法隆寺と並ぶ古い歴史のある安倍文殊院。この夏は「文殊菩薩」が獅子から降りる姿を拝みたい。五感を揺さぶる奈良への旅。大和四寺巡礼へ。4

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2024.04.23

photo : Yoshiki Okamoto text : Mako Yamato edit : Akira Ikeda PR・JR東海

新幹線を京都で降りて、車窓からの美しい風景を眺めながら向かったのは、奈良県中央部の大和エリアに位置する「大和四寺(やまとよじ)」の巡礼旅。そこは穏やかな隠れ里で、触れられるほどの近さで歴史や文化を体感でき、リフレッシュできる場所です。創建1300年を超えて人々の願いを支え続ける、安倍文殊院を訪ねます。
安倍文殊院
本堂修復のために、本尊「騎獅(きし)文殊菩薩像(もんじゅぼさつぞう)」が獅子から降りた姿を、間近に見ることができる貴重な機会だ。

安倍文殊院 (あべもんじゅいん)
奈良県桜井市阿部645 ☎︎0744-43-0002 拝観9:00〜17:00(祈祷受付〜16:00)拝観料 本堂¥700 金閣浮御堂霊宝館¥700 共通拝観券¥1,200 JR・近鉄桜井駅よりバスもしくはタクシーを利用。
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人々の祈りを受け止める、旅する菩薩。

大乗経典のひとつ「華厳経入法界品(にゅうほっかいぼん)」に登場する善財童子。仏の悟りを得るために、53人の師の元を訪ねて法を聴き、最後に普賢菩薩の元で悟りを開いたという。正面を向いて安置されているものの、本来は文殊菩薩に呼び止められて振り返った姿をしている。

大化元(645)年に創建された日本最古の寺院の一つで、日本三文殊の第一霊場としても知られる安倍文殊院。なんといっても見どころは鎌倉時代の大仏師・快慶が手がけた御本尊の騎獅文殊菩薩像だ。先導役の愛らしい善財童子(ぜんざいどうじ)像や、優填王(うでんのう)像ら4人の脇侍を従えた渡海文殊群(とかいもんじゅ)像は、雲海を渡って魔を祓い、知恵を授ける説法の旅へと出かける姿を写したもの。右手には知恵の象徴である降魔(ごうま)の利剣(りけん)を、左手には蓮華を持ち、慈悲に満ちた姿で800年を超えて人々を見守ってきた。「実は文殊菩薩像は獅子の上にただ座っているだけなのです。今年の7月からは耐震のため一度降りていただき、工事を行う1年間はその姿で鎮座していただきます」と副住職の植田悠應さん。獅子に座る文殊菩薩像の高さは約7mもあり、日本最大の文殊菩薩像でもある。今夏からの1年は見上げるのではなく目線の高さで拝見する、スペシャルな体験が待っているのだ。

境内にはキトラ古墳などと同じく特別史跡に指定された文殊院西古墳もあり、中への出入りは自由となっている。あまりにも美しく精緻な石組みは、約1400年前に築造されたとは思えない。奈良の歴史の深さを体感できる。

左/9月中旬から10月下旬までは様々な種類のコスモスが植えられ、迷路も作られる。右/境内に500本あるソメイヨシノ。咲き誇る姿はもちろん、文殊池に浮かぶ花筏も美しい。ほかに4月下旬から5月中旬にはツツジとサツキ、秋には紅葉が楽しめる。写真提供/安倍文殊院

金閣浮御堂には天文道・陰陽道での神秘的な伝説で名高い安倍晴明の御尊軸、阿倍仲麻呂や安倍晴明の御尊像、秘仏の十二天御尊軸などの宝物が収められている。4月末からの大型連休の初日から連休最終日までは弁財天大祭のため十二天すべてが開張される。回廊を7回まわってから中に入ることで七難を取り除く七まいり行場でもある。

大化元(645)年当時のまま保存されている文殊院西古墳の内部。花崗岩を使い、左右対称になるよう筋を入れるなど、当時の人々の美意識が感じられる。アーチ状の天井は一枚の石で、大きさは約15㎡。安倍文殊院を創建した、阿倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)の墓と伝わる。現在祀られているのは弘法大師の作とされる願かけ不動。

安倍文殊院とともに巡る、五感で味わう3つのスポット。

塩津植物研究所

左から長寿梅¥12,000、カイドウ¥8,000、クサボケ¥5,500。完成した盆栽は¥5,000〜。「古い鉢から現代のものまで時代も価格も様々なものを取り揃えています」と久実子さん。

塩津丈洋さんと久実子さん夫妻が「草木ノ駆け込み寺」を掲げ、盆栽を通じて植物と人とが共にある、よりよい暮らしを提案するラボのようなショップ。約300坪の広々した敷地に、3万本にものぼる盆栽や仕立てられるのを待つ種木が並ぶ姿は壮観。植物は松などの王道から、果実がなるものや草まで約200種が用意されている。「盆栽は鉢の中に景色があること、そのなかで育てることの両方を兼ね備えたもの」と丈洋さん。伝統的な技法を守りつつ、それぞれの植物の魅力を引き出して鉢の中に作る景色は、不思議なほど現代的なセンスをまとっている。すでに仕立てられた完成品を手に入れることも、種木と鉢を選んで盆栽づくりにチャレンジすることも可能。育てるうちに必要になる、植え替えや剪定などのケアも任せてと心強い。肩肘はらず軽やかに、盆栽の世界への扉を開いてくれる身近な研究所だ。

●奈良県橿原市十市町993-1 ☎0744-48-0845 10:00〜17:00 月火水木休 安倍文殊院から車で15分。

中央のピンクの花が咲く木は杏。盆栽以外にも様々に草木が植えられた敷地は、植物のある暮らしの魅力を伝えてくれる。

アトリエにはディスプレイの手本も。

てのべたかだや

左から、いりこと干し海老の出汁に梅酢を加えた海老塩金つゆ・バジル¥730。たっぷり胡麻白つゆ・くるみ¥730。素麺はつるりとさらりから選べる。

桜井市三輪は1200年以上の歴史を持つ素麺発祥の地。三輪素麺を作るメーカーが数あるなかで、『マル勝髙田商店』の素麺はオリジナルブレンドの小麦の風味を生かすため、イタリアから直輸入するオリーブオイルを使うのが特徴。手延べでコシのある麺を作り上げ、とろり、さらり、もっちり、つるり、しっかりと、細さや熟成期間ごとに食感を表す名前をつけた素麺がユニークだ。その素麺を気軽に味わえるのがショップとカフェを備えた『てのべ たかだや』。カフェで味わう素麺は好みのつゆと麺を選んで、紙カップでカジュアルに。改めて素麺のおいしさを実感するひとときを過ごしたい。食後には奈良産の柿や栗を使ったスイーツを。夏にはかき氷も登場する。

●奈良県桜井市大字芝374-1 ☎︎0120-38-3876 9:00〜17:00 食事11:00〜16:00LO 飲み物・甘味10:00〜16:30LO 水休 安倍文殊院から車で10分。

ディスプレイも美しい。ほかに柚子や桜を練り込んだ素麺や、カッペリーニからうどんまで全13種類。

ラム酒香る二層仕立ての柿羊羹¥500、吉野の梅スカッシュ¥510。

まほろばキッチン橿原店/産直レストランかぐやま

『産直レストランかぐやま』の料理は、季節の天ぷら、春菊とほうれん草の白和え、春野菜とツナの粒マスタードソースなど和洋折衷。

豊かな自然と多くの田畑がある奈良は、鮮度のいい食材に恵まれた地でもある。JA直営のファーマーズマーケットは、旬の野菜や果物から、伝統の大和野菜、茶葉や三輪素麺といった特産品、柿の葉寿司などまで、奈良の食材で手に入らないものはないほどの充実ぶり。とりわけ冬からゴールデンウィーク頃までは、古都華(ことか)や珠姫(たまひめ)、奈乃華(なのか)など奈良生まれのイチゴがずらり。旅の最終日に立ち寄って、地元の味を手に入れたい。持ち帰るのが難しいなら、併設の『産直レストランかぐやま』で野菜をたっぷり味わうのもいい。大根や厚揚げ、ニンジンなどを炊いた、のっぺと呼ばれる奈良の素朴な家庭料理。伝統野菜のひとつ、大和真菜のおひたしや自家製豆腐など、月替わりの料理が20種ほど揃い、奈良の味を伝えてくれる。

●『まほろばキッチン 橿原店』奈良県橿原市常盤町605-1 ☎︎0744-23-1301 9:00〜18:00 無休
●『産直レストランかぐやま』奈良県橿原市常盤町605-1 ☎︎0774-23-1305 11:00〜15:00(14:00最終入店)無休 70分制¥1,650  安倍文殊院から車で10分。

ぎっしりと商品が並ぶ『まほろばキッチン 橿原店』。開店前に積み上げられたイチゴは、昼頃にはほぼ売り切れてしまう人気ぶり。

ミートローフなどの肉料理や、デザートもある。

Information
いざいざ奈良 大和四寺編

いざいざ奈良

「いざいざ奈良」キャンペーン、今回は大和四寺をピックアップ。豊かな自然や文化が守られて息づいているエリアで五感で楽しむ唯一無二の旅をしてみませんか。キャンペーンの特設サイトでは、大和四寺エリアでの旅の楽しみ方を紹介。

キャンペーン特設サイト

さらに、奈良への旅行が楽しくなる「いざいざ奈良」だけの特別な旅行プランも登場。大和四寺を巡るスタンプラリーキットと併せて巡礼を楽しみたい。安倍文殊院では、国宝・文殊菩薩をお祀りする奥内陣を貸切参拝できるオリジナルプランも。

特別旅行プランはこちら


この記事は、JR東海のスポンサードで製作したものです


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