灼熱の一室を「ココロが清らかになる場所」と表現できるほどに、蒸された回数は数知れず。人生を変えた運命の出合いから好みのサウナ室のタイプやおすすめの入り方まで。人々を熱狂させるその魅力を、冠番組を持つ磯村勇斗さんが語ります。

磯村勇斗が語る、「サウナと僕」の関係性。

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「出合った頃は文字通り熱に浮かされていました。仕事や予定の合間を縫って、毎日、“ととのって”いたんです。そのうちにだんだんとサウナと共存していく感覚が芽生えてきたので、今は週2くらいに落ち着きました。息をするようにサウナで汗を流す。そのくらい僕にとっては生活の一部です」

磯村勇斗さんとサウナの蜜月は2019年に放送したドラマ『サ道』(テレビ東京)の“イケメン蒸し男”役をきっかけに始まる。

「取り囲む環境や価値観がぐるりと変わりましたね。蒸されない人生は、もう、考えられない」

同年にはフィンランドサウナアンバサダーに就任。2020年からは国内外のさまざまな施設で“ととのい”を追求するドキュメンタリー『サウナ―――ズ 磯村勇斗とサウナを愛する男たち』(以下『サウナ―――ズ』)もスタート。3月より第4弾がオンエアされている。気心知れたスタッフとの現場であるためココロの鎧を外した磯村さんを垣間見られる。北海道を訪れた第3弾では「サウナと恋は一緒」といったドキッとするフレーズも飛び出していた。

「わぁあああ! 恥ずかしい!! どんな思考回路で出た言葉なのかは、もはや理解不能です(笑)。補足するのであれば、サウナでのアジャストと相手の心情を慮りながら絆を深めていく恋に共通点が多い、というのを言いたかったのかもしれない。例えば、公共施設なのでマナーを守るのは基本ですよね。そのうえで、自分のコンディションに耳を澄ませていく。ここで内なる声を聞くのを疎かにすると体への負担が大きくなります。雑な態度で臨んで勝手に苦しい思いをするのは、サウナに失礼。五感をフル稼働するうちに気持ちよくなっていき、互いの状況を確かめ合ううちに、身を置くサウナと良い関係性が築かれていきます」

はにかみつつも丁寧に説明してくれる姿から、サウナへの情熱がひしひしと伝わってくる。

「隅々まで清掃の行き届いた施設におじゃますると、サウナに対するオーナーさんの想いに触れた気がして胸が熱くなります。だからこそお客さんにも愛される。個人的な見解ですが、温泉よりも心身を清らかにするエネルギーが強い気がしています。フィンランドでは儀式を行う場にもなるそうで、生まれたての赤ちゃんや、亡くなった人を天国へ送る直前に入れる風習もあったと聞きました。妖精の存在も信じられているすごく神聖な空間。大切にしたいですね」

塩、ミスト、遠赤外線などあるなかで、お好みは?

「やっぱりフィンランド式ですね。室温は80~90°Cで湿度も保たれています。なにより、石に水をかけて蒸気を発生させるロウリュが好きなので。また、温度管理、セルフロウリュの可否、ベンチの木材と背もたれの角度、ライティングといったセッティングもリラックスには大事な要素。ついつい注目しちゃいます」

蒸される時の必需品は?

「乳液とボディクリームかな。湿度があるとはいえ高温の室内でじっと座っているとどうしても肌が乾いてくるので。3セット終えて更衣室に上がったら、すぐに保湿をしています。サウナハットも持っていますよ」

かけがえのないひとときを慈しむために1人でこもる割合が高いという。

「“ととのった”後に食べるごはん(通称・サ飯)は何にしよう? とか些細なトピックスに思いを馳せるターン、芝居についてあれこれと巡らせる瞬間、何も考えずにひたすらボーッとするタイミングなど。マイペースに動ける解放感がたまらなくて。自分との対話を楽しんでいます」

汗を流して人生をブラッシュアップ。“ととのう”ためには所作(サウナ→水風呂→休憩)を3セット行うことがベースとされている。磯村さんがもっとも好むステップはどこ?

「所作は三位一体なので工程で切り取るのは難しいけれど、あえて挙げるとすれば、“ととのい”を迎える休憩ですかね。そういえば、サウナーになりたての頃はサウナ8~10分、水風呂1~2分、休憩3分という時間をきっちり守っていました。そうしなきゃ“ととのえない”って思い込んでいたんです。いろんな経験を積んで、マニュアルに縛られる必要はないと分かりました。ジャッキー・チェンの中国武術の習得と同じです。基礎を積んだら自己流にアレンジしていい。熱さの限界を迎えたら退出してOKだし、水風呂も冷たくなったら出てかまわない。ハウツーよりもその時の体調やリズムに応じた動きの方がカラダとココロにとってベストなんですよ。それに“ととのう”に囚われているうちは、なかなか境地に達せません。むしろ、そのこだわりを捨てられた頃に、自ずとやってきてくれます。頭のてっぺんからつま先まで広がっていく多幸感をぜひ、味わってほしい!」

“ととのい”をゴールにしなくていい。目からウロコの提案はビギナーのハードルを下げてくれた。さらにもう少しアドバイスを加えるとしたら?

「こうすべきという固定観念を外してみてほしいです。水風呂がどうしてもダメだったらスキップしても大丈夫です。無理しない方がいい。誰もが心地よく利用できるためのマナーは守ったうえで、好きに過ごしましょう。そして、休憩と水分補給もお忘れなく」

磯村勇斗、サウナの心得。

1. サウナは恋と同じ。真摯に向き合う。

2. サウナ、水風呂、休憩。どれも全て丁寧に。

3. 初めから“ととのう”ことを目指さなくていい。待っていればいつかふっとやってくる。

4. サウナには、自分のリズムと会話しながら入る。

5. 基礎を積んだら、自己流を楽しむ。

いそむら・はやと 1992年9月11日生まれ、静岡県出身。現在Netflix『今際の国のアリス』シーズン2が配信中。4月13日より始まるドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』(テレビ朝日系)に出演。

サウナハット¥4,950(OVERRIDE/OVERRIDE 神宮前 TEL:03・6433・5535) その他はスタイリスト私物

※『anan』2023年4月12日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) スタイリスト・齋藤良介 ヘア&メイク・髙田将樹 取材、文・松岡真子

(by anan編集部)

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