい?

    対面と合わせ技での提案も一手。
    取引先など外部の人と初対面での打ち合わせ。オンラインだと簡易的な印象を与えないだろうか。「相手によると思いますが、物理的に会える距離の人なら、対面かオンラインかを提案して選んでもらうのも一案です。相手が決定権のある立場の人の場合、多忙につきオンラインのほうが好まれることも」(宮本さん)

    【ケース2】初対面のクライアントに雑談などを交えてもOK?

    臨機応変な雑談で場を和らげて。
    「対面ならむしろ必要だと思います。オンラインだとタイムパフォーマンスが気になりますが、直接顔を合わせると何気ない会話が生まれやすい。初対面の緊張を解くためにも大切です。珍しい名前の方ならルーツを聞くなど、その場に合わせた話題で。ただ人の好みに影響する話題は避けましょう」(宮本さん)

    【ケース3】相手に相談や確認がある時、どう話しかけるのが正解?

    名前を呼んで反応で判断する。
    忙しそうな上司には、話しかけるのが憚られるが…。「会社によってはチャットツールなどで事前に確認しますが、基本的には上司のところに行って『○○さん』と声をかけてみましょう。その後の相手の反応次第で、話を今続けていいのか、後にするべきなのかを判断するのがいいと思います」(宮本さん)

    【ケース4】書面の確認がある時、データで送付、印刷して手渡し、どちらがいい?

    ローカルルールに合わせること。
    「どちらもありです。ペーパーレス化が進んでいる企業や、Word、PDFのコメント機能を使いたいという相手なら、データがいいでしょう。判断しかねる場合は、私ならまずは印刷して手渡し、『データで』と言われたらそうします。早い段階で会社や相手のローカルルールを把握するのが賢明です」(宮本さん)

    【ケース5】相手からある程度の時間をもらいたい時、どのようにお願いするべき?

    簡潔に用件を伝えることも大事。
    これも相手の都合を聞くことが第一。「直接話しかけていいのか、テキストで都合を聞くべきなのかは会社のローカルルールによりますが、用件を簡潔に伝えたうえで『後で○分ほどお時間をいただけますか?』とお願いしてみましょう。それにより相応の時間をつくってもらえるはずです」(宮本さん)

    【ケース6】つかまりにくい相手と話したい時、いつ声をかければいい?

    席に戻ってきた時につかまえて。
    「いったん席を外して戻ってきた時がおすすめ。その後はしばらく自席にいるはずなので、声をかけるには悪くないタイミングです」(宮本さん)。あまり席を外さない業務の人の場合は? 「自席にいるなら、様子を見ながらいつでもいいと思いますが、電話中など明らかに取り込んでいる最中は避けましょう」

    【ケース7】声をかけたら「後にして」と言われた。相手が話しかけてくるまで待つべき?

    自分から話しかけてOK。
    「用事があることはアピールできているので、後で声がかかるはず。しばらく待ってもなかったら、また自分から声をかけていいと思います」(宮本さん)。重要な案件なら「何分後でしょうか?」と待ち時間を聞いてもいい? 「その案件がどれだけ重要かは、相手が判断すること。聞かないほうがいいでしょう」

    【ケース8】急に「今いい?」と話しかけられた。正しい対応は?

    何の用件か聞いてみること。
    忙しい時にこう聞かれると、困るもの。「ただ、多くの場合、仕事の手をいったん止めるぐらいのことはできると思うので、『どうされましたか?』と聞いてみて。頼まれごとならその場で即決せず、納期や内容など概要を確認すること。話が長くなりそうなら、後にしてもらうようお願いしましょう」(宮本さん)

    Profile

    宮本ゆみ子さん

    コミュニケーションコンサルタント。元FM石川アナウンサー。企業や大学・専門学校などでマナーの講師を務める。著書に『最新ビジネスマナーと今さら聞けない仕事の超基本』(朝日新聞出版)など多数。

    イラスト・いいあい 取材、文・保手濱奈美

    anan2447号(2025年5月21日発売)より
    Check!

    No.2447掲載

    人間関係の距離感。

    2025年05月21日発売

    私たちにとって永遠のテーマである人間関係、そして距離感。その最適解を探る特集です。みんなが日頃心掛けていることや起こりがちなトラブルをピックアップし、近づく、遠ざける、職場でスムーズな関係をキープする、といった方策を距離感ごとに探ります。解散コンサートを控えたユニット・Chi☆Qの時代を駆け抜ける煌びやかな特写のほか、BE:FIRSTのSHUNTOさん、timeleszの猪俣周杜さんのCLOSE UPを掲載。

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    内側からこみ上げる情熱の扱い方がテーマの日です。その有り余るほどのエネルギーは日常生活の中ではうまく使えないかもしれません。むしろ非日常的な場や、普段の仕事とは別の趣味世界を通じて発揮されやすいタイプのものです。知的なこと、芸術的なことなど人それぞれ表現は違っても、何か熱意を投じる先があるとよいです。

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