映えクリーム
シンプルで馴染みのある素材でおいしさを追求。
背徳感すら感じさせる、たっぷりの生クリームや、泡のようにふわふわなメレンゲを使った繊細なスイーツが今年はトレンド入り。特に「マリトッツォ」は、日本スイーツ界に彗星の如く現れ、一大ブームに。その理由をスイーツコーディネーターの下井美奈子さんが考察。
「何といっても丸くてコロコロとしたルックスの愛らしさが大ヒットした要因でしょう。ローマ発祥の洋菓子ですが、ブリオッシュ生地のパンに生クリームを挟んだだけという、シンプルな構成で比較的作りやすいため、レシピが一気に流通。素材の安心感も相まって、幅広い層に受け入れられたように感じます」(下井さん)
マリトッツォに続き、デコレーションが簡単なのに、映える見た目を演出できる各国の伝統菓子がじわじわと話題に。
「メルベイユは北フランスとベルギーのフランドル地方で生まれたメレンゲ菓子。カンノーリは、筒状のサクサク生地の中にリコッタチーズのクリームをたっぷり詰めたイタリアのシチリア発祥のお菓子。どちらも上質な素材の味わいが際立ち、来年以降も注目を集めると思います」
1、フランスの人気店がアジア初進出。現地のレシピを再現したメルベイユ 各¥320は、メレンゲ生地をホイップクリームで覆い、細かいチョコレート片をまぶしたスイーツ。(オー・メルベイユ・ドゥ・フレッド TEL:03・5579・8353)
2、マリトッツォ モンテビアンコ 1個¥756~(季節限定)は、濃厚なマロンペーストとパリパリ食感の「カダイフ」をトッピング。いがぐりをイメージした見た目のインパクトにもそそられる、秋らしい一品。(マンダリン オリエンタル 東京 TEL:0120・806・823)
3、カンノーリ 1個¥800。イタリアで7年間お菓子作りを学んだパティシエの代表作。イタリア産リコッタチーズを使ったクリームはコクがありながらもほのかな酸味が。(リートゥス TEL:03・6275・2797)
しもい・みなこ スイーツコーディネーター。メディアでスイーツ情報を紹介するほか、商品開発など、幅広く活躍する。鎌倉下井お菓子教室スタッフ。All Aboutスイーツガイド。
※『anan』2021年11月17日号より。写真・山口 明 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・鈴木恵美 撮影協力・UTUWA AWABEES
(by anan編集部)