×上手ですね→○さすがですね
物事の良し悪しを評価するのは、上から目線の行為なので「上手」という言葉は相手の能力を評価することになって失礼。「前々からの評判や期待通り、やはり素晴らしかった」という意味を持つ「さすがですね」を使うのが妥当。
×若いですね→○若々しいですよね
見た目に対してなのか、態度なのかで微妙に解釈が異なるが、「若い」だけだと「ミーハー」「若作り」と取られる可能性も。若々しいと言葉を重ねることで、みずみずしい、溌剌とした、というイメージ全般を肯定的に表現した言葉になる。
×気が利きますね→○全く、至れり尽くせりの気配りに感謝します
「気が利く」は、人の気持ちを察して行動できる人を褒める言葉だけれど、目上の人に使うのは間違い。目上の人が自分に対してやってくれる行為は「気配り」や「お心遣い」。行為を評価するのではなく、感謝の気持ちを伝えて。
×感心しました→○感銘を受けました
「感心」には、心が動かされたという意味だけでなく、相手を素晴らしいと「評価」するニュアンスが含まれているので、親から子、目上から目下にかける言葉。深く感動し、忘れないことを意味する「感銘を受けました」が正解。
×ちゃんとしてますね→○いつも完璧ですね
「ちゃんと」という言葉はとてもカジュアル。せめて「きちんとしてますね」なら許されるかも。ただ、ちゃんとしているのは社会人としては当たり前のことなので、褒め言葉を進化させて「いつも完璧ですね」と伝えるのがベター。
人を持ち上げたいときに一番気をつけたいのが、上から目線で相手を評価しているような表現。
「褒め言葉のつもりが、見下した表現になっていたり、ネガティブなイメージに捉えられることがあります。また言葉が過剰だったり、同じ言葉を頻発するとおべんちゃらに聞こえ、場が白けてしまうので避けたいパターンです」
心がこもっていないと思われたら、せっかくの言葉が台無し。
「褒め言葉のバリエーションを豊富にするだけでなく、発する際の声のトーン、表情なども大切に」
また、ソツがない、したたかなど、今では人物の悪い評価に使われることが多くなった言葉もある。
「そこが言葉の面白いところ。語彙も時代によって解釈が変わることがあるので、日頃から言葉には敏感になって、“今”の語彙力を身につけていきましょう」
吉田裕子さん 国語講師。古典、近代文学、歌舞伎に精通。古典などを塾で教えている。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など。
※『anan』2018年4月18日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・板倉ミキコ
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