最近話題の、婚姻届を出さない結婚の形、事実婚。アンケートでも、「アリだと思う」「どちらかというとアリだと思う」と答えた人が過半数に。漫画家の水谷さるころさんは、以前、法律婚をしたものの離婚、その反省を活かして現在のパートナーである映像ディレクターの野田真外さんと事実婚をし、現在4歳の長男がいる。
「最初の結婚と離婚のときに、一生続くとは限らないのに、名字を変えるのはリスキーだということを思い知ったんです。特に私はフリーランスなので、名義を変えることのデメリットがとても多かったというのもあります。今回、事実婚にしたのは、お互い譲れない条件を出し合った結果、これなら事実婚でよくない? ということになったから。子どもも生まれましたが、いまのところ不便に感じることはありません」
結婚に関するアンケートで「ナシだと思う」という人の理由に多かった「事実婚のメリットとデメリットがイマイチわからない」という意見を踏まえ、実際に事実婚をしている水谷さんと野田さんだからこそわかる、本当のところを聞いてみた。これから結婚を考えるときの、選択肢の一つになるかも?
なぜ事実婚を選んだの?
最初の結婚をする前は、とにかく結婚をしたくて仕方なかったという水谷さん。
「ずっと憧れていた結婚だったのに、実際にしてみたら、フリーランスで共働きの私には、デメリットが多かったんです。まず、銀行口座やクレジットカードの名義変更がとにかく大変。しかも、離婚したらしたで、また同じ手間がかかりました」
法律婚のメリットとしては、税金の配偶者控除などがあるけれど、給与所得が年間103万円以内でないと扶養控除は受けられない。また、年間130万円以上所得があると、社会保険被扶養者から外れる。
「私は年間130万円以上収入があるので、自分で税金を払い、社会保険に入らなくてはいけないんです。すると、法律婚というシステムを使う必要は特にない。自分のライフスタイルには事実婚のほうが合っていると思ったんです」(水谷さん)
また、水谷さんたちの場合、再婚同士だったことも大きい。
「結婚と離婚の大変さを知っているうえ、親の説得も初婚ほど難しくない、というのもあると思います」(野田さん)
事実婚も届け出などが必要?
「事実婚」というのは、「法律婚をしていないけれど夫婦である」という、広い範囲の状態を指す言葉。同居していて住民票が一緒の夫婦もいれば、世帯主を決めたくないという理由で住民票を別にしている夫婦、通い婚という形をとっている人も。
「私たちの場合は、住民票を一緒にして同居しています。住民票を同じにすると、住んでいる自治体からは家族として扱われ、事実上法律婚しているのと変わらない生活になります」(水谷さん)
住民票を一緒にすることは、別の人と法律婚をしていない人なら誰でもできる。住民票では、野田さんは「世帯主」、水谷さんは「妻(未届)」という記載になっているそう。健康保険証に世帯主としてパートナーの名前が入り、入院などのときにも家族としての証明がしやすい。
「住民票の届け出は、役所のほか出張所でもできますが、役所のほうがおすすめ。公の書類に『妻(未届)』と書いてあるのを見たときは、やっぱり心強く感じましたね」(水谷さん)
野田真外さん 映像ディレクター。グラナーテ代表。監督をつとめたDVD『東京静脈』『東京静脈R 』『大阪静脈』『名古屋静脈』(すべてグラナーテ)などが発売中。
水谷さるころさん 漫画家。著書に『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)、『目指せ!夫婦ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)など。
※『anan』2018年9月5日号より。写真・土佐麻理子 取材、文・古屋美枝
(by anan編集部)
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