一緒に“大航海”をしているような感覚を味わえると思います。
「『XYZ』は演奏するメンバーによって、聞こえ方もプレイスタイルも変わる伸縮性がある楽曲。デビュー当時は名刺代わりのように披露していたので、ファンの方たちにも馴染みがある。だからこそ、バンドで演奏することで変化がより感じられると思いました」
そのほか「ペンデュラム」は、シンガー・ソングライターのミシェル・ウィリスさんを迎えたボーカル入りと、ピアノソロの2バージョンが収録されている。
「以前からミシェルのことが好きで、彼女のスモーキーな声で歌ってほしいと思いました。そもそも『ペンデュラム』は“振り子”という意味で、この曲もまさにスウィングするんですよね。バンド演奏では、スイングが非常に強く出ていると思います。一方、ソロバージョンのような小さい音は、こめかみが痛くなるほど神経もエネルギーを使う。普通に弾くよりも断然緊張感がありますね」
4曲から構成される組曲「OUTTHERE」には壮大なストーリーを感じる。
「今いる場所から別の所へ飛び立って冒険をしていく。その中でどこにいても変わらない、自分らしさが分かる。そして、また目指すところへと突き進んでいく。そんな起承転結を意識して書きました。30分近くあるので、一緒に冒険へ出かけて“大航海”をしている感覚を味わえると思います」
改めて上原さんが感じる、このバンドの魅力とは?
「バックグラウンドや普段演奏している音楽も全然違う。そんな4人が集まるときに、こういう魅力的な音楽ができるのがすごく面白いです」
PROFILE プロフィール
上原ひろみ
うえはら・ひろみ 1979年生まれ、静岡県出身。2003年に『Another Mind』で世界デビュー。’23年にHiromi’s Sonicwonderとして『Sonicwonderland』をリリース。4月4日から世界各国でツアーを開催予定。
INFORMATION インフォメーション

アルバム『OUT THERE』
4月4日発売。先行配信曲「バルーン・ポップ」「ペンデュラム feat. ミシェル・ウィリス」など全9曲。【初回限定盤(CD+DVD)】¥4,180 【通常盤(CD)】¥3,300(ユニバーサルミュージック)
anan 2441号(2025年4月2日発売)より