チャット 編
質よりスピード重視で、迅速な対応を。
基本原則1. 口頭でのコミュニケーションに近い感じでOK。
直接会って話しているような、距離を感じさせないコミュニケーションを手っ取り早くとれるのがチャットの最大の魅力。「かしこまらずに、話し言葉に近い感じで気軽なやりとりがスマート。メールとは違い、『これって合ってますか?』など、確認事項や分からないことも砕けた言い回しでどんどん質問して、効率アップを狙って」(ライフスタイリスト・北條久美子さん)
基本原則2. スタンプをうまく使って超絶時短返信を。
会社によって決まりごとがあるかもしれないが、基本的に返信にスタンプを活用しても問題なし。「『承知しました』『OK』など便利にリアクションできるので、テキストの代わりに利用すれば時短になります。ただし社内であっても、率先してスタンプを使うのは失礼にあたる場合もあるので、上司や先輩のやり方にならうのが妥当」
基本原則3. チャットのツールをフル活用!
ツールによって機能は異なるが、既読機能をはじめ、PCの前にいることが分かったり、休憩中・休暇などが表示できたりするので、有効に活用して。「相手の状況を見ながら円滑なコミュニケーションが図れるようになるので、積極的に使いましょう。ただし有給や病欠の場合は、チャットで共有する前に事前に伝えていることが前提です」
マナーの迷いにアンサー! Q&A
Q. メールとチャットの上手な使い分け方は?
A. 会社によってまちまちですが、社内の同じ部署やチームに所属している身近な人と日常的な業務連絡をする際や、社外の人も含め多人数でひとつのプロジェクトを回していく場合は、やりとりが多くなるためチャットが便利です。一方で、契約書や見積書などの公的書類や、会話の中で埋もれさせたくない重要なメッセージは、チャットだと見落とされたり、後々探すのが面倒になることもあるため、メールに添付がベスト。
Q. 早朝や深夜など業務時間外に、相談するのはあり?
A. 業務時間外に送るのは問題ありませんが、あくまでプライベートな時間なので見るか見ないかは相手に委ねて、返信は求めないこと。翌日になると伝え忘れてしまいそうなちょっとした用件も、備忘録用としてチャットに送っておくのはあり。その場合も「遅い時間にすみません!」「返事は急ぎません」など、最後に相手を気遣う一言を入れるようにしましょう。どうしようもない緊急事態は電話がベター。
Q. 上司とのチャットがなかなか進まずイライラします…。
A. 慣れていないと新しいツールをうまく使いこなせないこともあるので、無理にチャットでやりとりをしようとせず、ベストなツールを探して、メールに変更するなど、相手に配慮することも大切です。関係が良好で、もし求められるなら、勉強の機会を与えてもらったと思って、チャットの使い方を上司に丁寧にレクチャーするのもあり。そうすればお互いのステップアップにも繋がり、さらにWin‐Winな関係が築けるようになるのでは?
Q. 隣にいる上司が忙しそう! チャットで連絡してもいい?
A. チャットネイティブ世代は、隣にいる相手にチャットで相談することに抵抗はないかもしれませんが、上司の中には隣にいるんだから直接相談してほしいと思う人もいます。ただ、相手が忙しそうにしていて、聞いたことを覚えていなかったり、言った・言わないになるのを避けるためにチャットを使うのはありです。その際は、「○○さんチャットしました! お手すきの際に見ていただけますか?」と一言声掛けを。しかし言いにくいことや報告漏れなどをチャットで済ますのは避けるべき。そういうことは口頭で伝えるのが社会人のたしなみです。
北條久美子さん ライフスタイリスト。エイベックスグループホールディングスの人事部を経て、キャリアカウンセラーを取得し独立。年間約2500人にセミナーを行う。新著に『ビジネスマナーの解剖図鑑 第2版』(エクスナレッジ)。
※『anan』2024年4月24日号より。マンガ・日向山葵 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)