江原:多くの方々と接してきて、気づいたことがあるんです。生まれ変われる人と、生まれ変われない人の間には、明確な違いがあるな、と。生まれ変われない人というのは、だいたい過去のことを引きずっているんですよね。
中森:幼少期や過去の出来事、相手への感情を持ち続けているんですね。
江原:ええ。過去を恨んだり、誰かを恨むというのは、自分の人生を汚すことと同じ。だって、ずっとそのことを考えているというのは、自分の人生の時間、つまりは自分の命をそれに捧げていること。本当に損なんですよ。ならば、一刻も早く忘れるほうがいい。
中森:生まれ変われる人は“自分を深く知ろうとする正直な人”。そして、悩みの根っこには、必ず人間関係があります。例えば誰かに対して怒りが湧くなら、「その感情は既に自分の心の底に存在していて、それに気づくために浮上してきた」と受け止めれば、自分を変える機会はたくさんありますよ。
江原:相手がどうこうじゃなくて、「自分」なんですよね。“人のふり見て我がふり直せ”で、その人を反面教師にして自分を変えれば、嫌なこともパーゲイション(浄化)できて、自分も成長できる。そうしたら過去の出来事に「ありがとう」、生まれ変わった自分に「おめでとう」と言える。人生の軌跡が美しくなるんです。
中森:そう。問題の原因は自分の中に潜んでいる。だからまずすべての現実や感情をありのまま受け入れることが、生まれ変わるきっかけとなりますね。
江原:でも人は、いつのまにか自分の心にある“フィルター”を通して物事を見てしまう。自分をいい人に見せたいフィルターとか…。そうすると、「でも、だって」と言い訳したくなるし、誰かのせいにしたくなる。
中森:「相手が変わるべき」「環境が良くない」と外側のせいにしているうちは、解決の真の糸口は見えません。
江原:そうそう、まるでひとり芝居のように悩みの迷路に入り込んじゃう。
中森:先ほど江原先生がフィルターと仰ったものを、私は“色眼鏡”と言っています。その人独特の色がついた眼鏡をつけているため、真実が見えない。ちょっと勇気を出して色眼鏡を外し、素直にありのままの状況や相手を見るなら、大きな変化が起きるでしょう。「ものの見方を変えること」は、ライフスタイルを新しくすることなんです。