岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「再生数」です。
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かつてミュージシャンが、自分の楽曲がどれくらい聴いてもらえているかを知るのに数値化できる指針は、CDの売上枚数くらいしかありませんでした。ラジオリクエストのオンエア回数が加味されることもありましたが、それでもCDの売上枚数が多いことが音楽チャートの上位に入るための唯一の条件でした。指針はそれ一択だったんです。それが今では、CDのセールスだけでなく、ストリーミング再生数やYouTubeなどの動画再生数も重視されるように変わってきています。今はミュージシャンとしてメジャーシーンで生き残るためには、自分のCDを買ってもらう以上に、どうすれば再生数が伸びるかを考える必要があるといえます。なかでもメディアなどで最もフックにされるのがストリーミング再生数。みなさんも音楽番組で「ストリーミングで何億回再生!」なんてキャッチで紹介されているアーティストを見かけたことがあると思います。

多くの人がApple MusicやSpotifyをはじめとする音楽配信サービスに加入していると思います。それだけでさまざまなアーティストの曲に触れることができます。これって改めて考えると、本当に革命的なことだと思います。だって昔は、CDを買わないとそのミュージシャンの音楽は聴けなかった。新品じゃなくても中古にしろレンタルにしろ、対象となるミュージシャンを目的に購入しないと音楽には触れられなかったわけです。そりゃ、どれを選ぶか必死で考えます。でも今は、チャートやリコメンドをザッピングしながら、アーティストのことをよく知らなくてもピンポイントにおすすめされた一曲に辿り着くことができる。アーティストの背景やジャンルの流れなど知らなくてもいい。これは、どちらがいいという話ではなく(どちらにもいいところがあると思います)、昔と今の音楽の聴き方の違いでしかない。再生数を伸ばすためにはこの、ポンと辿り着くわかりやすいルートを開拓しないといけません。

その道筋を作るのが、TikTokだったり、ユニークなMV動画だったりします。つまりここでもまた再生数との戦いです。再生数が再生数を呼び、さらに再生数を伸ばしていく…。でも正直に言えば、再生数が伸びてなくても“いい曲”ってたくさんある。これを読んでいるみなさんにはそういう自分だけのいい音楽を自分の耳で見つけてほしいです。

おかざきたいいく 4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーの開催が決定!

※『anan』2024年2月14日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND) 文・梅原加奈

(by anan編集部)

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我が身を振り返る、内省する意味のある日で、そこから発展して自分に近い人たちとその外にいる人たちとの関係を見つめることまで含みます。異なる視点・意見をもった相手との間で対立したり迎合したりと揺れ動く様子もイメージされますが、いずれにしても自分の考えや気持ちについてしっかりと見つめることが大切です。

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