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撮影の合間は雑談ばかり
── みなさん初共演だったそうですが、それまでのお互いの印象や共演された感想はいかがでしたか?
萩原利久さん(以下、萩原) どうしてもこれまでの役のイメージが先行してしまって、きっとギャグとか通用しないんだろうなぁ…って勝手に思っていました(笑)。でも、実際にお会いしてみると2人とも全然そんなことなくて、撮影の合間は雑談ばかり。僕はいつも中身のないくだらない話をずっとしてしまうのですが、そういう話もたくさん聞いてくれて、いい意味ですごく裏切られたことを覚えています。
河合優実さん(以下、河合) 萩原さん演じる小西とは、劇中で出会う役だったので、初対面で現場に入れたことでフラットな距離感をシーンに生かせてよかったと思っています。萩原さんはいつも小西のことだけを考えているように見え、とても誠実に役と向き合われていてとてもやりやすかったです。

©︎2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会
── 雑談の合間にも役者としての頼もしい姿が垣間見えていたのですね。
河合 蒼ちゃんも以前から活躍を見ていて、いつかご一緒したいと思っていたので同じ作品に関われたことがすごく嬉しかったです。ただ、ほとんど現場ではお会いできなくて、それだけが心残りでした。
伊東蒼さん(以下、伊東) 優実さんとは衣装合わせの時と撮影時に数回お会いした程度でしたが、合間時間に私が編み物していたら、「私もするんだよね」って声をかけてくださったのを覚えています。お芝居もそうですし、もっと一緒にお話してみたかったです。
── 編み物という共通点があったんですね。萩原さんとはいかがでしたか?
伊東 撮影していた頃、萩原さんはダチョウが大好きで、ずっと現場でその話をしているというニュースを見たので、ダチョウの話が聞けるのかなと楽しみにしていたのですが、この現場では“0ダチョウ”で、それがとても残念でした。
萩原 そうだったの!? ほかの現場でダチョウネタを出し切っちゃったのかもしれないです(笑)。
河合 私は聞きましたよ!(笑)
伊東 本当ですか! 羨ましいです。
河合 何ダチョウくらいだろうな。でも、その日は本当にダチョウの話しかしていなくて、想像を超える熱量ですごかったです。
萩原 すみません(笑)。でも、ダチョウトークを人から求められたのは初めてなので驚きましたね。

萩原利久さん
── 草の根運動が功を奏したんですね。
萩原 これからも自信を持って語り続けようと思います。
── この映画のキャラクターたちはそれぞれ猛烈なフェチを持っていますが、皆さんにもそういった意外な一面やフェチはありますか?
河合 萩原さんはやっぱりダチョウじゃない?
萩原 (笑)。僕は本来、大きい動物が好きなんです。ダチョウというのはまさに鳥類で一番大きいので。そういった大きい動物を見ると心躍る感覚がありますね。
── 劇中で大型犬のサクラと戯れるシーンなどは、割と素に近い感じですか?
萩原 素に近かったと思います。ワンちゃんの場合も子犬より大きいワンちゃんの方が僕はすごい好きなので。
河合 私はブームがあってもなかなか続かないんですよね。でも、本作をきっかけにあらためて気づいたのは、ジャルジャルさんのコントがすごい好きだということ。YouTubeも結構見ています。
── 特に好きなネタはありますか?
河合 たくさんあるんですけど、この作品で思い出したのは、大学を舞台にしたコントのひとつで『芯からおもんない奴』というネタ。面白くっておすすめです。
伊東 私はジャルジャルさんのネタのなかでは、『涙腺コルク』が大好きです。高校生の時に無性に笑ってはいけないゲームをしたくなって、笑える動画を友達に聞いたのがきっかけ。見事に失敗して爆笑したのを覚えています。

伊東蒼さん
史上最長の長台詞も
── 今回、皆さんそれぞれ見せ場となるような長台詞がありました。台詞にまつわる思い出はありますか?
萩原 撮影の順番的に2人の長台詞のシーンがあってから、最後に僕の番だったので、2人の演技からかなり刺激やエネルギーをもらいました。
── どのように台詞を覚えましたか?
萩原 長台詞は気合です。さすがに前日は無理なので、何日も前からカウントダウンのように少しずつ覚えました。
河合 私は映像作品では今回の台詞が史上最長でした。でも、普段使わない関西弁というのが逆によかった気がします。イントネーションも含めて、長い1曲の歌を覚えるようなイメージで練習することができたので、標準語よりは覚えやすかったと思います。

河合優実さん
伊東 私も数日前からパートを分けて少しずつ覚えようと思ったのですが、読んでるうちに泣けてきてしまって、全然覚えられなくって。結局、前日にぐわーっと詰め込みました。あれだけ長いと、どこまで言ったのかわからなくなってきちゃって大変でした。
河合 確かに、ずっとループしていて難しそうなシーンだったよね。
伊東 そうなんです。「好きだよ」と「そうじゃないよ」をずっと行き来してるので、こんがらがってきちゃって。でも、本番は目線の先に萩原さんがいたことでとても心強かったです。
萩原 いや、僕はなんにもしていないです。あのシーンのお芝居は本当に素晴らしいので、ぜひ皆さんも注目してみてください。

©︎2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会
3人が語る、いま好きなこと
── 最後に皆さんの、いま好きなことを教えてください。
萩原 僕は『チ。―地球の運動について―』にすごくハマっています。アニメから観て、原作も読ませてもらったんですけど、あんなに食い入るように観たアニメは本当に久しぶりで、最近は寝る前に地動説そのものを解説している動画まで観るようになりました。
河合 私もめっちゃいろんな人におすすめされます。
萩原 僕はYouTubeをきっかけに観るようになったんですけど、そこで勧めていた人が「何も情報を入れずに観るのがおすすめ」と言っていたので、何も調べずにまずはそのまま観てみて欲しいです。
河合 私もマイブームありますよ。
伊東 なんですか?
河合 ルービックキューブ。
萩原 突然!? すごい知的な趣味ですね。
河合 マネージャーさんにおすすめしてもらって。最初は半信半疑でやってみたんですけど、揃え方を教えてもらったらみるみるうちにハマって手放せなくなっちゃって。
萩原 ずっとやってるの?
河合 ずっとやっちゃいます。でも、魅力を言葉にするのが難しいんですよね。とにかく中毒性しかないし、人口も少ないので狙い目かと。いろんなところで布教しています(笑)。

萩原 もう6面揃えられるんですか?
河合 はい。コツというか、手順があるみたいでそれを覚えたら誰でも1日でできます。本当にみんなにやって欲しいです。
伊東 私は…筋トレです。
一同 えー! 意外!!
伊東 腹筋に線が入っていたりしたらかっこいいじゃないですか。だから自主トレでコツコツやっています。ただ、前に腕の筋トレにハマりすぎた時があって、ノースリーブで撮った写真でポーズ的にムキってなっちゃったことがあって…。
萩原 そこまで育ったの!?
伊東 そうなんです。腹筋はほどほどを目指して頑張りたいと思っています。
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『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』
冴えない毎日を送る大学生の小西徹は、ある日お団子頭の桜田花の凛々しい姿に目を奪われる。思い切って声をかけると、拍子抜けするほど偶然が重なり、急速に意気投合する二人。会話が尽きない中、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好きって思いたい」と桜田が何気なく口にした言葉が、小西の胸を刺す。その言葉は、奇しくも半年前に亡くなった大好きな祖母の言葉と同じで、彼女と出会えた喜びにひとり震える。ようやく自分を取り巻く世界を少しだけ愛せそうになった矢先、運命を変える衝撃の出来事が二人を襲う──。©︎2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会
監督/大九明子、原作/福徳秀介「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」(小学館)、出演/萩原利久、河合優実、伊東蒼、黒崎煌代、安斎 肇、浅香航大、松本穂香、古田新太
2025年4月25日(金)全国公開