チョコレートとパン
個性のベクトルを揃えると極上のマリアージュに。
作家だけでなく、フレンチの料理人としての肩書も持つ樋口直哉さん。「ペアリングのポイントは、香りの成分や温度など、それぞれが持つベクトルを何かひとつ揃えるようにすること。熱を加えて香りや味わいを際立たせるようにしたり、つなぎになる食材を加えたり、少しの手間で食べ合わせをよくすることができます」。
もともとチョコレートもパンも好きで、今回紹介したペアリングは、日常的にやっているものも多いのだそう。「このほかミルクチョコをお湯だけで溶いたホットチョコレートに、トーストを浸して食べるのがお気に入りです」
〈東京フード〉「クーベルチュール オーレ」と食パントースト
余熱で溶けたチョコが食パンによく絡む。
マイルドなおいしさ同士を掛け合わせるミルクチョコレートと食パンの組み合わせ。チョコスプレッドのような感覚で楽しめる。「焼きたてのトーストに細かく刻んだチョコをのせ、余熱で溶かします。仕上げにEXバージンオリーブオイルをかけると、バターのような感覚でパンとチョコのつなぎ役に。チョコの香り成分にオリーブオイルのグリーンな風味がよく合います」。お好みで塩を振って。
製菓用としてもファンが多い業務用メーカーの板チョコ。素材にこだわり、日本人の口に合うおいしさに仕上げた。「ミルクリッチで、どこかやさしくほっとするおいしさ。リーズナブルなのもうれしいです」(市川さん)。400g ¥1,000(税込み)www.tokyo-food.com/couverture/
〈明治〉「THE Chocolate コンフォートビター」とバゲット
塩を加えることでチョコの甘みが増幅。
フランスでは定番の、バゲットに板チョコを挟むスタイル。樋口さんは、食べやすさを考えオープンサンド風に。「皮に香ばしさがあるバゲットに、余韻の長いビターチョコレートを組み合わせました。噛むごとにおいしさを楽しめます。塩を数粒のせると、チョコの苦味を抑えて甘味を引き出してくれる効果が」。使用する塩は、粒のほどよい粗さと甘味があるフルール・ド・セルがおすすめだとか。
しっかり焙煎したベネズエラ産カカオを活かし、力強いコクと深みを表現。「ナッティなカカオの風味が魅力。この価格とは思えぬ本格的な味わいに企業努力を感じます」(市川さん)。¥220~ 明治お客様相談センター TEL:0120・041・082 www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/
[gunosy]
→VWやスポーツも バレンタインは個性派チョコで差をつける!もチェック!![/gunosy]
〈ベルアメール〉「ラブピッグ」とメロンパン
イチゴの風味を生かしたスイーツ感覚のペアリング。
かわいいブタのチョコレートは、ストロベリーの風味が際立つ食べ方で。「メロンパンを上下半分に切り、チョコレートをのせたら600Wのレンジで20秒加熱。少し溶かすことでストロベリーチョコレートの香りが立ち、ホットスイーツ感覚で楽しめます」。メロンパンを合わせた理由は、クッキー生地の甘い香ばしさ。ブリオッシュで食べるのもおすすめだそう。ナイフとフォークで召し上がれ。
ミルクチョコの上にストロベリーチョコをトッピング。「ラッキーモチーフのブタがハッピーな気分に」(市川さん)。¥260 紀尾井町店/東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー1F TEL:03・6256・9907 10:00~20:00 不定休 www.belamer.jp/
市川歩美さん ショコラコーディネーター 最新のチョコレート事情に精通し、メディアを通じて旬な情報を発信。チョコレート関連イベントの出演や商品企画、コンサルティングなど幅広く活動。www.chocolatlovers.net
樋口直哉さん 作家・料理家 料理学校を卒業後、2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。料理の知識を活かした著作も多く、近著は『新しい料理の教科書』(小社刊)。
※『anan』2020年1月22日号より。写真・津留崎徹花 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・宮尾仁美 撮影協力・AWABEES UTUWA
(by anan編集部)