開始時刻の21時を迎えるとブラックを基調とした衣装に身を包み、「Real Face #2」で幕開けした生配信。今回の撮影の場所は、2006年にデビュー曲「Real Face」のMVを撮影したという縁ある懐かしのスタジオ。むき出しの鉄骨にチェーンが吊り下がるセットで、デビュー当初のワイルドでヤンチャな彼らのイメージを完全に再現。
スモークが吹き上がる中、ラップパートを男っぽく畳みかける上田さん。背中合わせで中丸さんと上田さんが歌うパートや亀梨さんの色っぽい舌打ちパートも。スガシカオさんが作詞を手掛けたこの曲は、KAT-TUNのまごうことなき代表曲であり代名詞。“ギリギリでいつも生きていたい”と歌う歌詞がそのまま彼らの生き様ともリンクし、ギラギラとしたオーラを放つアイドルとして鮮烈なインパクトを届けてきた。
歌い終えると「KAT-TUNです」と改めて自己紹介をした3人。中丸さんが「時間的に外で見ている人もいるのかな」と言うと亀梨さんが「こんばんは。寒くないですか? 温かくして見てください」と配信を見ているファンに呼びかける。中丸さんが「湯たんぽ必須ですね」と笑うと「体調管理が必要ですね。ファンクラブの皆さんに見ていただけるということで。長年、支えてくださっている皆さんですから、ぜひ楽しんで見てほしいです。(中略)この場所、我々に縁のある場所でお届けするっていうことで…、ピンときてますか?」と視聴者に尋ねる亀梨さん。上田さんは「19年前ですからね」と懐かしそうにしみじみ。「じつはですね、こちら、2006年にKAT-TUNのデビュー曲のMVを撮影したスタジオなんですね」と中丸さんが明かすと「この鉄骨の感じとかの雰囲気もね。当時をオマージュしてくださってる。プロペラも見覚えあるよね」と亀梨さん。
ここでミュージックビデオ撮影を振り返り、亀梨さんが「オフショット、みんなでふざけてましたよね」と言うと、「覚えてます。2日間かけて撮影して。我々っぽく、衣装問題でひと悶着ありましたよね(笑)。今日は20年ぐらい前のスタッフさんもいらっしゃっているので、覚えてると思うんですよ。MVで着た衣装が『気にいらねー、こんなん着れるか』ってね(笑)」と中丸さん。上田さんは「クソガキだった」と苦笑い。亀梨さんが「本当に申し訳ございませんでした。我々、ちょっと大人になった(笑)」と、全員が当時振り返り、謝罪ながらトーク。
そんな思い出の場所で、セットを組め、久しぶりにパフォーマンスできたことに喜ぶ3人。そして、思い出の衣装&グッズを振り返るミュージアムコーナーへ歩き出す。
「今回こちらのセット以外にも、KAT-TUNの懐かしいものを展示した、いわゆる記念ミュージアムものも用意してますので、ちょっとそれを見ながらトークなんかできたら嬉しいです」と説明する中丸さん。スタジオ内を歩いて移動する姿が映し出され、「さあ、部屋が変わりまして、こちら、見えますかね。グッズがドーンと。我々も25年近くもやってるとグッズとか衣装も増えますよね」(中丸さん)とライブ衣装がズラリと映し出された。
中丸さんが真っ赤な衣装を指差し、「これ、覚えてますか。おふたりに質問です」と質問タイムに。「結構前だよね。あ、分かった。火がバーッって出てくるやつ」と亀梨さん。上田さんは「IGNITE」と答え、見事に正解。衣装を見渡した亀梨さんは、「赤か黒が多いよね。『SUMMARY』も赤だったし、やっぱ赤黒なイメージ」と自分たちのイメージを再確認。15周年の時の過去の衣装をパッチワークしたものや『Honey』の時のミツバチの巣がポイントのものなど、懐かしの衣装が溢れる中、思い出を振り返る。

亀梨さんから衣装のこだわりを尋ねられると「マント」と答えていた上田さん。「衣装によって重さが違って。めちゃくちゃ重い時と軽い時があるんです。重い方がやっぱ迫力が出るんですよね」とマントも重量感が様々と語る。中丸さんは「我々、水の演出もやるじゃないですか。衣装も正直、ビッチャビチャになる。で、大体、上田くんが振りで、(マントを)バサッてやるじゃないですか。水しぶきがブワーとかかる(笑)」とマント話に。亀梨さんも「我々は、もう我慢」と苦笑い。私たちが感動してきたマントパフォーマンスの裏側を打ち明けた。ちなみに中丸さんの衣装はロング丈でカッチリ系が多く、亀梨さんの衣装は、この日もそうだったようにボトムがスカートタイプの衣装が多かった、と三者三様の衣装のこだわりを語る。
続いて、グッズの話に及ぶと、こだわりのペンライトたちがズラリと登場。ピストル型のペンライトは、「これが結構問題で物議に」と上田さんが言えば、「もしかして武器なんじゃないかっていう疑惑を持たれて(空港などで)ストップ」と中丸さんも笑う。今は制御タイプのLEDペンライトがメインな中、「昔はそのオンかオフかみたいなシンプルなものでしたけど、最近はいろんな出ますからね」と中丸さんが懐かしむ。ここで亀梨さんが「全部、つけてみましょう」とペンライトのスイッチをオンに。
10周年記念のタオルが紹介されると「そのタオル懐かしくないんだよね」と上田さん。「なぜかっていうと、枕のカバーにしてるの」と現在もグッズのタオルを絶賛愛用中と報告。亀梨さんはグッズを見つめ、「いろんなテーマや状況に合わせて相談して作ったなー」と思いを馳せる。歴代のうちわについては、「中丸くんの写真が、ずっと変わらない(笑)。上田くんは、結構変化あるよね(笑)」と亀梨さん。中丸さんはジュニア時代にうちわを作ってもらえたのが本当に嬉しかったと振り返った。
続いてシングルやアルバム、DVDのジャケットが映し出される。「さっきの衣装もそうだけどさ、ジャケット見ると当時思い出すわ」と中丸さん。そして、「我々、あれですよね、デビュー前の一つの案としてDVDタレントとしてデビューするのは、どうなんだみたいな説ありましたよね」と当時の裏話も飛び出した。
KAT-TUNの展示物のコーナーの後は、自宅にあった思い出の品を持ち寄って公開するコーナーへ。
「僕はこれ持ってきましたよ。はい、ドーン!」とトランプを見せる中丸さん。上田さんは、デビュー15周年にして初めて『NHK紅白歌合戦』に出演した当時の写真を公開。亀梨さんが「あー、紅白の」と声を上げると中丸さんは「お前、ふざけんなよ。何これ。泣かせにくんなよ」とキレ気味に。「本番に出る前に事務所の裏でさ、ある夜集まって撮ったじゃん。初めてだったもんね。ワクワク感もあった。KAT-TUNとして活動してきた中で、一つ(夢に)辿り着いた瞬間」と、いいエピソードが飛び出す。亀梨さんも当時を思い出した様子。「これだけ長くやって、まだ初めての高揚感みたいのがあるんだって。嬉しかったよね」
中丸さんは「出られた嬉しさもあるけど、僕らと同レベルで、レコード会社のスタッフさんも共に喜んでくれたじゃない。あれがちょっときたわ」。そして、亀梨さんの思い出の品は、実家に取りに帰ったという靴で、「ファンの方は見てくれたら分かると思うんだけど、俺が結構、長年ライブのオープニングではどんな衣装でもこの靴を使ってたので、これを持ってきました」。他にもKAT-TUNと自筆で書かれたイヤモニと『DREAM BOYS』の舞台の楽屋で着ていたという刺繍で文字が施された楽屋着も。
ここで亀梨さんから中丸さんと上田さんに粋なプレゼントが贈られる。「持って帰ってちょうだい。我々、2001年結成ということで」と2001年に作られたおしゃれなボトルのワインが。「何がいいかなって結構悩んだんだけど、こういうコーナーもあるということで、じゃあここで渡しちゃおうって。自分のも買ったので、ちょっといい時に開けられたら」と説明する亀梨さん。中丸さんは「死ぬ一歩手前の時に(笑)」と最後までとっておきたいと話していた。
名残惜しくも時間が刻々と過ぎ、記念写真タイムに。どんなポーズがいいのか、3人で話しあった結果、「よし、これで行こう」とデビュー当初に作ったが2か月でやらなくなったという幻のKポーズに。久しぶりすぎて、「あれ? どっち? こっち?」とポーズをわちゃわちゃ再確認し合う3人の姿も。
無事、キメポーズをして撮影が終わると、「さあ、そろそろ歌のお時間でございます」と屋外ステージに移動。桜が咲き始めたまだ肌寒い夜ということで、白い息を吐きながら、「寒い」と笑いながらステージまで歩く3人。「やっぱ特効大好きでしたからね。最後はバンバン演出を…」と炎の特効でパフォーマンスしたいと話す中丸さんの隣を歩いていた亀梨さんが笑いつつ肩をぎゅっと揉みながら、「素直になりました(笑)」と愛おしそうな表情に。

屋外ステージに到着すると、ここで3人から生配信を見守るファンにメッセージ。
トップバッターは中丸さん。
「我々、KAT-TUNから19年間の感謝の気持ちを込めて。四半世紀前、我々は中学生だったわけですけど、先輩の背中を見て、俺もああなれたらいいなっていう気持ちでした。ライブとか色々やってくうちにKAT-TUNを気にしてくれる人、応援してくれる人が増えていくことに喜びを持って駆け抜けてきました。これだけやってるとね、スタッフさんの入れ替わりもありましたけど、全てのスタッフの皆さんに感謝を伝えたいと思います。そして、メンバーの赤西(仁)くんと田口(淳之介)くん、田中(聖)くんも含めて、この6人でなければ、この軌跡は辿れなかったと思います。最後までやりましたよ、という気持ちが、届くといいなと思います。大感謝です。ありがとうございます。全ては皆さんに喜んでもらうため、そういうモチベーションで、ずっとやってきました。楽しかったなと思ってもらえたら、私は満足です」と、何度も感謝の想いを口にした。
続いて上田さん。
「今日で亀梨くん、赤西、田口、聖、上田、中丸で結成したKAT-TUNが幕を閉じます。紆余曲折あったグループを応援してくださったファンの皆様に心より感謝します」と話すと、ここで長い沈黙に包まれる。言葉を詰まらせてから、「ごめんなさい。愛してくださってありがとうございました」と声を震わせながら、「自分はですね、自分の存在は…ごめんなさい」と言葉を繋ごうとするも、上手く話せず、亀梨さんが「時間を気にしなくていいよ」と言ったフォローを入れる場面も。
そんな温かなやりとりの中、「皆さんの生活に寄り添えたり、誰かの励みになれたり、そういうふうになりたいと思って突っ走ってきました。…でも、もしかしたら悲しませることが多かったかもしれません。僕たちは2001年にKAT-TUNという船に乗り、2006年にデビュー、長い道程をメンバーと共に過ごしてきました。20周年を目指す中、メンバーが一人一人と船を下り、結果的にはKAT-TUNは歩みを止めることになりましたが、本当にメンバーには感謝しかありません。どんな時代にも乗り越えなきゃいけないことは、たくさんあって、それはメンバーがいなかったら、絶対乗り越えられなかったこと。ホントに今の自分があるのも乗り越えられたのも5人のおかげ。赤西、田口、聖、そして、今この場にいる亀梨くんと中丸くんには本当に感謝しかないです。ありがとうございます」
涙を流しながら誠実に今の正直な想いを懸命に紡ぐ上田さん。「明日から自分の上田竜也としての人生は始まりますが、正直ホントに全然、想像できていません。それほど自分の中でKAT-TUNは大きかったんだなと実感しております。でも、自分らしく、ファンの方についてきてもらえるように、前を向いて、自分のエンターテインメントを追求して、皆さんにワクワクしてもらえるようなことすると約束します。これは自分との約束にもなりますが、それを果たせるよう、明日から頑張っていきたいと思います。改めて、25年間支えてくださって本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします」
上田さんの心の内を聞いて、胸がいっぱいという表情をしていた亀梨さんが最後に語りだした。
「まずはKAT-TUN結成25年、デビューしてから19年、デビュー前の活動から振り返って色々なことを考えながら今日という時間を迎えました。このメンバーだからこそ、これまでにないスペシャルなデビューを迎えることができて、もっと高みを目指していくんだというKAT-TUNとしてのプライドと、この会社の中で誰でも成し得なかったことをするんだという思いを持って、続けてきました。一筋縄ではいかないグループで。当時の自分がもっと気持ちに余裕があり、受け止めるキャパがあったら、もっとできたのかな、なんて思いますが、そんなグループをここまで支えて、共に進んでくださったhyphenには心から感謝しております。そして、メンバーの赤西仁、田口淳之介、田中聖、上田竜也、中丸雄一。くっついたり離れたり、ぶつかったり、どこにも負けないぐらい手を取り合って大きな高みに向かった。この25年という歩みで得た経験、見てきた景色をしっかり次の一歩に使いたいです」と今の想いを涙ながらに語った。
ここで改めて、「私事で言いますと、KAT-TUN解散と同時に今日限りで会社を抜けることとなります。この場を借りて、これまで27年間支えてくださった多くの関係者の皆さん、KAT-TUN亀梨和也を作り上げてくれた皆さん、ありがとうございました。引き続きここで戦うメンバー2人をどうぞよろしくお願いします。そして、KAT-TUNというグループの船が進んできた道、歴史をどうか大切に思ってくれたら嬉しいです。改めて、支えてくださった皆さん、特にhyphen、悲しい思いをさせてしまって本当にごめんなさい。でも、進むと決めた以上、もっと素敵な景色をそれぞれが皆さんに届けられるように、誇れる未来で繋がれるように歩んでいきます。メンバーに最大の感謝を告げて、僕のKAT-TUN亀梨和也としての時間を終えたいと思います」と締めくくった。
3人が挨拶を終えると「僕たちから皆さんにお伝えしたいことがあります。ファンの皆様と直接会って、その感謝を伝えられる場所をどうにか作れないかという話をしていたと思います」と改まる中丸さん。亀梨さんも「そうですね。僕たちとしては直接して最後に会える時間をという話を進めてきました」。中丸さんも「会場、日時決まり次第すぐに皆さんにお伝えしたいと思います」と報告。「そこで思いっきり無邪気に騒ぎたいなと思ってますので、楽しみに待っていてください」(亀梨さん)と、嬉しいサプライズ発表が──。
「それでは、最後に感謝を込めて、3人で最後のパフォーマンスを届けて終わりたいなと思います」といよいよこの日のラストパフォーマンス。「We Just Go Hard feat. AK-69」をKAT-TUNらしく派手に炎の特効が打ち上がる中、歌う3人。中丸さんのボイスパーカッションが高らかに鳴り響く。気づけば、後ろには白い旗と黒い旗が風になびいている。
そしてラスト曲へ。KAT-TUNにとって大切な曲「ハルカナ約束」──。
あの日のKAT-TUNが信じた夢。それはどんなものだったのか。3人で手を繋いで、「We are KAT-TUN!」と叫んで、終わった生配信。大きく炎が吹き上がると、3人で肩を抱き合う後ろ姿でKAT-TUNの歴史が幕を閉じた。