SixTONESの愛と情熱が溢れ出す。全国5大ドームツアー「YOUNG OLD」をリポート。

エンタメ
2025.04.11

SixTONESが初めての全国5大ドームツアー「YOUNG OLD」を開催。1月24日の東京からスタートし、福岡、大阪、北海道、愛知と5か所を約3か月にわたって巡る公演もいよいよ残り4月13日(日)・14日(月)のバンテリンドームナゴヤを残すのみに。SixTONESらしさが爆発したツアーから1月27日(月)の東京ドーム公演の模様をレポートします。

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唯一無二の輝きを放つSixTONESの今の勢いをステージにぶつけた、初の全国5大ドーム。昨年は4大ドーム、今年は5大ドームと確実にステップアップしている彼ら。1月15日にリリースした5枚目のアルバム『GOLD』を引っ提げてのステージは、音楽への熱量の高さとエンターテインメント力の高さを再確認するライブに――。

セットの至るところにGOLDカラーを盛り込んだド派手なメインステージ。ステージを覆っていた白い紗幕がハラリと落ちると、巨大な金色の“GOLD殿”(ゴールデン)がドーンとお目見え。迫力たっぷりの黄金の大蛇の椅子に座って、威風堂々と登場した6人。冒頭からスパークラーの花火が激しく噴き上がり、怒涛の特効祭りのオンパレード。豪華絢爛の幕開けに会場からは割れんばかりの歓声が巻き起こる。疾走感たっぷりなナンバー「Golden」は、“目指す場所はNo.1”と歌う楽曲で、チャンスをものにして、攻め続ける彼らにぴったりな1曲目だ。激しいあおり曲にペンライトを掲げる会場。メンバーもファンも冒頭から最高潮のボルテージに……!

序盤ではアルバム『GOLD』のナンバーをはじめ、熱量マックスの攻めナンバーで会場の熱をガンガン加速させていく。今年はSixTONES結成10周年、そして、CDデビュー5周年という周年イヤー。お客さんがわっと湧くような見たことのない景色を生み出そうと、豪華なステージにしたいという気持ちで準備してきたのが伝わってきた。毎回、新鮮な驚きを提供してくれるのが、SixTONESのステージだ。

昨年のツアーでは客席を360度全方位見渡せるセンターステージで会場の一体感を高め、生バンドによる演奏で彼らの声を盛り上げた。今年も生バンドは引き続き健在で、バンドはなんと“GOLD殿”の開閉可能な障子から登場。細かいところまでこだわり満載な“GOLD殿”を駆使した見たこともない演出が盛りだくさん。その“総合芸術度”には、目を見張るばかりだった。「Dance All Night」では、六角形に形状が変化するムービングの花道が圧巻な光景を生み出していた。試行錯誤して作り上げた演出は、毎年更新されていくエンタメ力に脱帽だ。

会場が“この曲を待っていた”といわんばかりの盛り上がりを見せた「こっから」では森本慎太郎さんが「Hey! 東京ドーム!『YOUNG OLD』開幕じゃ~!」と、まずは口火を切ってあいさつ。畳みかけるようなラップのマイクリレーが特徴のミクスチャーエールソングで、“いつだって、こっから始めよう”という強い決意を歌い上げる。

そして、ジェシーさんが「東京、声出せるか~い! 声出せるのか~い? どうも、ジェシーのSixTONESです。逆だねっ(笑)」とおなじみのあいさつをしてから、「質問があります。水道橋から来た人? いやいや、後楽園から来た人~! いやいやいや、車で来た人~? いやいやいや、歩いて来ちゃったよっていう人~! いやいやいや、SixTONES、観に来た人~!」と呼びかけ、ファンの「は~い」という返答を確認すると「はーい(肺)。右向き、左向き、ムッキムキ!」とお得意のギャグが飛び出す。

スクリーンに顔がアップで映し出されると、京本大我さんは無言で耳に手をあてて観客の声を聴くしぐさを。サングラスを外して、あっかんべーをするとファンから黄色い悲鳴が…。続いて松村北斗さんは「いらっしゃいませ! いらっしゃいませ! 6人いるんで、僕の時はさぼって小さな声でいいです。小さな声でいいので、全員出してください。じゃあ、松村よりもヤングな皆さま。いらっしゃいませ~! さすがさすが。じゃあ、松村と同い年の皆さま。いらっしゃいませ~! いますね。でも、松村よりもオールドの皆さま、いらっしゃいませ~。めちゃくちゃ元気じゃん。ラスト一回です。さぼった分、全員、全力で声出してみましょうか。全員でひとつになってみましょう。ヤング&オールドの皆さま、いらっしゃいませ、いらっしゃいませ」と、コール&レスポンスで盛り上げる。

森本さんは「Hey! 東京ドーム、どうも~、森本慎太郎です。さぁ、皆さん、『YOUNG OLD』始まりましたよ。まだ喉があったまってないんじゃないの? 発声練習、いきましょうか? “あ”、“あーーっ”。いいね! 『YOUNG OLD』あっという間に最後までいっちゃうから、そして、皆終わった時には若返っているから。『YOUNG OLD』っていうタイトルだけど、誰もオールドにはならないね! 皆ヤングのほうになっていくから、しっかりついてきて! 声出して楽しんでいこう。よろしく!」。

ファーの帽子にサングラス姿の髙地優吾さんは、「SixTONESの髙地優吾です。SixTONESに会いたかったか? 上の方、会いたかったか? 下の方、会いたかったか? 東京ラストだぞ。皆さん、金メダル級の笑顔になって帰ってもらえたらと思います。最後までよろしく!」と笑顔を覗かせる。挨拶のラストは、田中樹さん。耳に手をあてて、「えっ、そんなもん? もっと出るでしょう? もう出し切っちゃったの? もっと出るでしょ? OK。その調子で今日は最後まで上から下まで盛り上がって最高のライブを作りましょう」。そんな個性溢れる挨拶からも彼らが素晴らしいエンターテイナーであることを実感させられる。

SixTONESのロングなMCタイムは、自由度が高く、毎回何が起こるか分からないワクワク感に心躍る時間だ。「東京ドームの皆さん、盛り上がってますか? 盛り上がってます! 声を出していきましょう」と、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のライヴエイドのシーンを真似て、「エーオ、エーオ! SAY!」と観客にコール&レスポンスを呼びかけるジェシーさん。ファンも「エーオ」と真似していたものの、だんだん難解になっていき……。「無理だろ。できるわけねー!」と、たしなめる田中さん。

そして、なぜか田中さんだけセットの下の段にいたことから、「なんでお前、ひとり下にいるの? 上がってこいよ」と森本さんが呼びかけるも、「嫌だよ」と拒否する田中さん。ここから愉快な掛け合いがスタート。上のほうがファンの皆が見やすいと納得した田中さんが上に行こうとすると、メンバーはじっと動かず、「俺が上がってきたら、下りていけよ!」と思わず叫ぶ田中さん。バラエティの鉄板ノリが「鈍ってた!」と反省する髙地さん。しばらく5対1の構図でわちゃわちゃなやりとりをする6人。

無事、6人が揃うと今度は、松村さんが急須と湯飲みを持ってきて、お辞儀をすると謎のお茶タイムに突入。無言で急須を回してお茶を湯飲みに注ぎ入れると湯気が上がり、「あつあつじゃねーか」とメンバーたちはビックリ。京本さんは「お点前、ちょうだいいたします」と、丁寧に両手で湯飲みを持ってお茶をたしなむ。熱くて飲めないと騒いでいたメンバーも次第に「落ち着く~」「美味しい!」とお茶を飲みだし、「おかわりちょうだい!」と言いだす始末。すると田中さんが「スポドリが飲みたい」とわがままを言うと今度は竹の筒でできた水筒が登場。松村さんがスタッフの手作り水筒と明かすと、京本さんは「俺の『ハリー・ポッター』の魔法使いの杖も作ってくれて…」と感慨深げ。さすがにこれで終わりかと思いきや、黄色のひょうたんも登場して、皆で水分補給するという一コマが。MC中の水分補給でこれだけ壮大なコントのような展開が繰り広げられるのは、SixTONESのバラエティ力の手腕を感じた。

ツアーでは毎回、メンバーの組み合わせでまた違った化学反応が巻き起こるユニット曲が見どころのひとつ。バンドにスポットライトが当たり、ドラムの音からスタートしたのは、スタイリッシュなサウンドがおしゃれな森本さんと松村さんの「Don’t Know Why」だ。リズムをとりながら、夢の中にまどろむかのように、緩い空気感で歌うふたり。松村さんはいつになく色香を漂わせ、森本さんは優しさと包容力を感じさせ、それぞれの歌声が重なり魅力が増す。背中合わせになったり、回転する椅子に座って歌ったりする姿は、エモーショナル。ラストは、お互い手に持っていたマイクを相手に向けてクロスさせ、歌う場面に会場から大きな歓声が上がっていた。

ジェシーさんと京本さんのユニット曲は、ふたりのボーカル力が際立つバラード曲「You are the only one」。幻想的なスモークが立ち込める中、まっすぐに愛を唄う美しい世界観の楽曲を胸に手をあてたり、手をさしのべたりしながら、しっとり歌い上げるふたり。その美しく心地よい歌声に身を委ね、うっとりした雰囲気に包まれる会場。同じ未来を見ようというフレーズからプロポーズとも捉えられる歌詞であるこの曲。彼らが歌うと壮大な愛を届ける天使のように見えてくるから不思議だ。最後は、見つめ合ってハーモニーを届ける姿にふたりの強い絆が感じられるものに。

髙地さんと田中さんは、サングラスをかけて登場。クレイジーに最高潮に、今この瞬間を思い切り楽しもうとメッセージを放つ「PARTY ANIMAL」をのびやかに歌い、ドームを巨大パーティ会場に。髙地さんのメンバーカラーであるイエローと田中さんのメンバーカラーの青の2色の輝きに包まれる会場。ふたりをレーザー光線が照らす中、アゲソングで底抜けにハッピーな空間に一変。ふたりのはじけるボーカルに酔いしれていると、自由気ままに生きていけたら最高…と思える心地よさに包まれる。ラストはふたりで「イェイ!」とキメポーズ!

これでもかというほど怒涛の特効が華やかにステージを彩ったラストスパート。「Special Order」や「Bang Bang Bangin’」では、超巨大な蛇型のフロートが出現し、ゆっくりスタンドの目の前を旋回していく。頂上近くには旗がなびき、スモークの煙を噴き出しながら動くフロートは、デンジャラスな海賊船の雰囲気。フライングしたり、柱につかまってクルクルとまわったり、フロートの上で縦横無尽にパフォーマンスする6人の姿は、まるでおとぎ話の主人公かヒーローみたいで見応えたっぷりだった。

そして、飽きさせずに仕掛けて攻め続けていくという彼らの心意気を歌うような「SHOCK ME」では、盛大な特効祭りが。燃えさかる炎にクロスして打ち上げられる花火など、息もつかせぬ大迫力の演出に会場のテンションは爆上がり。ステージを観る者に衝撃を与え続ける彼らのパフォーマンスの真骨頂を見せつけたのは、ラスト曲の「WE ARE ONE」だ。まるで勝利の宣言をするかのように、右手を高らかに上げて歌う6人。京本さんの心の叫びのような歌声、胸を叩きながら熱く歌う田中さん。「エブリバディ!」と叫ぶジェシーさん。メンバーと会場が心ひとつになった瞬間だ。

髙地さんは「皆がいるから、僕たちはいます。応援よろしくお願いします!」とストレートな言葉を投げかけ、森本さんは、会場に溢れるファンのパワーを受け止めながら、「皆さん、本日はありがとうございました。こっからSixTONES、もっともっと上を目指して進んでいきます。チームSixTONES、一緒に高みを目指そうぜ!」と、叫ぶと、共にグループを大きくしてきたファンが一斉に雄叫びを上げた。最後の最後まで、「ありがとう」「上のほうも見えてるよー!」と、ステージから去るのを名残惜しそうにファンに言葉を投げかけるメンバーたち。ライブが主戦場の彼らにとって、ステージは、圧倒的なホームであり、最高に自分たちらしくいられる場所。誰一人置いていかずに一緒に盛り上がれる空間なのだ。

いちばん最後の最後までステージに残った森本さんが、「さぁ、こっちから5大ドームツアー駆け抜けていきますので、今日の皆さんの声援が僕たちの力になります。こっから突き進んでいきます。また一緒に遊ぼう! 約束だぜ、バイバーイ! じゃあな!」と手を振って終了したステージ。ジェシーさんが「『これで明日も頑張れる、SixTONESが活力です!』とteam SixTONESに思ってもらたい」とこの公演の意気込みを寄せていたが、まさに明日への活力を得られるライブ。初の全国5大ドームツアーを終えた後にはさらなる高みを目指して、次のステージを夢見るだろう6人。エンターテインメントの無限の可能性を追求する彼らの旅に終わりはない。

写真・くさかべまき 取材、文・福田恵子

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