しなやかに強く。生きる、踊る。ダンサー・NOSUKE、スペシャルインタビュー

エンタメ
2025.04.15

NOSUKEさん

プロダンサー、振付師として様々なステージに携わるNOSUKEさん。「timelesz project」(通称タイプロ)ではダンストレーナーを務め、表現を追求する姿勢や言葉が多くの人の胸を打った。そんなNOSUKEさんに、健やかに生きるために心がけていることを伺いました。

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INDEX

    NOSUKE ’s Rule1:“音楽を表現する”。負けず嫌いが極めたダンサー人生。

    ――ダンスを始めたきっかけは?

    NOSUKE:子どもの頃に「近所の公民館にダンスの先生が来て教えてくれるから行ってみたら」と親に言われたのが最初です。本格的に始めたのは高校生の時でした。先輩が地元の駅前でストリートダンスをしているのを見て、カッコいいなと思ったのが始まりです。スタジオにも通うようになって文化祭とかでも踊っていましたね。

    ――日本でプロのダンサーとして活動するのは大変だと聞きます。プロとして生きていくと決心できた理由は何だったのでしょう。

    NOSUKE:今思うとそりゃそうだよなと思うんですが、親に大反対されたことが大きかったですね。負けず嫌いな性格だったので逆にやる気に火がつきました(笑)。あの時親から厳しいことを言われていなかったら、むしろ中途半端な形で終わっていたかもしれません。今になってあの厳しさにも理由があったんだと愛情をたくさん感じていますし、今では一番応援してくれています。最初はアルバイトをしながら踊っていて、ダンス一本で食べられるようになったのは20代中盤頃でした。今はダンスが身近になっていて、早いと10代から仕事をしている子もいるので、僕はかなり遅いほうだと思います。

    ――飛躍のポイントはどこだったんですか。

    NOSUKE:山下智久さんが2012年に回ったツアーのオーディションに合格できたことが大きかったですね。有難いことにそのご縁で人との繋がりがぐっと広がって、STARTO ENTERTAINMENTに所属するアーティストの方々ともお仕事をさせていただくようになりました。こちらの事務所はエンターテインメントに特化しているので、一つのジャンルを突出して極めるというよりも、いろんなことを表現できることが求められます。タイプロの5次審査でも、チームごとに候補生がそれぞれ“カッコいい”“かわいい”“美しい”のようなジャンルを表現していましたが、本来は一人ですべてできないといけない。同じことを、振り付ける側にも求められます。なので、入り口はロックダンスやブレイクダンス、ヒップホップを踊っていたんですけど、ジャズやポッピン、ハウスなど、様々なジャンルのレッスンを受けて学びました。

    ――Team"S"pecial結成の経緯は?

    NOSUKE:現在はSakuraと僕の二人が中心メンバーとなって活動しているんですけど、2011年頃に彼女がLAから帰国して日本の仕事のアシスタントを探していて、ご縁があって一緒にやらせていただくようになりました。その当時、僕は一番下っ端でたくさんのことを学ばせてもらっていました。今、コアのメンバーは7~8人で、振付をさせていただくアイドルやアーティストによって、チームの人数は変動します。

    ――NOSUKEさんが感じるダンスの楽しさや喜びは?

    NOSUKE:体を使って音楽を表現できるのが、スポーツとは大きく違うところで、まさにそこに楽しさを感じます。曲に没入して、その世界を体現していく中で、新しい自分に出会えるんです。

    NOSUKE ’s Rule2:指導にも欠かせない。表現に直結するメンタルの保ち方。

    ――タイプロの4次審査では、フィジカルトレーニングがありました。腹筋と腕立てを各50回に加え1000m走という過酷な内容でしたが、アイドルにとっては強靭な体は不可欠なのでしょうか。

    NOSUKE:アイドルにとって表情管理はすごく大事で。ライブでは基本1時間半~2時間半、ドーム規模なら3時間~4時間、いい表情、いいパフォーマンスを続けなければいけません。でも基礎体力がないと、どうしても集中力が切れて、表情にも隙ができてしまう。そういった意味でも、最低限のフィジカルトレーニングも必要だと思います。タイプロでは筋トレして、走って、何度も何度も踊らされて、候補生にとってものすごく大きな試練だったはず。でも、すべて乗り越えられたことが自信となり、やり切った自分を褒めてあげられる。フィジカルトレーニングにはそういう効果もあります。

    ――メンタル面も大事だと思うのですが、いかがでしょう。

    NOSUKE:ダンスってすごく心と近いところにあって、メンタルが出やすいんです。踊りを見れば、落ち込むようなことがあったのかなとかすぐわかります。

    ――5次審査でダブルターンを決めた候補生にNOSUKEさんが「心の軸がしっかり取れてきたのが見てわかった」と仰っていたことを思い出しました。

    NOSUKE:ダブルターンのような体の軸を取る技は「できるんだ」という確かな自信がないと絶対に成功しないんです。心が揺らいで回れなかった自分を想像してしまうと、本当に回れない。そういうものなんですね。なので「心の軸をブレさせず、できるイメージだけを持つように」と候補生には伝えました。

    ――成功のイメージを持つというのは、仕事などでも使えるマインドセットですね。

    NOSUKE:そうですね。ダンスではイメージがとても重要です。練習中は鏡を見る時間が多いんですけど、鏡がなくても「今、自分がどんな姿で踊っているのか」外から、つまりお客さんからどう見えているのか、客観的な視点を持たないといけません。

    ――メンタルを健やかに保つためにやっていることはありますか。

    NOSUKE:完全に趣味なのですが、3年前から始めたカメラを持って散歩することです。撮った写真を見て、インスタのカメラアカウントにどれを上げようかなとか考えている時はすごく楽しくて、気持ちも軽くなりますね。でもカメラは沼! レンズとかこだわりだすとキリがないです(笑)。

    ――第一線で活躍している方々にメンタルケアについてアドバイスすることもありますか。

    NOSUKE:人によりますけど、精神面の保ち方について聞かれることはやはり多いですね。色々な見方や感じ方があって、それを自由に発信できる時代の矢面に立っている方たちなので、きっと疲れちゃう時もあると思うんです。僕にできることは少ないですけど、話したいことがあればなんでも聞きますし「体を動かしてスッキリしたい!」という時には一緒に踊ることもします。体を動かした後って、それまで悩んでいたことがどうでもよくなってスッキリすることが割とあるんですよね。体と心って本当に繋がっているんだなと思います。ストレッチでも十分なので、心が疲れている時にもぜひ。

    NOSUKE ’s Rule3:無理せず続けて自信に。NOSUKEさん流の“カラダにいいこと”。

    ――NOSUKEさんが日々実践している“カラダにいいこと”は何ですか?

    NOSUKE:最近ありがたいことに忙しい日々を過ごさせていただいています。そんな中でストレッチの重要性や必要性を改めて実感しているところです。やるのとやらないのとでは、疲れの溜まり方がまったく違います。疲労回復のためには、月並みですけど湯船に浸かるようにもしています。

    ――「ストレッチから始めるのがTeam"S"pecialの理念」ということですがお話がありましたが、タイプロでのレッスンや振り入れでもそうだったのでしょうか。

    NOSUKE:はい。時間がない時以外はなるべくストレッチやアップをやるようにしていました。4次審査の時はみんなで芝生の上でストレッチをしたんですけど、空気も澄んでいて清々しい気分でいい思い出です。そのあと候補生は過酷なトレーニングが待っていたのですが…。あとは候補生同士でペアになって開脚して引っ張り合いとかもして、みんな大騒ぎしながらも楽しそうにストレッチしていて可愛いなって思いました(笑)。男子校の体育の先生になれた気持ちで嬉しかったです。

    ――ストレッチ以外にNOSUKEさんが取り組んでいることは?

    NOSUKE:ベーシックな体幹トレーニングを、2日か3日に一回のペースで続けています。クリエイターとしていい作品を作るために、いい精神状態でいたいなと思って。トレーニングを続けられているという自信が、創作にもいい影響を与えてくれていると思います。

    ――食事面はいかがでしょう。

    NOSUKE:僕、尋常じゃないくらい食べるんです(笑)。一日家にいるとご飯6合とかペロッといっちゃうんです、マジで! それでも以前は大丈夫だったんですが、ダンサーとして踊るよりも振付師として見ることのほうが多くなって。ただでさえ運動量が減っているので、去年から自己流でオートファジーを始めました。もともと食べすぎていたというのもあるんですけど(笑)、僕には合っていたみたいで、体の調子がよくなって、みるみるうちに痩せていきました。

    ――具体的にどんなふうにやっているんですか。

    NOSUKE:16時間食べず、その間は油や塩を使っていない素焼きのナッツ、高カカオのチョコ、お水だけで過ごします。始めたばかりの頃はナッツだけつまんでいたんですけど、それがもうツラくてツラくて…。「リスかな?」みたいな(笑)。あまりにひもじいので、チョコも食べていいことにしました。16時間が過ぎたら何でも食べてOK! それが正しいのかはわからないですけど“16時間食べられない”ではなくて“我慢できたら好きなものを食べられる”と思ったほうが、僕の場合はモチベーションを保ちやすいです。今は、3日はオートファジーで、2日は3食とる普通の食生活というリズムでやっています。

    ――ダイエット効果以外に、オートファジーによって起こった変化はありましたか。

    NOSUKE:不思議と体がいいものを求めるようになりました。チョコにしても何も考えずバンバン食べていたのに、高カカオのものを欲するようになって、お菓子よりもフルーツがおいしく感じられるようになったんです。それとトレーニングもですけど、オートファジーも、体にいいことを続けられているんだと自分に自信がつき、精神的にも強くなれました。

    PROFILE プロフィール

    NOSUKE

    ノスケ ダンサー、振付師として、BTSやMrs.GREEN APPLEなど様々なアーティストのダンサーや振付を手掛ける。「timelesz project」にダンストレーナーとして参加。オーディションの全課題曲の振付も担当した。

    シャツ¥31,900(ソフトハイフン TEL:03・6418・1460) パンツ¥6,996(レッドキャップ×フリークス ストア/フリークス ストア渋谷 TEL:03・6415・7728) 靴¥176,000(ジェイエムウエストン/ジェイエムウエストン 青山店 TEL:03・6805・1691) ベルト¥24,200(ラペルク TEL:050・5218・3859) イヤカフ¥22,400 リング¥70,000(共にトムウッド/トムウッド 青山店 TEL:03・6447・5528)

    写真・小笠原真紀 スタイリスト・井田正明 ヘア&メイク・佐々木れな(ThreePEACE) 取材、文・小泉咲子

    anan 2442号(2025年4月9日発売)より

    Tags

    NOSUKE

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