英語日記を活用した勉強法を確立した、新井リオさん。
「アメリカ旅行中、ある青年にすごく親切にしてもらったのですが“Thank you”としかお礼が言えなかった。中学、高校と英語を勉強したのに、こんなに話せないのかと。同じようなシチュエーションに遭遇した時、きちんと思いを伝えられるようになりたい。そう思って、感情や日常の出来事など、実際に英語で話したいことをノートに書くようになりました。書くうちに、これって日記だなって気づいて。ノートからスマホやPCで書くようになり、“1フレーズ日記”という現在の形に落ち着きました。言いたいフレーズを1日1文、英訳して音読し、表現をインプットしています」
この時、ネットを駆使するのが新井さん流。わからない単語はネット検索、英訳はオンライン英会話で添削を受けて、発音練習には音声入力を活用する。この独自の勉強法を続けた後、友人がいたカナダに渡り、約1年間滞在した。
「今でも自分の口から英語がすらすらと出ているのが不思議に思う時があります(笑)。その気持ちよさ、会話が続く楽しさ。これを体験してからは、英語に触れる時間がさらに好きになりました。来年には、憧れのイギリスに移住する予定! 大好きなミュージシャンが暮らしていた街で生きていくと思うとワクワクします」
自宅につくった海外のような空間。
家にいるだけでも、英語学習のモチベーションを上げるために様々な工夫が。PCでは、ロンドンの街並みを映したYouTube動画を再生。世界中のラジオが聴けるアプリ「Radio Garden」を使って、ロンドンのラジオを聴くことも。
PCでつけている英語日記
STEP1:日本語で言いたい1フレーズを書く。
教科書の例文のようないつ使うかわからない言葉を覚えるよりも、自分が使う(これから使いそうな)例文を書き出す。「無理に英語で書こうとすると小学生の日記みたいな文章しか書けないので、本当に言いたいことを言えるようになるためにも、ふだん使っている日本語でまず書き出しています」
【おすすめツール:LINE】自分一人のトークルームで言いたいフレーズをメモ。
LINEで自分だけのトークルームをつくり、日常で“言いたかったけど言えなかった言葉”を記入。「どんなシチュエーションでその言葉が必要だったのかも書くとより覚えやすい。LINE のトークルームは検索もできるので便利」
STEP2:英訳をつくる。
翻訳サイトを使って一瞬で英訳せず、まずは自力で英語に。「自分は何が書けないのかを知ること。わからない単語は以下のサイトを中心に検索。意味だけでなく例文、ネイティブがどんなニュアンスで使っているのかまで調べます。つくった文章はオンライン英会話のレッスンで添削してもらいます」
【おすすめサイト】
・DMM英会話 なんてuKnow?
・Hapa 英会話
・英語 with Luke
・ネイティブと英語について話したこと
【おすすめツール:Twitter】生きた例文集の宝庫!
自分の英語表現が自然かどうかはTwitterで確認。「正しい単語の組み合わせを知りたい時に便利。“think of”“think about”どちらの熟語がより適切かなとか。ヒット数が高い方がより多くの人の間で使われているんだとわかります」
STEP3:声に出して読み上げる。
「口に出した回数に比例して、その文章が身につくので、つくった文章は音読を繰り返しします」。その時使うのは、MacやiPhoneの音声入力機能。入力が乱れず、すらすら言えるようになればOK。「音声で自動入力された文字列を見ると、こんなに練習したんだと手応えを感じます」
【おすすめツール:Siriや読み上げ機能】覚えたいアクセントの話者を選ぼう。
発音のお手本もiPhoneやMacの読み上げ機能。「設定」「アクセシビリティ」「読み上げコンテンツ」の画面に進むと、男性/女性、イギリス人スピーカー/アメリカ人スピーカーなど、話し手のキャラクターから速度まで設定できる。
STEP4:週に1日は復習の日を設定する。
月曜から土曜の文章を見返して、日本語を見て英語で言えるか、正しい発音ができているかを日曜に復習。「復習が何よりも大切。PCのメモにはこれまでの1フレーズ日記を全てためているので、1週間分だけでなく、過去の分も遡ってランダムにチェックするようにしています」
新井リオさん 1994年生まれ。19歳から独学で英語とデザインを学ぶ。イラストレーター、デザイナー、ロックバンドPENs+のボーカルとしても活動。独自に編み出した、英語日記を駆使した勉強法を綴ったブログが「英語 独学」Google検索で1位を記録。著書『英語日記BOY 海外で夢を叶える英語勉強法』(左右社)。
※『anan』2022年4月20日号より。写真・土佐真理子 取材、文・浦本真梨子
(by anan編集部)