INDEX
潜入レポートと会場の全容チェック!
3月某日、万博会場の内部の様子を見られる機会に恵まれ、大阪・夢洲に降り立った。今年1月に開業したばかりの夢洲駅は、折り紙を折ったようなデザインの「折り紙天井」が続き、日本の伝統文化を表現しつつ、どこか近未来感を感じる造りが印象的。
万博は世界が一つの場に集まる貴重な機会で、日本で開かれるのは2005年の「愛・地球博」以来、20年ぶり。さらに「大阪万博(EXPO’70)」から実に55年ぶりに大阪で開催されることになる。早速、中に入ってみると、まだまだ建設ラッシュで、多くの作業員が急ピッチで準備を進めており、まだ完成には至っていないものの、現段階でもはっきりとわかる名建築の数々に圧倒される。民間パビリオンなどを眺めながら進むと、目の前には「大屋根リング」が! その下をくぐり抜けると、「万博の華」ともいえる海外パビリオンがひしめく。このエリアは、参加国・地域が自前で建設するため、それぞれの文化や伝統が建物自体にも存分に表現され、外観を眺めているだけでも世界旅行をしているかのような気分に。その近くには万博のオアシス「静けさの森」が広がり、休憩にぴったり。
次に訪れたのが、取材当日に内部が初公開された「未来の都市」。ここは“幸せの都市へ”をテーマに、10年後の2035年を舞台に、その先の未来をシミュレーション体験できる。全長150mの建物は、本万博でも指折りの大きさを誇り、たしかに圧巻のスケール。博覧会協会と12者の企業・団体が共創した15の体験プログラムがあり、未来の暮らしに気軽に触れることができる。仮想空間と現実空間を高度に融合した未来社会を想像させる展示の数々に胸が躍る!
最後に大屋根リングの屋上から海と空に囲まれた会場全体を眺めてみた。世界中のトップクリエイターが手掛けた個性豊かなパビリオンが立ち並び、そこには驚きの最先端テクノロジーが詰め込まれている。さらに世界中の人々が集まり、多様な価値観と触れ合い異文化交流できるだけでなく、世界各国のグルメや土産品も勢揃いするので、想像しただけでワクワクが止まらない! 会期中は22時までオープンしているし、フードコートもあり、アルコールもOKなのでレジャー施設のように気軽に楽しめるのも魅力的。性別を意識せずに使える「オールジェンダートイレ」が設置されたり、「大阪ヘルスケアパビリオン」にはドラッグストアもあり、利用のしやすさもしっかり配慮されている。会期後半が混雑するといわれているため、ゆっくり巡るなら早めに計画して、未知との遭遇を体感して。

※このイラストはイメージです。実際の会場とは配置・建物形状が異なる場合があります。
REPORT 1:約1500本の樹木がそよぐ、会場中央の「静けさの森」。

大屋根リングの中心に鎮座。直径20mの池を囲む約1500本の樹木は、吹田市の万博記念公園などから運ばれたもの。森の中央に行くと周辺の建物が見えなくなり、会場にいることを忘れるほど静かで落ち着く。
REPORT 2:万博会場を一望できる、大屋根リングの屋上。

屋上への入り口は、会場内に数か所あり、上っていくと2層構造のデッキになっていてスロープで移動できる。会場内はもちろん、大阪の街並みや瀬戸内海を見渡せ、夕日を浴びた光景や夜景も一見の価値あり!
REPORT 3:次世代技術を体感できる未来の都市パビリオン。

次世代技術を感じられる映像や展示が満載で、未来社会の実現場を最も体現した場所。最初に高さ約5m、長さ約92mの巨大なスクリーンに、過去から未来に繋がる壮大な物語が映し出され、圧倒的な没入感!
REPORT 4:「北欧館」ではARで北欧の魅力を体験。

17mの高さを誇る木造建築が圧巻。“ノルディック・サークル”をテーマに、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンが協力し、ARなどを活用し、北欧の自然や生活、未来技術を体感。
1、住友館

森の中で“いのちの物語”に出合う様々な体験が。
愛媛・別子銅山の住友の森で植林された約1000本の木で造られた外観が目を引く。中では、ランタンを持ってまだ見ぬ森を巡るインタラクティブ体験が楽しめる。光や音などの幻想的な演出とともに自然と触れ合うことができ、ユニークな仕掛けが満載。
2、EXPO ホール「シャインハット」

1970年大阪万博の「太陽の塔」を連想させるメインホール。
開会式の舞台。直径約18mの円形ステージを囲むように約1900席が配置される。黄金に輝く大屋根と、荒々しい表情の壁面が大地から立ち上がる力強い外観が印象的で、その壁面を利用して、会期中は毎夜プロジェクションマッピングが上映される。提供:2025年日本国際博覧会協会
3、オーストリアパビリオン

音楽と調和。楽譜をモチーフにしたらせん状のオブジェ。
クラシック音楽で有名なウィーンがあるオーストリアらしいパビリオン。「未来を作曲」と題して、万博のテーマ“いのち輝く未来社会のデザイン”を音楽で表現する。内部では、国の多様性と創造性を体験でき、オーストリアの伝統菓子も楽しめる。Ⓒ Expo Austria/BWM Designers & Architects
4、シグネチャーパビリオンEARTH MART

地球の食の未来のために、日本発の食文化がぎっしり。
放送作家の小山薫堂氏がプロデュースするのは、食といのちの循環に触れ、未来へのヒントと出合う空想のスーパーマーケット。料理を通して未来へ向かう新しい価値を提案できる気鋭の料理人5名を起用し、25皿のコンセプト料理を展示する。ⒸEARTH MART / EXPO2025
5、ガスパビリオンおばけワンダーランド

「化ける」体験で、おばけの世界に飛び込む!
“化けろ、未来!”をコンセプトに、カーボンニュートラル社会の実現に向けて未来の新たなエネルギーを紹介。おばけに変身できるXRゴーグルを装着し、おばけの世界に浮かぶお菓子などのプレゼントをゲットするというユニークなプログラムも。提供:一般社団法人日本ガス協会
6、飯田グループ×大阪公立大学共同出展館

伝統と進化を融合させ、新しい暮らしのあり方を提案。
最新技術を駆使し、西陣織を纏わせた建築物の中で「誰もがあたり前に、健康に長く、安全・快適に暮らせる未来社会」を描く。展示の目玉は、巨大ジオラマで表現した未来都市「ウエルネススマートシティ」。家や街を通して未来の生活を想像する。提供:飯田グループホールディングス株式会社
7、GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION

新たな未来の可能性を全身で感じる没入体験型パビリオン。
高さ約17mの実物大ガンダム像が登場! 内部には、最大で奥行き18m、高さ8m超の映像が広がり、床面には全身に繊細かつ臨場感溢れる感触を届ける「Haptic Floor」を設置。“新たな宇宙世紀”“モビルスーツと共存する未来”を全身で感じられる。Ⓒ創通・サンライズ
8、EXPO アリーナ「Matsuri」

大阪湾一帯が見渡せる、気持ちの良い野外ステージ。
3面の大型スクリーンを擁し、最大約1万6000人を収容できるステージ。アーティストのライブや広場を活用した展示イベントなどが随時開かれる。温度上昇抑制効果のある人工芝が全面に敷かれており、休憩スポットとしても利用できる。提供:2025年日本国際博覧会協会
anan 2441号(2025年4月2日発売)より